変貌する子ども世界: 子どもパワーの光と影 (中公新書 1484)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014849

作品紹介・あらすじ

「子ども」たちが変わってしまったといわれている。しかし、変化したのは彼らそのものではなく、戦後の半世紀で激変した社会、ひいては「子ども‐大人関係」なのではないだろうか。戦後のベビーブームはかつてない数の子どもを生みだし、前例のない文化が彼らを取り巻き、育てた。学校教育、医療、テレビ、漫画、お菓子など、戦前世代と戦後世代を隔てるさまざまなことを丁寧にたどり、新しい「子ども観」と「子ども‐大人」関係を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後の子どもの世界の移り変わりを、教育、人口、医療、メディア、食品など、子どもを取り巻く環境、物、の世界から描いた本。

  • 子供の凶悪犯罪が増えているという。本当に子供たちは変わってしまったのだろうか。戦後、第1次ベビーブームがあり、たくさんの子供たちが誕生した。その子供たちが1970年代、親になり、そして現在、またその子供たちが生まれ始めている。つまり、戦後3つの世代交代が行われてきたことになる。子供の産まれる数は年々減っている。反面、医療技術の進歩、食糧事情の変化により子供の死亡率は確実に減っている。学校はどうか。1クラス50人のすしづめ状態から、現在は30人未満のところも少なくない。科学技術の進歩により、生活全般が変わり、テレビなどのメディアも大きく変化してきた。そんな中で育つ子供たちが昔と全く同じであるわけがない。当然大人も変わってきている。子供と大人の関係が大きく変化してきている。家族のあり方が変わってきている。本書では、人口、身体、メディア、マンガ、食品などを手がかりに、戦後の子供-大人関係を論じている。私自身、物心ついたころには、家にはテレビがあり、全自動ではない洗濯機があり、レコードプレーヤーがあった。ジャングル大帝やリボンの騎士を見て、ウルトラセブンや仮面ライダーのまねをした。その後、家庭電化製品はすさまじい変化を見せ、レコードはCDに取って代わられ、こうしてパソコンを前にしている。私の子供たちの世代はいったいどうなっていくのか。とくにパソコンをどう受けとめていくのか、非常に興味深い。ところで、私が生まれるころ「かっぱえびせん」が「やめられない、とまらない・・・」というCMソングとともに、大ヒットをした。その後、ポテトチップスに取って代わられるが、その間に「サッポロポテト」という商品があった。けっこう好きだったんだけど、今はどうなってるのかなあ。(2015年、最近またよく食べている。)

  • 13.6.28~30 資料用。要約。児童書とアニメーションや漫画との関係、歴史。概略を知る。

  • 子どもの変遷を歴史的におっている本です。
    異文化としての子どもほどのインパクトはありませんが、面白い本です。

  • 今まで読んだ本とは視点が違うのが興味深く読めたポイント…でも…著者なりの<子ども観><子ども―大人関係>とはどのようなものか…が見えにくかったかなぁ

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著者プロフィール

1931年、新潟県生まれ。お茶の水女子大学卒業。お茶の水女子大学学長を経て、お茶の水女子大学名誉教授。専攻は児童文化論、児童社会史。著書に『それでも子どもは減っていく』『異文化としての子ども』(ともに筑摩書房)、『子どもが忌避される時代』(新曜社)、『変貌する子ども世界』(中央公論新社)、共著に『〈少女マンガ〉ワンダーランド』(明治書院)、『誕生から死までのウェルビーイング』(金子書房)ほか多数。

「2012年 『女学生の系譜・増補版 彩色される明治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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