老いはこうしてつくられる: こころとからだの加齢変化 (中公新書 1518)
- 中央公論新社 (2000年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121015181
作品紹介・あらすじ
またげると思ったバーが越えられない。痛みを表現する適当なことばが見つからない。このようなとき、人は老いを自覚する。しかし同じ年齢でも気力の充実した人もいれば、見るからに老いを感じさせる人もいる。このような個人差はなぜ出てくるのだろうか。本書は、からだの老化がいかにしてこころの老いを導くのかを独創的発想による実験で具体的に考察しながら、人々がからだの老化を受容し、こころの老いを防ぐ方法を展望する。
感想・レビュー・書評
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赤Bシール
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(「BOOK」データベースより)amazon
またげると思ったバーが越えられない。痛みを表現する適当なことばが見つからない。このようなとき、人は老いを自覚する。しかし同じ年齢でも気力の充実した人もいれば、見るからに老いを感じさせる人もいる。このような個人差はなぜ出てくるのだろうか。本書は、からだの老化がいかにしてこころの老いを導くのかを独創的発想による実験で具体的に考察しながら、人々がからだの老化を受容し、こころの老いを防ぐ方法を展望する。 -
楽しいという感覚が年代によってなくなるという事はなく、その表現が違ってくるという事。
期限切れでギブアップ本。 -
ブックオフで購入
実験に基づいて書かれているのが新しい
病院にしろ介護施設にしろ大変なのはわかるがあまりにも老人の扱いがひどい
データに基づいてまともに扱われる日がきますように -
走り高跳びのバーのようなものが置かれています。それを見て、またぐか、くぐるかを答えてもらいます。この実験を何人もの人に繰り返してもらいます。するとある決まりが見つかります。もちろん、またぐか、くぐるかの境目の高さは人によって違います。が、股下の長さと比較すると、ほとんどの人で1.07倍の高さまでならまたぐと言うらしいのです。今度は、7m離れたところから同じ質問をします。それでも、ほとんどの人が目の前で答えたときと同じ結果になります。股下が仮に1mとするとその1.07倍はもちろん107cm。7m先であっても2,3cmの微妙な違いが分かるというのです。すごい力だと思いませんか?でも本当言うと、こういう力が人にはいっぱい備わっていて、知らぬうちにそれを使っているようなのです。そうでなければ、自転車に乗ったり、車を運転したりできないのではないですか。このように人が外界のようす、環境によって自分に何ができるかを知っていくことを「アフォーダンスの知覚」と言うそうです。これが今まで見逃してきた感覚ということで最近注目されています。さて、同じ実験を高齢者に対しても行ってみました。すると、7m離れたところでの判断が少しずれてくるのだそうです。つまり、自分はまだまだそれぐらい足は上がると思っているが、実際やってみると上がらない。気持ちとからだの間にずれが出てくる。本書では、その他たくさんの実験を通して高齢者の感じ方を調べていきます。これからの高齢化社会、高齢者の介護をすることになる人もいるでしょう。そのときに、きちんと老人の気持ちを分かってあげられるかどうかは、大きいのではないでしょうか。
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老年学の資料で図書館から借りた。レポートには直接関係なかったのでざっくり流し読みしただけだが、「時間割引率」等という面白い観点も。
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体の変化のスピードに頭がついていけなくて、思ったよりも足が上がらないからつまづくし、思ってるよりほほが動いてないから無表情に見える。
読んだときはわからなかったことが最近ちょっとわかってきちゃったよ…… -
「「私がしたい」と感ずることを、当人に意識させることなく、周囲が操作して導いてやることで幸福を追求しようという発想は、なにも今にはじまったことではありません。」
この人はホントにいっぱいの実験をやっているなぁ、というのが第一感想。高齢者に対してあれもこれもとたくさん実験があり、その概要を分かりやすく説明しています。
高齢者への既成概念はまず消せるかな。
ただ、数値というのは非常に分かりやすいけれど、その裏にある一人一人の“老い”というの簡単に分かるわけもなく、数値だけを見て普遍化するのは違うと思うのでした。
とにかく、ちょっと気をつけなければ、と思うことが多々あったというわけです。分かってはいるけれど、なかなか難しいんだよねぇ。