物語 カタルーニャの歴史 知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)

  • 中央公論新社 (2000年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784121015648

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  • 物語 カタルーニャの歴史
    著:田澤 耕
    中公新書 1564

    カタルーニャ地方とは、スペインの地中海側の海岸にあった国である
    現在のカタルーニャ州であり、その中心はバルセロナである

    往時は、カタルーニャ・アラゴン連合王国として地中海の覇者になった

    本書の軸としていくつかある

    イスラム世界vsキリスト世界
    カタルーニャvsフランク王国(フランス)
    西の十字軍 アルビジョワ十字軍 イベリア半島への十字軍、レコンキスタと言われる(実際は略奪)
    世俗vsローマ教皇

    気になったのは以下です。

    05世紀後半 西ローマ帝国滅亡 西ゴート王国成立
    711 イスラム教徒がイベリア半島に侵入 732 フランク軍に大敗して、イベリア半島で侵攻はとまる
    801 バルセロナ落城 フランク王国、ヒスパニア辺境領を設置する

    当時、イスラム世界は先進地域であり、キリスト世界は後進の蛮族と貧弱な農民の地であった

    878-897 ギフレ1世

    1131-1162 ラモン・バランゲー4世 カタルーニャ・アラゴン連合王国成立

    1208-1276 ジャウマ1世「征服王」 バレンシア地方のイスラムからの解放

    1282 シチリアがカタルーニャの支配下にはいる

    13-15世紀 カタルーニャ・アラゴン帝国が地中海を制覇 バレンシアからアテネまで
     ただし、飢饉、地震、イナゴ、ペスト流行など、災厄が続く

    1479 カタルーニャ・アラゴン連合王国と、カスティーリャ王国は、国王と、女王との結婚により、同化
     スペインが統一される

    1516-1556 孫のカルロス1世が、スペインの国王となり、名実ともにスペインは統一された

    1701-1714 スペイン継承戦争 カタルーニャは、ブルボン王朝下に

    1923 プリモ・デ・リベラの軍事独裁政権

    1931 スペインに第二共和制

    1936 フランコ将軍反乱 スペイン内戦へ

    1975 フランコ死亡、王政復古、民主化始まる

    目次

    まえがき
    序章
    1 カタルーニャの誕生
    2 栄光への助走
    3 「征服王」ジャウマ一世
    4 地中海の覇者
    5 停滞、そして凋落
    終章 その後のカタルーニャ
    あとがき

    ISBN:9784121015648
    出版社:中央公論新社
    判型:新書
    ページ数:272ページ
    定価:780円(本体)
    2000年12月10日印刷
    2000年12月20日発行

  • 現在はスペインの一自治州であるカタルーニャだが、その実態は、ほぼ独立国のそれである。
    本書を読めば、そのことがよく理解できるはずである。

    いわゆるスペイン語(=カスティーリャ語)とカタルーニャ語の関係は、標準語と方言ではなく、祖先を共通とする姉妹に過ぎない(スペイン語とフランス語などとの関係と同じ)というのは驚いた。

    堅苦しくなく、気軽に読める。
    独立問題に揺れるカタルーニャをよく理解するのにうってつけ。

  • スペインにあるけどスペインではない、バルセロナを中心とする地域カタルーニャ史の概説書。独立国として地中海を押さえていた中世を中心に、読みやすい文章で描かれていて面白かった。ジャウマ征服王の自伝7,000円が欲しくなる!

  • バルセロナに渡航するにあたり読んだ本。
    カタルーニャの歴史が分かりやすく面白く描かれており非常に勉強になった。

    イスラムからの国土回復、カタルーニャ・アラゴン連合王国の隆盛、カスティーリャ王国の繁栄。

    一時期はイタリアも勢力下にあったというが、長い歴史の果てに近代において中央政府から制裁を受け文化、言語の継承が中断されてしまったというのは残念な話である。

    あとがきの「カタルーニャ語はスペイン語の方言ではなく、スペイン語やフランス語と姉妹である独立した言語である」というのを読み、学校の教授言語としてスペイン語、カタルーニャ語が並列されている謎が解けた。

  • ピカソやダリが生き、ガウディの建築がそびえ立つバルセロナ。この街を中心に、いまもスペイン随一の繁栄を誇るカタルーニャは、かつてイタリアや遠くギリシャまで、地中海全域を支配した大帝国だった。建国の父・ギフレ「毛むくじゃら伯」、黄金時代をもたらしたジャウマ「征服王」や、騎士・錬金術師・怪僧が地中海せましと活躍する。栄光の中世から、混乱をへながらも再生への努力を続ける現代までをたどる通史。
    (2000年)
    — 目次 —
    カタルーニャの誕生
    栄光への助走
    「征服王」ジャウマ一世
    地中海の覇者
    停滞、そして凋落
    その後のカタルーニャ

  • わりと最近独立に関する
    国民投票が行われたところがここ。
    なぜ?と思うことでしょうが
    歴史背景を知ることができれば
    独立をしたがっているか、ということは
    ある程度理解できるかと思います。

    面白いのはカタルーニャに訪れたひと時の安息の
    時期でしょうか。
    だけれどもこの国にも独裁者はいたのですが
    なんと、有名な悪党のように
    消え去らなかったのです(!!)
    それはカタルーニャの冬を意味するのです。

    当たり前に自分の住む国があるという幸せ。
    でも彼らはそうではなかったのです。
    名前も言語も奪われる屈辱。
    その苦しさは想像するに余りあります。

  • 東2法経図・6F指定:B1/5/Ishii

  • 中世のカタルーニャは地中海を支配して栄えていた。しかし、コロンブスの新大陸発見がカスティーリャ主導でなされ、新世界からの富はカスティーリャへ。ほどなくカタルーニャはスペインの一地方に。しかし、商工業を中心としてカタルーニャの文化は連綿と受け継がれている。
    昨今のカタルーニャ独立運動の歴史的背景が理解できる。

  • カタルーニャの地で1年間を過ごす機会があって、少しはその地のことを知っておこうと思って本書を開いた。日本史もままならない身としては、1冊の本を読んだくらいで何が分かるわけでもないかもしれないが、と思って読み始めたのだが、これがとても面白い。

    カタルーニャの栄枯衰退には、当然のことながら権力者たちの政治かけひきなどが大きく影響している。彼らの性格が生き生きと描かれていて、まさに物語のように綴られていて、流れがすっと入ってくる(もっとも人名はあまり覚えられなかったけれど)。タイトルに「物語」と付いているのもうなずける。

    あとがきを読んでなるほどと思った。スペイン語の分からない身としてはこの地でカタルーニャ語が話されているという「不自然な新奇さ」に気付けないのが少し残念だ。

    カタルーニャに興味がある人にはぜひこの本を読んでもらいたい。また、もしバルセロナなどへ旅行に行こうと思っているなら、同じ著者の『カタルーニャを知る事典』(平凡社新書)を一緒に読むと面白いと思う。また、新書よりボリュームがあるものの立石博高・奥野良知(編著)『カタルーニャを知るための50章』(赤石書店)もおすすめ。

  • 田沢耕さんは、現在は大学教授なんですが、元は一橋大学から東京銀行に就職、研修生としてバルセロナに派遣されたのをきっかけに、カタルーニャの専門家になったと思われます。

    カタルーニャといえばバルセロナを州都とするスペインの一地方ですが、中世にはイタリアや遠くギリシャまで地中海全域を支配した帝国だったそうです。

    知らなかった!こんな面白い国があったなんて。

    「毛むくじゃらギフレ一世」「征服王ジャウマ一世」「戦争の犬たちーアルモガバルス」「ラモン・リュイ」など、面白い人物がいっぱい。

    そして今夜ちょうど野村佑香ちゃんが地中海を旅する番組があるので、また楽しみ♪

  •  中公文庫の物語シリーズのカタルーニャは、主に中世に焦点を当てた一冊になっている。その発端から中世までを詳述し、近世以降はザックリである。
     作者の方は言語方面が専門であり、その意味では歴史を専門にされている方には取れないだろうスタンスで書かれているのが特徴的だ。
     この辺は好みが分かれるところだろうが、あくまで新書として読む読者の立場で言えば悪くないスタンスに感じられる。
     同業者を意識した、晦渋と言っていい検証的な文章が専門の方の本だと多く見られるが、新書読書が求めている文章とは思われないためである。

     残念ながらカタルーニャ関連の本は2018年現在でも稀少であり、そうした稀少性も含めてここでは星五つと評価している。
     欲を言えば、2017年の独立関連の問題までフォローされた新刊が出てほしいところなのだが、おそらく商業的な理由で見込みは薄いように思われる。

  • 今話題になってるカタルーニャの歴史
    話のメインの舞台は中世ヨーロッパ
    今までスペインで知ってることはカスティーリャとアラゴンの統合からだったからだから、そこまでの歴史があまり語られてないことに驚き
    なんならこの本の半分以上は統合に至るまでの話

  • 序章
    1 カタルーニャの誕生
     「松の巨人」と「町の巨人」
     ギフレ一世、毛むくじゃら伯
     「バルセロナの死んだ日」、「カタルーニャが生まれた日」
     「カタルーニャという名称」
    2 栄光への助走
     神の平和と休戦
     ブレイ二世の後継者たち
     サン・ジョルディの伝説
     カタルーニャ・アラゴン連合王国誕生
     暴れん坊、ペラ一世
     カタルーニャの南仏政策
    3 「征服王」ジャウマ一世
     王子ジャウマの誕生
     マリョルカ島征服
     バレンシアの征服
     ジャウマ一世の治世
     ジャウマ一世の晩年
    4 地中海の覇者
     シチリア攻略
     戦争の犬たちーー「アルモガバルス」
     『ティラン・ロ・ブラン』
     ラモン・リュイ
     リュイの出家
     布教者リュイ
     リュイの思想
     カタルーニャ語の父
    5 停滞、そして凋落
     衰退の兆し
     サルデーニャ
     アルフォンス三世
     ペラとペラの争い
     ペラ三世の治世
     ジュアン一世
     バルセロナ伯家の断絶
     カスプの妥協
     「教会大分裂」とファラン一世
     アルフォンス四世「寛大王」とナポリ王国の夢
     「社会の屋台骨」と「屑」の対立
     「スペイン」統一
     地中海から大西洋へ
    終章 その後のカタルーニャ
     カスティーリャの隆盛、カタルーニャの衰退
     収穫人戦争
     スペイン継承戦争とカタルーニャ
     ブルボン王朝下のカタルーニャ
     ラナシェンサからムダルニズマへーーカタルーニャの再生
     内戦とカタルーニャ

  • 家の本棚に偶然あった。地中海帝国!

  • ★★★2017年5月のレビュー★★★

    カタルーニャはスペイン北東部、地中海側の地域。バルセロナを中心とした地域といえばわかりやすいだろうか。
    スペインは各地域ごとに文化・言語が異なり独特の風土を生み出している。


    カタルーニャにもまた独自の歴史がある。
    この本では特に中世に光を当てている。
    歴代のバルセロナ伯には面白い人物が多い。
    普通なら毛が生えていないところ(どこかは不明)に毛が生えていた毛むくじゃら伯ギフレ一世。
    マヨルカ島をイスラム教徒から奪い取った征服王ジャウマ一世。教皇に堂々と歯向かう、怖いもの知らずのペラ2世。


    このカタルーニャがスペインの一地域となっている事から、独立を望む声は今でも大きい。

  • スペインを構成するカタルーニャ地方の歴史を
    かいつまんで解説する。
    スペイン全体の歴史としては
    中公新書「スペインの歴史」がより分かりやすい。
    しかし当然ながら各地方においても独立した歴史があって
    特にこのカタルーニャ地方についてはそれが顕著であり
    この現代において、今後この地方がどのように推移するか
    非常に興味深く感じさせられた。

  • バルセロナへ旅行する前に読んでおきたい。

  • バルセロナを中心とするカタロニア・アラゴン連合王国の歴史を詳細に紹介しています。ポルトガルのようにスペインから独立した可能性もあった、カタロニアが実は中世において、文化そして軍事面においていかに地中海地域をリードしたのか!正に地中海を支配することとなった時代の栄華は驚きでした。そしてイスラムをピレネーの北から退けたキリスト教が実は、当時においては先進イスラムから見た場合に後進・野蛮のキリスト教国の脅威であったという逆転の解明は実に面白いものがあります。映画「エル・シド」をもう一度見てみたいと思いました。

  • 意外と面白くて一気に読んでしまいました。
    ジョージ・オーウェル「カタロニア賛歌」を読み直そっと思いました。
    books207

  • 仕事で初めてバルセロナを訪れた。
    現地のスタッフが度々口にする「カタラン」(カタロニア語)。
    「ブエノス・ディアス」でなく「ボン・ディア」と挨拶したときの
    かれらの表情の中にある歴史の淀み。
    ある家を訪ねたときに、チェ・ゲバラの肖像とともに
    「Catalonia is not Spain!」と大書された旗。
    青空と太陽が眩しいこの街の、陽気な人たちの中にある
    澱のようなものが気になって、帰りの飛行機で読みふけった。

    ヨーロッパの壮絶な歴史を改めて知り、
    教科書でさらっと習ったスペイン王位継承戦争などが
    リアリティを持って蘇ってきた。

    血肉になる読書は実体験と不可分であることを改めて知った。

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