革命家 孫文―革命いまだ成らず (中公新書)

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  • 中央公論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011848

作品紹介・あらすじ

「革命いまだ成らず」を遺訓とし、1925年、孫文は革命に捧げた波乱の生涯を終え、完成を民衆に託した。辛亥革命は清朝を倒し専制政治に終止府を打ったが、中華民国は反動的な袁世凱に奪われ、その後は軍閥混戦が続いた。孫文は共和制の定着のため軍閥と戦い、真の自由と平等を獲得した民主国家の建設を目ざした。本書は孫文の革命運動や彼の新生中国の建設計画を考察し、生涯を追ってこの偉人の実像に迫ろうとするものである。

感想・レビュー・書評

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  •  孫文や辛亥革命について著した著作は数多あるが、本書は孫文の身にスポットを当て生涯を忠実に辿った伝記であるといえるだろう。死を前にして「革命いまだ成らず」と遺訓し、後の革命の完成を民衆に託したといわれるが果たしてどうだろうか。眉唾ものだと私は思う。後世の人たちの創作ではないのか。

     孫文は理想主義者であったと思う。「建国方略」や「国家建設」などを著して世界中で最も理想的な民主国家を目指している。孫文は建国半ばで亡くなったが、いまだその理想国家は実現していない。現在の政権もその理想には程遠いにもかかわらず孫文を「革命の父」と崇めているのは面白い現象だ。孫文が建設しようとした「世界で最も新しい、最も進歩した国家」の骨幹を要約すると、
    ① 独特な政治体制
    ② 豊かな国家経済
    ③ 漸進的な土地改革
    の3点になるという。なんとなく現在の中国で実現されつつあるように見えるが、それぞれ意味合いが違っているようだ。

     また孫文はたびたび来日し日本人からも少なからず支援を受けたことはつとに知られているが、逆に日本政府は冷たかったこともあってか本書では日本との関係についてはほとんど触れていない。これについては別に詳細な本が各種出版されているのでそちらを参照することとしたい。

     孫文が亡くなるところで本書もきっちりと筆を止め、その後については語っていない所が潔く好感が持てる。大まかに孫文の一生を知るには良書と思った。

  • 4121011848 208p 1994・4・25 ?

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