裸体人類学: 裸族からみた西欧文化 (中公新書 1211)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012111

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  • ヒモ一本、あるいは傷跡一箇所でも、実は裸ではない。彼らの意識では裸ではないのだ。ということに気がついた。裸族は単に被服分化の一形態にすぎない。では、架空の第二地球ではどんな服装が当然なのかと考え込んでしまった。

  • あらためて、裸の面白さを知る。
    裸体について、考えるのにはバランスの良い、最適な入門書だ。ここから、それぞれ興味関心ある「着る文化」「脱ぐ文化」について考えてみればいい。

  • 消滅寸前の裸族を求めたアフリカでのフィールドワークを記した前半部分と、裸に対する倫理文化論を展開する後半で構成される。後半は話題が多方面にわたり発散気味だか、生々しい前半のレポートは面白い。生まれながらの裸と、着ているものを脱いだ裸は、互いに異質なものという考え方には、大いに納得。裸族によく見られる、傷痕・刺青・化粧といった文様や、身体装飾についての解説も詳しく、結局は性と産という生物のプリミティブなミッションにつながる文化と解説されている。現代文明人がモテる為に外見を着飾るのと同じ原理だ。割礼やグロテスクな儀式の話も登場するが、裸族の彼らは《太陽と空気を着ている》という言い回しは素敵すぎだ。

  • 「裸体=恥ずかしい」のは白人の価値観の影響。人類が誕生してから地味にずーっと残っていた裸体文化は、20世紀に白人文化が浸透したためにほぼ消滅してしまった。なんてもったいない!個人的にはドイツのヌーディスト公園が気になった。

著者プロフィール

1937年、札幌市生まれ。北海道大学院文学研究科修士課程修了。帯広畜産大学、静岡女子大学の助教授を経て、1975年、国立民族博物館へ。1993年、第3研究部長。
1998年、退官、甲子園大学へ。2010、停年退職。国立民族学博物館および総合研究大学名誉教授。
主な著書に『性と結婚の民俗学』『語りつぐ人びと』(共書)、『アフリカ 民族学的研究』(編著)、『裸体人類学』、『現代アフリカの民族関係』(編著)など。

「2016年 『お話は土の城のテラスで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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