贋作ドン・キホーテ: ラ・マンチャの男の偽者騒動 (中公新書 1395)
- 中央公論新社 (1997年12月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121013958
作品紹介・あらすじ
遍歴の騎士が風車を怪物と見誤り、従士サンチョ・パンサが必死にとめるのもきかず、槍をかまえて突進していく-セルバンテス作『ドン・キホーテ』の有名な場面である。作品は発表当初から大評判となり、気を良くしたセルバンテスは後篇を出版すべく執筆に励んでいたのだが、そこへ非常に手の込んだつくりの贋作が現れた。偽物を読まされた作者の反応は、そして贋作者の真意とその正体は。黄金期スペイン文学史を彩る贋作騒動の顛末記。
感想・レビュー・書評
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岩波文庫版で全6冊に及ぶ原作を読み通した私だが、贋作まで手が回らない。そこで本書を読む。
スペイン紀行文のおもむきもあり、原作に現れる30〜40基の風車が多すぎること、原作者が風車の機構を理解していなかったことが明かされる。
また、本物ドンと偽者ドンの遍歴の旅程も詳しく考証されている。
贋作など歯牙にもかけないつもりでいたセルバンテスは、次第に怒りをあらわにし、徹底的に葬り去ろうと大人げない態度を見せる。贋作があろうとなかろうと、もとよりメタフィクショナルな展開の第二部はさらにメタの筆勢を増してゆく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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贋作と真作はいかに関係しあったか。
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