0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011367

作品紹介・あらすじ

本書は赤ちゃんがことばを開花させるまでを詳細に追求して、授乳を通しての母子間交流、おうむがえしの意味、母親語の役割等を明らかにし、ニホンザルとヒトの音声発達の過程を比較しつつ、ヒトの言語獲得能力の系統的起源を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB00087647

  • 京大の霊長類研究所に所属する方による、ことばを話すようになるまでの赤ちゃんの実験から得た考察やサルとの比較には興味深いことが少なくない。抑揚や単語がなにかを象徴的かつ公共的に伝達することがあるのは事実だろう。とは言え、本書が扱う意思疎通という意味の「ことば」の多くは音声であり、また行動学的なアプローチを取っているため、人間が発話するときに用いられる文法という仕組みについては余り考慮されていない。0歳児の脳を対象にした研究があればぜひ読んでみたいと改めて思う。

  • 比較行動学者が類人猿とヒトの乳児を観察・実験研究して分かったことを書いている。くちびるは赤ちゃんの心の窓、母親側からの働きかけの変化、などなど大変興味深かった。

  • さらっと読み。27年前に書かれた本だからか、少々過激な表現や書き方をしているところがいくつかあった。
    たくさんの地道な実験がなされてこの本が作られてる。赤ちゃんもやはり顔が大事なんだ。とか、母親の無意識に赤ちゃんとコミュニケーションを取ろうとする行動とそれが及ぼす母子の関係性とか。漫画に出てくる人物の描かれ方の変容とか。生まれたばかりの赤ちゃんは肺が小さくこまめに呼吸をしないといけないから声を出す暇がないとか、なるほどな、息子の時は…と振り返りながら読んだ。

    母親語というものについて。子どもが生まれるまでは知らない母親の子どもをあやす姿を見て「こんな高い声出せない」と思っていた私だったがいざ生まれるとしっかり母親語を使うように。赤ちゃんとコミュニケーションを取ろうと無意識に必死なんだね。赤ちゃんをさらに愛おしいと思えた。

  • ヒトが言語を習得するのと引き換えに吐気反射を得たこと。
    3ヶ月児が「あっ!これがおうむ返しってやつね!」と、ある日急に気が付くこと。
    サルにも方言があること。
    の3点が面白かった!
    ピアジェによる、乳児が外界の事物に客観性をもつ過程も興味深かった。
    次に赤子を産むときがあったら私も研究したい。

  • ヒトが言葉を獲得する、という印象を受けるタイトルではあるが、どちらかといえば「言葉を聴く」ことを中心に、ヒトがコミュニケーションの能力を獲得していく過程が描かれていてとても分かり易かった。

    特に「赤ちゃん言葉」に関する文化的な背景の解説は面白かった。

  • 生物学的にどう他の動物と違うのか、どのように人は言葉を獲得していくのか、話始める前の親子でのやり取りの大切さがわかった。言葉でやり取りできないことはもどかしいが、その理由はちゃんとある。生き抜くためだ。赤ちゃんは必死で生きてる。大人の理解はあればあるほどいいだろう。

  •  ことばをテーマに赤ちゃんを読み解いている本。著者がもともとは大人のサルの研究をずっとしてきたのに、子どもが生まれて赤ちゃんに興味を持ったという経緯も面白い。
     リアルタイムで育児をするものとして、いくつも発見が必ずあった。おうむがえしを理解できる瞬間の話。赤ちゃんに話しかける親の声が高くなる理由。赤ちゃんが言葉の内容ではなく、メロディーで理解していること。どれも当事者としてなるほどと思った。
     メロディーでコミュニケーションをとる赤ちゃんの能力はある意味で大人とは違う特殊能力のような感じがする。

  • この当時は正高信男氏は誰なんだ?何者何だと。
    そう言う噂が流れておりました。
    作られた存在?京都大学犬山校舎の合作ちゃうんかと。
    〇〇正高氏と〇〇信男氏が居て・・・もっと大勢参加して
    一大プロジェクトとかで。
    大黒麻希だったっけ?あんな感じで。
    バーチャルな歌姫的ななにか。

  • あの霊長類学者がサルにケータイを持たせる前に著した本。ケータイのベストセラーのようなインパクトはなくて、やや地味な内容だが地道な調査研究が記されてる。一般にいう「言葉」を発する前に、赤ん坊にどんな能力があるか、どんな成長をするのかを、苦心した方法で調査している。被験者としての赤ちゃんは、動物なみにコミュニケーションができなくて、ヒト並みに人権があるので、実験や調査は大変だったと思う。けっこう古い本なので、登場した被験者赤ん坊は、すでに社会人になっているはず。

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著者プロフィール

一九五四年、大阪府生まれ。霊長類学者(サル学者)・発達心理学者、評論家。大阪大学人間科学部行動学専攻卒、同大学大学院人間科学研究科博士課程修了。京都大学霊長類研究所教授を二〇二〇年に退職。『ケータイを持ったサル』(中公新書)、『天才脳は「発達障害」から生まれる』(PHP新書)、『いじめとひきこもりの人類史』(新潮新書)など著書多数。

「2021年 『自粛するサル、しないサル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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