あるミイラの履歴書―エジプト・パリ・東京の三千年 (中公新書 1529)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121015297

作品紹介・あらすじ

東京大学に100年以上眠っていた一体のミイラ。被葬者は誰か。X線CT撮影など最新技術での身体検査と、棺に残された聖刻文字の解読が進む。その結果、エジプトの若き女性神官とされてきたミイラは男性であった。紀元前にすでに、医学的に高い技術によるミイラ製作が行われていたことも判明した。「永遠の命のため」に身体の保存処置を受けた被葬者の願いは叶ったのか。3000年の時を超えたミイラをめぐる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 東大の解剖学者が、東大に保管されているエジプトミイラの調査をきっかけに、半ば趣味的にミイラについて調べてきた成果をまとめたもの。近代の英仏や、江戸・明治の人々が、エジプトミイラとどのように関わってきたか、エジプト以外のミイラにはどのようなものがあるか、ミイラに関する世界の研究動向、等々、世界のミイラについての蘊蓄がいっぱい。そのなかでも、エジプトミイラ作製の際の脳や内臓の摘出の様子を推測するくだりは、さすが解剖学者、筆がさえている。

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著者プロフィール

1930年東京都に生まれる。1964年東京大学にて医学博士号取得。1971年東京大学専任講師(医学部解剖学)。1980年筑波大学医療技術短期大学部教授、東京大学総合研究博物館終身学芸員、筑波大学医療技術短期大学部名誉教授、医学博士。2004年逝去。主要著書に『鯨[原書第2版]』(共訳、1984年、東京大学出版会)、『人魚の博物誌』(1989年、思索社)、『鯨の自然誌』(1992年、中公新書)、『イルカと話す日』(共訳、1994年、NTT出版)、『骨の動物誌』(1995年、東京大学出版会)、『骨と骨組みのはなし』(2001年、岩波ジュニア新書)などがある。

「2022年 『川に生きるイルカたち 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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