日中十五年戦争史―なぜ戦争は長期化したか (中公新書)

著者 : 大杉一雄
  • 中央公論社 (1996年1月発売)
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  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012807

作品紹介

蘆溝橋事件を引金に日中の戦いは軍部主導のかたちで、ついには泥沼の太平洋戦争に突入していった。しかし、すべての日本人が武力行使の拡大を望み戦火を座視していたわけではなかつた。戦争はあくまで和平工作の最終手段として考え、たえず平和的解決、そのための交渉の努力が模索されていた事実もあった。もし平和的、自主的解決が実現していたなら-歴史におけるイフのタブー視域から、日中の動き、戦争の経過を見据える。

日中十五年戦争史―なぜ戦争は長期化したか (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 1996年刊行。学生時代に読破。満州事変以降の理解を、全体として一連の流れに位置づけるようになった書である。

  • ようやく読み終わりました。著者は日本開発銀行勤務の在野の現代史家ですが、アジ・太平洋戦争に関する多くの著作を書かれている人です。
    タイトルは十五年戦争ですが、実際に取り扱っているのは満州事変の前史から1938年の「国民政府を対手とせず」宣言までです。
    丹念に資料をおさえながら、日中間に和平の道はなかったのか?ということを主眼に書かれています。

    大体の要旨としては…
    満州事変は一部の功名心にはやる軍人(要は石原莞爾)の下剋上であったこと
    日本はリットン調査団を要請しながら、その結論が出る前に満洲国を承認してしまい、解決の道を自らとざしてしまったこと。
    有力な和平案もあり、交渉も行われていたが、政府の優柔不断や軍部の独走で閉ざされてしまう事。特に幣原、広田、近衛への批判は手厳しいものがある。
    戦争当初は、世論も戦争一辺倒ではなかったこと。
    中国の反日感情をのっぴきならないものしたのは、華北い手を出したことによるもの(満州域内に留まっていれば和平の可能性があったこと)。
    支那事変当初は参謀本部や満州事変時の軍中央のように、軍内部でも和平への動きがあったこと。

    これらの原因として、巧妙心にはやる軍人をコントロールできない日本の国家の性格と、日清戦争後顕著となった中国に対する優越感、蔑視をあげています。

    敢えてイフの視線を取り入れて、和平の可能性を探る論考は結構スリリング。
    その是非はともかく、「あとがき」に著者の矜持が示されていて大変興味深いです。

  • [ 内容 ]
    蘆溝橋事件を引金に日中の戦いは軍部主導のかたちで、ついには泥沼の太平洋戦争に突入していった。
    しかし、すべての日本人が武力行使の拡大を望み戦火を座視していたわけではなかつた。
    戦争はあくまで和平工作の最終手段として考え、たえず平和的解決、そのための交渉の努力が模索されていた事実もあった。
    もし平和的、自主的解決が実現していたなら―歴史におけるイフのタブー視域から、日中の動き、戦争の経過を見据える。

    [ 目次 ]
    1 満州事変とは何であったのか
    2 日中戦争への道
    3 日中戦争の拡大は防げなかったか

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    [ 参考となる書評 ]

  • 日中戦争の推移を細かくまとめていて
    日本政府の中にも米英協調主義者や
    中国国民党側も協定違反を行ったということが記述してあり
    まともな方の著書といえる。
    しかし、ド左翼学者の一節を引用して鵜呑みにしたり
    軍人を悪者にしたがる論調があるのが勿体無い。

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