理想の児童図書館を求めて: トロントの少年少女の家 (中公新書 1385)
- 中央公論新社 (1997年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121013859
作品紹介・あらすじ
短い子ども時代に駄作ばかり読んで過ごすのは残念である。子どもたちが良書にたくさん触れて、想像力を養い、精神的に豊かに成長するためには、本と子どもの橋渡しをするプロの児童図書館員や司書教諭が必要である。世界の児童図書館を常にリードしてきたトロントの「少年少女の家」にただひとり日本人司書として勤めた著者が、理想的な児童図書館の理念と実際を、経験を通して記録し、日本の児童図書館にいま望まれる姿を提言する。
感想・レビュー・書評
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読了。
石井桃子さんの著書でこの本について書かれてたから、手にとった。
カナダの図書館と日本の図書館の違い。カナダでは司書というのは、専門職であり、高い知識を必要とする仕事なんだ。
貸出返却作業をするのは、アシスタントライブラリアンと呼ばれる、また別の職種の人になる(完全に別の職種ではないかもだけど)。
その他にも、いろいろなプログラムを企画して本と子どもたちを結びつけている。カナダの子どもたちが羨ましくなった。だって、図書館でパーティーとかだよー。
でも、時代の流れでちょっとずつ児童図書館も変わって行くんだよね……。
重要なのは、何が本当に大切なことなのかっていうことを見極めて変革していくことなんだろうなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011 4/26読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
非常勤先の先生がすすめられていたので手にとってみた本。
児童書・児童図書館は全くの守備範囲外なのだがたまには目先を変えてみようかと。
第1章では終戦直後の時期に今でもあまりないような理想の学校図書館モデルを実現していた氷川小学校での著者の体験について。
そんな早い時期に優れたモデルがあったのにその後の日本の学校図書館に根付かなかったのはなぜか気になるところ。
氷川の例については他の教員のひがみもあって迫害されていくようになり・・・という見解がのっているが、それでは説明としてはあまりな気もする。
中盤以降はカナダ、トロント公共図書館の児童図書館部門、「少年少女の家」に勤めた著者の経験について。
理想の児童図書館を実現していた「少年少女の家」がその後、形を変えて残りはしつつも職員が離れていく/削減していくなど理想の形のまま継承されていないことが興味深い。
不況が大きな理由にあがっているが・・・いいときは上限を設けないが切るときは切る(維持できないサービスでもやってしまう)欧米加のスタイルをここにも見る感じ?
結局、日本もカナダも理想に近かったはずの子どもの読書環境が一度はあっても維持出来ていない話でもあるんだよな、これ。ふーむ。 -
おもしろかった。
やはり、児童図書館について学ぶには
海外かなーと思った。