英語達人列伝 あっぱれ,日本人の英語 (中公新書 1533)

  • 中央公論新社 (2000年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784121015334

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史に名を刻んだ英語使いたちの伝記を通じて、彼らの姿勢や気概から多くを学ぶことができる作品です。明治から昭和にかけての偉人たちがどのように英語を習得し、活躍してきたのかを知ることで、読者は自らの学びや...

感想・レビュー・書評

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  • 2000年の刊行なのに、(著者の一人ノリツッコミを除けば)古臭さを感じない。完全ド正論の英語学習本と言える。
    帰国子女でもないのに、英語ネイティブも舌を巻くほどの英語力を身に付けた、近現代の偉人たちを特集。英語教師でもある著者の学習論も交えており、今回沢山メモを取らせていただいた。

    思えば教材が満足に揃っていなかった時代。原書を必死に読み込んだり自ら師匠を探したりと、今以上に苦労が絶えなかったのは確かだ。しかしその分、10名とも質の良い英語をものにしたと自分は見ている。
    著者曰く、ネイティブから「貴方の英語は上手だ」と言われているうちはまだ初歩の段階にあって、上達するにつれて何も言われなくなるらしい…。
    今まで逆だと思っていたし、その理論でいくと偉人たちは、最終的に何も言われなくなっていることになる。

    刊行時以来、実用英会話(いわゆる「生きた英語」)がもてはやされる風潮は変わっていない。しかし英語の成り立ちや構成・文法といった土台を外しても、英語を使いこなせていると言えるのだろうか。
    この問いに少しでも引っかかった方は、彼らの英語人生で答えを見出していただきたい。

    新渡戸稲造(国際連盟事務局次長)、岡倉天心(美術思想家)、斉藤秀三郎(英学者)、鈴木大拙(仏教学者)、幣原喜重郎(第44代 内閣総理大臣)、野口英世(細菌学者)、斎藤博(外交官)、岩崎民平(英学者)、西脇順三郎(詩人)、白州次郎(実業家)。

    こうやって書き出してみると、職業に結構なバラつきが見られる。でも忘れてはならないのが、全員英語の達人であること。誰がどう凄いのか、素人目線では全然見分けがつかないというのが正直な感想である。
    英語とは縁のなさそうな鈴木大拙は禅を世界に広めた立役者だし、斉藤秀三郎は一度も日本を出た事がないのに、立派な英辞書や文法書を編纂している。
    そして、白州次郎のラスボス感…!笑 前の9名と比べてガリ勉の印象はなかったものの、人間関係でキングズ・イングリッシュを磨き上げ、戦後GHQと渡り合った。GHQ(アメリカ英語)への手紙に、堂々と英詩の表現を挟んでいたのにはゾクっとしたなー…。

    「ああしろ、こうしろと口やかましく言わず、相手がそのまま模倣してよいような生活をする。これは、語学の学習にそのまま通ずる心掛けと言えましょう」(第7章 岩崎民平)

    英語はコミュニケーション・ツールの一つに過ぎないが、それを極めるというのは、自分と一体化することに等しいのかなと思う。
    斉藤秀三郎には、特に感銘を受けた。ある時は「てめえたちの英語はなっちゃいねえ」と、イギリス人役者に英語で一喝した。またある時は、「あなたのシステムで英語を研究すればどんな本が読めるようになるのか」という質問に対して、「あなたはどんな本を読みたいのか」と返した。

    日本語の時と変わらず自分の言葉で訴えたい内容を伝え、難易度よりも自分が読みたいかどうかを優先する。
    土台から学んできた英語が、自分と一体化していく…。これぞまさに、「生きた英語」ではないか?

  • 偉人達のなす技であり到底我々凡人には真似できる芸当ではない。その上で彼等の姿勢、気概には学ぶべきところが多く定期的に自戒の意味で読み返している。

  • 気分転換の一冊。

    英語の「達人」のエピソード集です。
    目次を見るとびっくりするのが、
    達人1名につき、1章という大胆な構成です。
    「英語」を切り口にした伝記集ともいえるでしょう。

    それぞれの達人が、
    ・「どんな達人だったのか」
    ・「どのようにして達人になったのか」
    いろいろなエピソードで語られていきます。

    最近英語をやる気がおきない…
    そんなときの気分転換におすすめです。

  • 明治から昭和時代における、日本史上に誇る英語使い達の伝記集。

    著者は人選の基準として、留学経験のないことを挙げているが、皆、天才すぎて全く勉強法の参考にならない。

  •  『英語達人塾』が面白かったので、英語達人たちの偉業・面白話に興味を持ち、本書を読んだ。
     本書は、勉強法云々よりもむしろ偉人伝として抜群に面白い。それは著者が英語学者でありながら日本語の文章がとても上手いからである。ユーモアと修辞に富んでいながら、筆が滑りすぎたり文章がうるさかったりすることは一切ない。岡倉天心の件にもあったが、英語に限らず言語一般に対する高い興味・解像度が英語達人たちには共通しているのだろう。
     達人の裏には尋常じゃない努力がある。わたしも地道な努力を弛まず続けなければ、達人はおろか中級者にもなれない——ということを思い知らされた。
     勇気づけられるエピソードがあった。第Ⅴ章で幣原喜重郎がイギリスで御者に英語が通じず、「これは英語をやり直さなければならんと考えるようになった」という件だ。というのも私はカフェでバイトしているのだが、外国人のお客さまに簡単な英語の文言(”anything else?”など)が全然聞き取ってもらえないのである。これには自尊心が傷つけられる。だが、そこでしょげかえるのではなく、「やり直そう」という気概を持って発奮した人がいるという事実にわたしは救われる思いがした。わたしも彼と同じように一から発音を学び直そうと思う。ちょうど手元に、関正夫『世界一わかりやすい最後の発音の授業』がある。これが良い教師がわりになることを信じる。

  • 昔の人の泥臭い努力エピソード読んでやる気出そおもたけど、どっちかというと泥臭さより天才みが深すぎてウザかった。いや、そんなん無理やん。

  • 新渡戸稲造にはじまり、白州次郎に終わる日本の英語達人の英語熟達度とその方法を紹介した本。洒脱な文章でとても読みやすい。また、日本人が本質的に英語がだめ、という誤謬を正し、また僕らが英語ができないあれやこれやの言い訳を一刀両断してくれる。外国人に「英語が上手」と「貶められる」意味も教えてくれる。

  • 日本人の英語教育の問題は良く指摘されるが、その中から天才的な英語の達人が時に現れる。10人の達人たちの生涯は英語学習のヒントになるか。

    新渡戸稲造、岡倉天心、齋藤秀三郎、鈴木大拙、幣原喜重郎、野口英世、斎藤博、岩崎民平、西脇順三郎、白洲次郎。

    留学しないと語学は身につかないような印象があるが、本書に紹介される人物の多くはほぼ独学で英語を修得している。学習法や環境より才能が求められるのかもしれない。

    だがネイティブを前にひけをとらない態度ひ痛快。

    中央公論に連載されたもの。

  • 明治〜戦前、英語の学習教材もロクにない時代に、欧米人に遜色無い、もしくはそれを上回るまでの英語力を身につけた達人たちのエピソードを興味深く読む。

    語学の才能の差もあるが、少なくとも彼らほどの猛烈な努力は出来ていないことから、自分に語学力が身に付いていない理由を再確認し、改めて学習意欲を持った。

    新渡戸稲造の『武士道』、岡倉天心の「茶の本』、鈴木大拙の『禅と日本文化』は、原文で読めるようになって彼らの格調高い英文を感じてみたいと思った。

  • もう昔から英語習得の方法は確立していたのだと、改めて思い知らされます。
    音読やるべし!
    達人はその勉強量が常人には想像も出来ないくらいですが、方法はマネできます!
    ヤル気でる本です!

  • 必読書

  • 日本人でありながら、英語が母語の国の人よりも堪能な日本人を紹介。
    彼らの背景は一人ひとり異なる。しかし、誰もが英語に対して目的意識を持って臨んでいたように思う。「英語が楽しいから」とか。あとは、個々人の言語能力が大きい。
    英語という観点で、歴史上の人物を掘り下げてみるのは面白いと感じた。
    その時代会計と相まって、その人の息遣いも聞こえてきそうだ。

  • あとがきにあるように、英語を通じて日本近現代史を読み直す内容。
    達人たちの英語力に圧倒されるのはもとより、驚くほど読みやすい文章でグイグイ引き込まれた。
    そして日本のために奔走する偉人の姿に憧れを覚えた。

  • 英語が切り口だが、人生への真剣さがひしひしと感じられた好著。自分も自分の道を極めようと思えた。まだまだ甘い。

  • 明治以後の英語の達人,特に,海外に留学などせず(あるいは在外生活以前に)英語を読む書く話すことに熟達することができた人々(新渡戸稲造,岡倉天心,斎藤秀三郎,鈴木大拙,幣原喜重郎,岩崎民平他)が,どのように英語を学んだのかを,伝記的に記す。登場するほとんどは上流階級出身であるが,かと言って現代よりも特別に恵まれた環境にあったわけでもない。学び始めの年齢もほぼ同じ。ただ,膨大な英文を読み古典を含めて質の高い英語を浴びまくったことは共通している。その点を踏まえ,著者は昨今の日本の英語教育(文法軽視,とにかく喋ってみろ)への警鐘を鳴らしている。

  • 今のように、様々な音源もなく、ネットで調べられる環境、条件がない中、先達は、どういう風に語学を習得したのか 不思議人思っていました。 ストレートには書かれていませんが、皆並外れた鍛錬、時間を費やしているのがわかります。そもそも図書館のが本を全部読む目標、 全集を読む、教本丸ごと暗唱、暗記など、凄すぎる。 そして、その鍛錬が好きだからなのかもしれませんが、全く苦にしていない。 習得方法等のいう観点からは期待とは違いましたが、達人の凄み伝わりました。

  • 第86回アワヒニビブリオバトル「【2日目】おうち時間DEビブリオバトル」3時間目 英語で紹介された本です。
    オンライン開催。
    2022.05.04

  • まえがき

    新渡戸稲造
    岡倉天心
    斎藤秀三郎
    鈴木大拙
    幣原喜重郎
    野口英世
    斎藤博
    岩崎民平
    西脇順三郎
    白洲次郎

    クロノロジカル・チャート
    参考文献
    あとがき

  • 岡野幸夫先生 おすすめ
    49【専門】830.4-S

    ★ブックリストのコメント
    「日本人は英語が苦手だ」という通念など、信じるに足らない。日本にいながらにして、英米人も舌を巻くほどの英語力を身につけた達人たちは、外国文化との真の交流を実践した。英語受容をめぐる日本近代文化史を描き出す。(表紙見返しより抜粋)

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著者プロフィール

東京大学大学院教育学研究科教授

「2019年 『言語接触 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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