ドン・キホーテの旅―神に抗う遍歴の騎士 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 52
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016720

作品紹介・あらすじ

ドン・キホーテといえば、風車に突進するあの騎士かと、誰もがイメージを浮かべることができる。本書は、作品の全体と細部を丹念に読み解きながら、われらが遍歴の騎士の魅力に新たな光を投げかけるものである。従者サンチョ・パンサはもちろん、イエス・キリスト、芭蕉、フーテンの寅さんらを招き、この、人間の想像力が生みだした最高の果実をより深く味わおうというのである。愉快で斬新なドン・キホーテ入門の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • RQ:『ドン・キホーテ』のどこがおもしろいの?

    以下構成とまとめ

    1.作者サルバンテスと『ドン・キホーテ』の関係
    2.『ドン・キホーテ』の構造
    3.騎士ドン・キホーテのキャラクター論

    詳細は以下
    http://critique.hatenablog.com/entry/2015/04/26/201254

  • ドン・キホーテのすごさがわかる。

  • スペインの文豪セルバンテスの古典的名著『ドン・キホーテ』の入門書。

    『ドン・キホーテ』というと、騎士道小説を読みすぎたせいで、狂気にとりつかれた老人の喜劇。自分自身を騎士と思い込み、ちょっと足りない農夫サンチョ・パンサを従士に傍迷惑な冒険の旅に出る。この程度のあらすじは聞いたことがある人も多いと思います。
    しかし、ドン・キホーテが実は狂ったふりをしているだけだという説はあまり知られていないのではないのでしょうか。

    当時のキリスト教社会としては異例なフェミニズム、神の采配に抗い、騎士を演じることに自らの生命を賭けた人物像など、この古典的作品から、現代的なテーマを読み取れることを筆者は指摘しています。

    西行を慕って旅に生きた松尾芭蕉や、ウィットに富んだ対話の達人『男はつらいよ』のフーテンの寅さんとも類似していて、ドン・キホーテを今までよりずっと身近に感じました。

    文学だけにとどまらず、絵画や音楽など、この物語が広汎にインスピレーションを与えられたのは、セルバンテスの機知によって、神なき曖昧な世界をユーモアたっぷりに描かれたから、ということもあるみたい。自分だけの『ドン・キホーテ』を発見することだってできるかも…、そんな古典の可能性を感じさせてくれる一冊でした。

  • [ 内容 ]
    ドン・キホーテといえば、風車に突進するあの騎士かと、誰もがイメージを浮かべることができる。
    本書は、作品の全体と細部を丹念に読み解きながら、われらが遍歴の騎士の魅力に新たな光を投げかけるものである。
    従者サンチョ・パンサはもちろん、イエス・キリスト、芭蕉、フーテンの寅さんらを招き、この、人間の想像力が生みだした最高の果実をより深く味わおうというのである。
    愉快で斬新なドン・キホーテ入門の決定版。

    [ 目次 ]
    第1章 『ドン・キホーテ』誕生―セルバンテスの異常な生涯
    第2章 どんな小説なのか―食後の会話にふさわしい文体
    第3章 何が新しいのか―男性中心主義からの脱却
    第4章 パロディーの饗宴―イエス・キリストとドン・キホーテ
    第5章 世界大劇場―神々しい狂気
    第6章 サンチョ・パンサの冒険―“生”の創出
    第7章 旅人ドン・キホーテ―全世界を異土とする遍歴の騎士
    第8章 ポエジーに命を賭ける―芭蕉とドン・キホーテ
    第9章 旅浪のアンチ・ヒーロー―フーテンの寅さんとドン・キホーテ
    第10章 題名の謎―人格とは何か

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    [ 参考となる書評 ]

  • 岩波版訳者の人が著者。また読み返したくなる。フォークナーが毎年読んでたという話があった。そういう読み方もいいなあとか思うも、もう少しそっとしておきたい気分。

  • ドン・キホーテやサンチョ・パンサという言葉は知っていても、物語の詳細は知らないのが大多数ではないだろうか。といっても、古典文学であるし読むのはちょっと…。というわけで時代背景や物語の背景の解説を知る上でも良い解説書だ。

    セルベンテスのドン・キホーテの出版は1605年とのこと。この年代というだけでも原著はちょっと読めないですね…。
    出版当時は、たんなる空想物語であり、機知に富んだ文体が受けただけであったらしい。しかし、その評価が一変するのはその後だ。ドン・キホーテに描かれる情熱(あるいは狂気)に呈する解釈が変わっていった。解釈がふくらんでいくのも名作であるが故なのだろう。

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