ナポリの肖像―血と知の南イタリア (中公新書)

著者 : 沢井繁男
  • 中央公論新社 (2001年10月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016096

作品紹介

イタリア半島南部にある、風光明媚な大都市ナポリ。東にポンペイを滅亡させた火の山ヴェズーヴィオを望み、足元の紺碧の海には、カプリやイスキアの島々が浮かんでいる。ギリシアの植民市として出発したナポリは、さまざまな民族が往き来する地中海の歴史の中でどのように独自の文化を築きあげたのだろうか。本書は、旅行者を魅了してやまない、かの地の豊饒な生活と文化の神髄に迫ろうとするものである。

ナポリの肖像―血と知の南イタリア (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 「日光を見ずに結構と言うなかれ」が日本なら、イタリアは「ナポリを
    見てから死ね」である。南イタリアを代表する風光明媚な都市である
    ナポリが、どのように成立したのかをひも解くのが本書である。

    古代ギリシアの植民都市として出発したナポリだが、その辿った
    道は非常に複雑だ。ヨーロッパの雄となったローマ帝国下に組み
    込まれ、帝国滅亡後は蛮族の支配下となる。

    ビザンツ系の公国が置かれたり、イスラムが入り込んだり、ノルマン人
    がやって来たり、神聖ローマ皇帝の支配下に移ったり。

    歴史に名高いシチリアの晩鐘事件後はフランス勢力が一斉され、
    興隆著しいスペインの支配下になり、やっとイタリア王国に併合
    されるまで長い長い年月が必要だった。

    この支配の歴史が今でもナポリの街並みに残されているのが凄い。
    さすがイタリア。歴史が今でも生きている。

    以前、駆け足でイタリアを回ったことがあった。しかし、ナポリにまで
    は足が及ばなかった。それにシチリアにも行きたい。

    死ぬまでに行きたいな、ナポリ。だからって、行ったら死んでもいい
    訳ではないけれど。笑。

    尚、本書は中世までのヨーロッパ史を少々齧っていないと辛いかも
    しれない。

  • 挫折

  • [ 内容 ]
    イタリア半島南部にある、風光明媚な大都市ナポリ。
    東にポンペイを滅亡させた火の山ヴェズーヴィオを望み、足元の紺碧の海には、カプリやイスキアの島々が浮かんでいる。
    ギリシアの植民市として出発したナポリは、さまざまな民族が往き来する地中海の歴史の中でどのように独自の文化を築きあげたのだろうか。
    本書は、旅行者を魅了してやまない、かの地の豊饒な生活と文化の神髄に迫ろうとするものである。

    [ 目次 ]
    第1章 都市ナポリ(マグナ・グラエキア ナポリ公国とノルマン人 フェデリーコ二世 ほか)
    第2章 光と影の都(ルネサンス文化繚乱 総督ペドロ・デ・トレド マザニエッロの乱 ほか)
    第3章 ナポリの生活(ナポリの現実 食の文化と生活 ナポリの食誌)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 構成
    はじめに:ナポリというトポス
    第Ⅰ章 都市ナポリ
    第Ⅱ章 光と影の都
    第Ⅲ章 ナポリの生活
    結語 もうひとつのナポリ
    --
     南イタリアの都市といえば思い浮かぶのがナポリである。「ナポリを見てから死ね」という諺があるほど、風光明媚な都市だという。そうした「光」の面がある一方で、ナポリには南北問題やごみ問題、マフィアなど「影」の面もあることを思い起こす必要がある。
     本書は、ギリシア植民市として成り立ったナポリ形成期から、18世紀中庸までの時期のナポリを概観する。様々な民族が入り混じり、猫の目のように変わる支配者の下で、それでも独自の「ナポリ人気質」を形成していくナポリ市民の姿が描写されている。
     ギリシア、ローマ、ノルマン、ビザンツ、スペイン・ハプスブルグ家、スペイン・ブルボン家など、ナポリは様々な民族に支配されてきた。その過程で、重税や圧政などに苦しむ時期も少なくなかった。幾度かの抵抗があったが、それ以上の寛容さで、ナポリは宗主国を受け入れた。
     だからといって、ナポリ人が卑屈になっていったかというと、そうではない。著者はナポリ人を「都会人でありながら田舎者を装い、賢者ではなく愚者を演じる。(p.134)」、「それなりに繁栄もし、ナポリ人独特の<気質>が出来上がってくる――活発、厚顔、気さく、皮肉的、楽観的、享楽的、感傷的……。(p.146)」。異なる民族、異なる支配者を受け入れながら過ごしてきたナポリ人の二面性が感じられる。
     現代における「光」と「影」の両義的な都市ナポリは、こうした歴史の積み重ねによって醸成されていったのではないだろうか。歴史学が過去を通して現代を理解する学問であることが、本書では明快に示されている。

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