建築家レオナルド・ダ・ヴィンチ: ルネッサンス期の理想都市像 (中公新書 1201)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012012

作品紹介・あらすじ

「画像、彫刻家、建築家、哲学者、音楽家で、まさに天使の生まれ変わり」と称されたレオナルドは寡作で、現存する彼り作品は少ない。なかでも彼が求めた「理想都市」に関わる建築の完成品は一つもない。しかし、レオナルドが、非常な熱意をもって都市造りと建築物を模索したことは、その手稿に描かれた素描で知ることができる。若くして認められ、一五世紀末の政情混迷に巻き込まれて終わる万能天才の、建築家としての軌跡を探る。

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  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:523.37||N
    資料ID:59401597

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「画像、彫刻家、建築家、哲学者、音楽家で、まさに天使の生まれ変わり」と称されたレオナルドは寡作で、現存する彼り作品は少ない。なかでも彼が求めた「理想都市」に関わる建築の完成品は一つもない。しかし、レオナルドが、非常な熱意をもって都市造りと建築物を模索したことは、その手稿に描かれた素描で知ることができる。若くして認められ、一五世紀末の政情混迷に巻き込まれて終わる万能天才の、建築家としての軌跡を探る。

    目次
    1 フィレンツェをあとに
    2 ミラノのレオナルド
    3 「理想都市」のイメージ
    4 大聖堂のために
    5 祝祭のデザイナー
    6 理想的な聖堂
    7 メカニズムの建築
    8 飛翔の夢
    9 巨大な馬
    10 レオナルドの工房
    11 レオナルドのコスモロジー
    12 『最後の晩餐』
    13 ミラノをあとに

  • (2006.05.26読了)(2001.10.14購入)
    「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだついでに、積読中の「建築家レオナルド・ダ・ヴィンチ」を読むことにした。レオナルドは、油絵を十数枚しか残していないという、これだけの絵しか書いていないのでは、画家としてだけでは暮らしていけない。
    レオナルドは、「画家、建築家、音楽家」と同時代の人は書いている。さらに、「技術者、舞台装置家、彫刻家、哲学者」という記述もある。彫刻家、音楽家というようなのはちょっと知りません。

    ●音楽家レオナルド(19頁)
    レオナルドのミラノ行きはフィレンツェの外交使節として、ロレンツォ・デ・メディチの命により、彼からの贈り物として、レオナルド自身の制作によるリラを携え、演奏家として真の友好のためにミラノ公にまみえるのが公式の目的であった。
    レオナルドがミラノに持参したリラは、ルネッサンス・イタリアで愛好されたリラ・ダ・ブラッチョであった。リラ・ダ・ブラッチョは今日のヴァイオリンの原型とも言えるもので、五本の弦の他に、二本のより長い開放弦がついたもので、弓で奏でられた。当時の絵画に描かれたこの楽器は、ヴァイオリンと似た奏法を思わせるが、頤あるいは胸と、それに下の方を手で支えているところが少し違っている。
    ●建築家ヴィトルヴィウス(44頁)
    ヴィトルヴィウスは、古代ローマの建築家で、10巻の「建築書」を書き残している。
    ヴィトルヴィウスは建築家が理論と実践の両面に優れていなければならないとした上で、次のような基礎知識が必要だと述べている。すなわち、文章、素描、幾何学、歴史、哲学、音楽、医学、そして占星術、天文学の知識を持ちたいものだ。
    ●衣装デザイナー・レオナルド(90頁)
    1490年6月13日には、婚礼の祝典の余興に「天国」を上演、監督、美術担当を行い、廷臣たちの衣裳デザインを担当した。このときの様子はミラノの宮廷詩人ベルナルド・ベリンチオーニの詩に記録されている。
    ●最後の晩餐(209頁)
    「最後の晩餐」が描かれたのは、1494年から97年にかけてである。描かれてまもなく、崩壊が始まっている。「壁からの湿気のためか、それとも他の理由によるのか、既に破損し始めている」(1517年12月)「あまりにもひどく侵食されていて、広がったしみのほか何も見えない」(1556年5月)
    その後、18世紀に二度、19世紀にも二度大掛かりな修復の手が加えられ、20世紀の初頭、1924年にも修復が行われ、1943年8月にはアメリカ軍の空爆によって食堂は直撃を受けたが土嚢で守られた絵はかろうじて残った。

    レオナルドの手稿は、たくさん残されており、多くのスケッチが描かれている。その中には、都市計画、建築、土木、などにかんするものが多くある。この本はその辺に焦点を当てようとしているのだけれど、音楽家、衣装デザイナー、画家、解剖などについても手を広げてしまっている。

    ●関連図書
    「レオナルド・ダ・ヴィンチ」東野芳明著、新潮美術文庫、1974.05.25
    「ジョコンダ婦人の肖像」カニグズバーグ著、岩波書店、1975.12.10
    「微笑の構造」田中英道著、小学館、1977.06.20
    「レオナルド=ダ=ヴィンチ鏡面文字の謎」高津道昭著、新潮選書、1990.08.20
    「レオナルド・ダ・ヴィンチ」田中英道著、講談社学術文庫、1992.02.10

    著者 長尾 重武
    1944年 東京生まれ
    東京大学工学部建築学科卒業
    東京大学大学院修士・博士課程修了
    工学博士
    専攻 建築意匠・建築史

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    「画像、彫刻家、建築家、哲学者、音楽家で、まさに天使の生まれ変わり」と称されたレオナルドは寡作で、現存する彼り作品は少ない。なかでも彼が求めた「理想都市」に関わる建築の完成品は一つもない。しかし、レオナルドが、非常な熱意をもって都市造りと建築物を模索したことは、その手稿に描かれた素描で知ることができる。若くして認められ、一五世紀末の政情混迷に巻き込まれて終わる万能天才の、建築家としての軌跡を探る。

  • 建築家として実績を残さず、膨大な素描を残したというレオナルド。さらりと読む概論書のイメージだが、知識が増えたうえで読んだら、印象代わるのかも。

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