大化改新: 六四五年六月の宮廷革命 (中公新書 1119)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 89
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011190

作品紹介・あらすじ

645年6月、中大兄皇子と中臣鎌足は国政改革最大の障害である蘇我蝦夷・入鹿父子を武力で排除した。これが大化改新とよばれる政変の序幕になったという筋書はあまりにも有名である。だが、これに関して残された史料は、兄大兄・鎌足中心に事件を描いた極めて偏ったものであった。クーデターの真の目的は何であったのか。そしてその首謀者は一体誰だったのか?定説化しているクーデターの謎を検証し、大化改新の実像に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 内容は面白いのだが、結論が終章まで先延ばしされるという、日本語にありがちな悪癖。それがなければ推理も合わせてもっと評価したいが…冗長な脇役の人物解説など読んでいて何度も意識が遠のいた…まず終章から読む事をお勧めする。何故そうなのか?と思ったら手前の章にバックするのが吉。頭から読むと眠くなるよ笑

  •  一般に「大化改新」といえば、中大兄皇子と中臣鎌足が、専横を極めていた蘇我入鹿を倒し(乙巳の変)、その後中央集権的国家形態の基礎を作ったという認識であると思う。日本書紀などの歴史書は勝者の側の論理で書かれているのが常識だから、その内容を鵜呑みにはできない。そこで著者はこの古代史の中でも最も有名な事件の真相に迫るべく、事件の主役は本当に中大兄皇子と中臣鎌足だったのか、またその目的は本当に国政改革にあったのか検証した。

     筆者は中心人物と言われる中大兄皇子や中臣鎌足の人間関係を中心に辿っていく。当時名前はその人物の育った地域の名前で呼ばれることが多く、従って誰がどこに勢力を持っていたかがわかる。

     そうして当時の様子を紐解いていくと、「大化改新」の本当の主役は中大兄皇子や中臣鎌足ではなく軽皇子ではないか。また、その目的は国政改革ではなく皇位継承の争いだったのではないかというのだ。

     この説はこれまでの古代史の通説に反するものらしいが、とても説得力があり十分に納得できるものだと思った。

  • 大化改新についての解説で、今一番押されている説を唱えている方の本です。
    あー、成程、と思う部分もあり、考えさせられる部分もあり。

    軽皇子が、腹黒ポジション!

  • 初心者にも読みやすい感じです。<BR>軽皇子を大化改新の中心と考える。<BR>今まで私の中になかった新しい考え。

  • これをきっかけに、私は遠山著作を追いかけるようになりました。
    ついでにほぼ毎年のように飛鳥に行くようにもなりました。
    出来れば受験する前に出会いたかったと思います……。

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著者プロフィール

遠山美都男

1957年、東京都生まれ。学習院大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科に進み、博士(史学)を取得。専門は日本古代史。『壬申の乱』『白村江』『天皇誕生』『蘇我氏四代』『大化改新と蘇我氏』ほか著書多数。

「2022年 『新版 大化改新 「乙巳の変」の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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