飛行機物語―羽ばたき機からジェット旅客機まで (中公新書 1694)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016942

作品紹介・あらすじ

1903年12月17日、キティホークの丘でライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した。わずか12秒間、飛行距離36メートルにすぎない。しかしそれは、空を飛ぶという夢が、19世紀のケイリー卿やリリエンタールを経てようやく現実のものとなった瞬間であった。人類はいかにして空に舞い上がることができたのか。羽ばたき機から初のジェット旅客機コメットまで、飛行機を創り上げた人と科学と技術のドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 飛行機の歴史について本を読んでみたいと思っていた。テレビで映画「紅の豚」を観たからだ。そういえば子どものころ水面から飛び立つ飛行艇を見たことがあったような気もする。こんな飛行機はいつ頃活躍していたんだろう。ばくぜんと考えていた。そんなときに本書が登場した。すぐに買って読み始めた。ベルヌーイの定理とか、カルノーサイクルとか、ナヴィエ=ストークス方程式とか、物理的な内容も多いのだけれど、そこは一応?物理学科卒なので、何とか読み進むことができた。後半に入って技術的な話が多くなると、飛ばし読みをせざるを得なかった。それでも初期の飛行機開発物語はおもしろい。ライト兄弟が動力飛行機の飛行に成功するまでには、たくさんの人たちの夢とそれに向けて努力する姿があった。そんな中に、日本人の姿が登場するのは感慨深い。二宮忠八なる人物。明治時代の中頃に「飛行器」を夢見て実験をしていたという。世界の情勢も知らず、1人で考えていた。時代は日清戦争。陸軍の上司に開発を進めさせてもらえるよう申し出ていた。しかし、相手にしてもらえなかった。彼が、ライト兄弟が飛行機の開発に成功したということをずいぶん後になって知る。彼の夢は打ち砕かれた。作りかけの「飛行器」は自分の手でこわした。ところで、そのライト兄弟が動力飛行に成功したのはいつのことかご存じですか。それは1903年12月17日のこと。今年がちょうど100年目なのです。まだそれだけしかたっていないのですね。残念ながら、この間、飛行機事故で亡くなった方がたくさんいます。スピードのアップも大切でしょうが、安全を第一に開発してほしいものですね。

  • 航空機の技術と歴史について、コンパクトながら中身濃く書いてくれている本で、勉強になりました。
    が、工学の素養の全くない身としては、内容のよくわからなかった所も多かったです。
    最後の、航空機事故に当たって原因を徹底究明した上で、「犠牲は、はらわれなければならない」として、徹底改善してより安全な運航を目指そうとしたイギリスの対応ぶりが、原発事故に当たって原因を徹底究明できず、ずるずると全廃の方向に向かってしまっている日本の今の状況とは随分違うなと思わされました。

  • [ 内容 ]
    1903年12月17日、キティホークの丘でライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した。
    わずか12秒間、飛行距離36メートルにすぎない。
    しかしそれは、空を飛ぶという夢が、19世紀のケイリー卿やリリエンタールを経てようやく現実のものとなった瞬間であった。
    人類はいかにして空に舞い上がることができたのか。
    羽ばたき機から初のジェット旅客機コメットまで、飛行機を創り上げた人と科学と技術のドラマ。

    [ 目次 ]
    1 揚力はなぜ発生するのか
    2 リリエンタールからライト兄弟へ
    3 エンジンはどのように開発されたか
    4 プロペラはなぜ推力を発生するのか
    5 翼理論が誕生するまで
    6 金属の機体が誕生するまで
    7 ジェット・エンジンが誕生するまで
    8 ジェット旅客機が開発されるまで

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 10月読了。大学の課題図書。飛行機が飛ぶ原理(ベルヌーイの定理)から、数々の飛行機史、現代の航空機に関わることが詳しく解説された本。ただ、興味の薄い方には読破は難しいかも・・・。

  • 文字通り、飛行機を巡るヒトと技術の物語である。また、技術的な所から商業的な所に至るまで、広く浅く紹介されている。100年以上前の人々が夢を追い求めて奮闘する姿が素晴らしいが、コンコルドとか現代戦闘機のエピソードがなかったのは残念だった。

  • 飛行機がどうやって空へ飛んだか。

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著者プロフィール

東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、東京大学名誉教授

「2022年 『ドローン活用入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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