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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784121017079
感想・レビュー・書評
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四半世紀をかけて仕上げたという本書は非常に分かりやすく、また読み物としても(自身の滞在体験なども織り交ぜつつ)飽きさせない引き出しが多く、ひとことで言って良書。
ヒンドゥー教の特色をその宗教的寛容性に見る著者。ほかにも、最も超越的な修行者の極りっぷりと、庶民のご利益的信仰の落差がほかの宗教と比較して大きい、との感想も述べており興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヒンドゥー教には律法規範の核となる聖典がない。
ヴェーダは啓示だが律法書ではなく神を賛美し宥め儀式を解説する。集団によって信仰神の違いはあるが制度化された宗教集団ではない。
また古代ヒンドゥー教は真理に到達する事を第一に考え、誰が何を考えたか記録する歴史に無関心であった。印刷媒体では真理を伝える事は出来ないと考え口伝を重視した。※口伝内容が真理だとどうやって保障するのか疑問だが。
【信仰の目的】
信仰の目的としては神からの恩寵として現世の利益を受けるため、最終的には自らの想念、肉体から解放され輪廻からの解脱することになる。
【義務】
義務は➀供犠を行い、➁ヴェーダを学習し、➂子孫(息子)を残すことにある。
【かつてのヒンドゥー教】
バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャはヴェーダの学習が義務だが、シュードラや女性は学習が禁止されていた。ヴェーダを習得していないと義務の1つである祭祀が行えない。
だがヴァルナ(身分)よりも実際に重要だったのはジャーティ(社会集団)であり、ジャーティが違えば上下関係も大きく変わった。
【改革運動】
日々の仕事に集中して行為の貴賤や軽重は気にせず神への一途な献身により神との合一、輪廻からの解脱を説いたバクティ運動がヒンドゥー教を大衆信仰として根付かせた。 -
解脱と云う考えは、全く非現実的であり、夫れ程人の心を惹くものではない。事実、夫れに就ては冗舌な議論がなされてきた事からも分かるように、夫れは学者達の単なる論題に過ぎない。解脱は決してヒンドウーの宗教儀式や礼拝の目的ではない。ヒンドウーの儀式や礼拝の中心目的は、現世的な繁栄である。そして、此の現実世界への専心の為に、この世に再び生まれ変わると云う輪廻転生の教義が、死後の生命に就てヒンドウーが提唱した全ての概念の中で、最も説得力の有る確固たる信仰になっているのである。彼らは此の世界を余りにも深く愛して居り、その為に幾度も生まれ変わった后ですら、永久に此の世を離れると云う可能性を、出来るだけ遠い先の、起こり得ない事にしたのである。
p.337 -
ヒンドゥー教は、別に宗祖がいるわけでもなく、いろいろな神様を信仰するインド全体の世界観・文化・生活習慣なのだと理解。ヨガはそもそも心身を鍛え気の通りを良くして神に近付くための修練であり、その昔は川に浸かって内臓を取り出したり、濡れた布を鼻や胃に通すような修行も行われていたとか。現代のインド人科学者でさえも輪廻転生を信じている、とか。私の持っている価値観など、文化の中で培われたものであり、絶対的なものではないのだなと。異文化を知ることで日本を知ることができた本。そんなインドをみる筆者のコメントも、いきいきと好奇心旺盛でありながら、ヒンドゥを信仰する人々に対するリスペクトに溢れており、すばらしい読後感でした。インドに行ってみたいな。
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出版社による内容紹介
“弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。”
【目次】
プロローグ ヒンドゥー教と日本人 003
第1章 ヒンドゥー教とはどんな宗教か 023
第2章 ヒンドゥー教はいつ始まり、どのように発展したか 063
第3章 ヒンドゥー教の支持基盤-カースト制度 119
第4章 ヒンドゥー教のエートス 153
第5章 ヒンドゥーの人生と生き方 183
第6章 解脱に向かって 251
エピローグ シュリー・ラーマクリシュナの生涯と福音 363
あとがき 379
参考文献 386
索 引 400 -
ヒンドゥー教のライフスタイルが見えてくる気がする
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ヒンドゥー教について筆者の膨大なフィールドワークや
研究の成果をもとに、初心者にも分かりやすく、
その現実と理想を説明する一冊。
馴染みの薄いヒンドゥー教を、
本書を読み終わる頃には親しみと畏れをもって
見つめることができるようになる。
語り口の柔らかさもあって、
穏やかにヒンドゥーの世界を知れる良書。 -
宗教書ですが、インドの旅行書として有用です。日本文化底流にあるヒンドゥー 例えば輪廻転生、業(カルマ)や浄・不浄感などが理解できるし、ヨガやベジタリアンについてりかいが深まります。そのほかインドの偉人、カンジー・Rタゴール・ロマンローラン(仏)・スリーオーロビンド・シュリー・ラーマクリシュナについて記述もあります。
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博識なヨガの先生に触発されて読み始めた。内容は難しいし、知識のもともと少ない私からはまとまりがないように感じて読みにくかった。しかし、古代インド人の思想の一端にふれることができてうれしい。
つぎは、バガヴァッド・ギーターやヨガ・スートラを読んでみたい。
でも、イスラームや仏教も気になる… -
ヒンドゥー教の過去から現在に至る有り様が、うまく整理されている。様々な引用も読者の理解を助ける。新書としてはけっこう分厚いが、文章は読みやすいし、著者のインドでの研究・滞在経験が紹介されることが多く、最後まで興味深く、さほどの忍耐も必要なく読むことができた。著者の滞在経験は40年程前のものだが、今読んでも問題は感じない。
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厳格なカーストに菜食主義、ガンジス川での沐浴...そうした断片的なイメージしかないヒンドゥー教の有様を実体感ある筆致で書き下した本。新書にしては分厚い。
ヒンドゥーとは何かという問いに対して、明快で秩序だった解を用意してあるわけではなく、著者が実際に見聞きした内容や、各種の引用を交えつつ、いろいろな面から、この文化・信仰を紹介している。体系された章立てではないが、きっとヒンドゥーなるものが体系化困難で混沌としたものなのだろう。特定の開祖がいたり、具体的な教義があるわけではなく、それが故に、「ひとつの宗教」というより「純粋な信仰のあり方」という印象を受けた。キリスト教や仏教にみる「宗教」というスキームの概念を少し広げる必要があるかもしれない。 -
ヒンドゥー教のふかーいところというより、庶民の目線を含めて俗っぽいところから聖なるところまで、エッセイチックに解説してくれます。
その解説がどこまで正しいのか、よくわかりませんでしたが・・・。
最終章のラーマクリシュナについては、とても興味を惹かれました。
顔はボビー・オロゴンっぽいけど、中身は完璧に聖人です(笑) -
新書ながら400ページもある本。疲れました。
単に教義や信仰形態について文献的に迫るのではなく、筆者の体験からかかれている部分も多いため、全体として読みやすい。
内容として面白かったのは聖牛信仰について。牛、特に牝牛を殺してはいけないという教義が存在するのはその乳牛や糞が現実生活において非常に重要なものだったかららしい。
また、バクティ信仰と日本仏教との類似が指摘されており興味深かった。
エピローグで紹介されているラーマクリシュナの思想に関してはもっと詳しく知りたいと思った。ラーマクリシュナは19世紀の人物。ヒンドゥーやイスラム、仏教においてそれぞれ神秘的な体験を経て普遍宗教的な思想に至った人物らしい。
本文では ガンディーやタゴールの記述がたびたび紹介されていたが、これらに関する著作にも触れていきたい。 -
聖なるものと俗なるもの。これはインドを理解するための重要なキーワードになると思う。
インドに行く直前に買っていて、飛行機の中で読んだ本。
結局読み終わったのは帰国してからですが、むしろ逆に、現地の空気、感じたこと、みたものなどが新鮮な時期に読んだことで、思い出深い一冊になっています。
ややまじめな本ですが、「地球の歩き方 インド」のお供にどうぞ。笑。 -
インドについて知りたくなったので、その代名詞とも言えるであろうヒンドゥー教を手に取り易い新書で読んでみた。
どうしてもヒンドゥー教はカースト制度などから固定観念としての異質さを抱いていたのだが、本書は著者の経験を交えて明快に解説していたように感じた。
なので入門書としては十分な出来となっているのではないかと思う。
ただどうしても理解できない文化・慣習もあった。
信愛の解脱という道がありながらなぜ差別があるのか、ということに関しては個人的に納得がいかなかった。
しかし、よくよく考えてみれば宗教は概して差別的だったりするので、ヒンドゥー教だけの問題ではないのだろうし、内部批判めいたエピソードもきちんと載せてあったのでバランスは取れていたと思う(エピローグは特に必読)。
先にインドの詩人タゴールを作品を読んであまりピンとこなかった自分だが、少しは理解を深めるのに役立った一冊だった(実際にタゴールのエピソードも多く載っている)。
他のレビューで「専門用語やカタカナが多く難しかった」というようなことが書かれているが、巻末に索引もしっかりあるので、それを上手く活用して読めばさほど難易度は気にならないはず。
他にも興味深い著作があるようなので、これを機にインドの深遠な世界に少しでも触れていきたい。
著者プロフィール
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