ヨーロッパ分断1943―大国の思惑、小国の構想 (中公新書)

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  • 中央公論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011930

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  • かつて存在した中欧の連邦構想を中心に、1943年のモスクワ外相会談を頂点とする大国と小国の戦後秩序を巡る駆け引きを紹介する。

    優れた外交手腕から国際連盟の要職を歴任したチェコのベネシュと、ロマン主義に陥りがちなポーランド人には珍しく現実主義的な姿勢を貫いたシコルスキ。両者の間でやり取りされた国家連合へ向けた構想は、衝突を経ながらも1942年に「ポーランド=チェコスロヴァキア協定」として結実する。

    こうした動きに対して、同地域の安定化を見越して賛意を示すイギリスのイーデン外相と、帝政ロシアの版図復活の野心から反対するソ連のモロトフはそれぞれ意見を対立させていた。最終的に英ソ間の不一致は、1943年のモスクワ外相会談によって米ソ間において軍事的責任権が追従され、ソ連側の要求が認められることにより決着する。

    中欧の連合構想の趨勢を追いつつも、ヨーロッパにおける外交交渉の主役がイギリスからアメリカへと移ろう様子にも着目している。

    まさにタイトル通りの内容。

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