ヒンドゥー教: インドの聖と俗 (中公新書 1707)

著者 :
  • 中央公論新社
3.57
  • (6)
  • (20)
  • (20)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 235
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121017079

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の現地での体験談と合わせてヒンドゥー教について解説。読みやすい

  • ヒンドゥー教のライフスタイルが見えてくる気がする

  • ヒンドゥー教について筆者の膨大なフィールドワークや
    研究の成果をもとに、初心者にも分かりやすく、
    その現実と理想を説明する一冊。
    馴染みの薄いヒンドゥー教を、
    本書を読み終わる頃には親しみと畏れをもって
    見つめることができるようになる。
    語り口の柔らかさもあって、
    穏やかにヒンドゥーの世界を知れる良書。

  • ヒンドゥー教のふかーいところというより、庶民の目線を含めて俗っぽいところから聖なるところまで、エッセイチックに解説してくれます。
    その解説がどこまで正しいのか、よくわかりませんでしたが・・・。
    最終章のラーマクリシュナについては、とても興味を惹かれました。
    顔はボビー・オロゴンっぽいけど、中身は完璧に聖人です(笑)

  • 新書ながら400ページもある本。疲れました。

    単に教義や信仰形態について文献的に迫るのではなく、筆者の体験からかかれている部分も多いため、全体として読みやすい。


    内容として面白かったのは聖牛信仰について。牛、特に牝牛を殺してはいけないという教義が存在するのはその乳牛や糞が現実生活において非常に重要なものだったかららしい。
    また、バクティ信仰と日本仏教との類似が指摘されており興味深かった。

    エピローグで紹介されているラーマクリシュナの思想に関してはもっと詳しく知りたいと思った。ラーマクリシュナは19世紀の人物。ヒンドゥーやイスラム、仏教においてそれぞれ神秘的な体験を経て普遍宗教的な思想に至った人物らしい。

    本文では ガンディーやタゴールの記述がたびたび紹介されていたが、これらに関する著作にも触れていきたい。

  • [ 内容 ]
    弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。
    本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。

    [ 目次 ]
    プロローグ ヒンドゥー教と日本人
    第1章 ヒンドゥー教とはどんな宗教か
    第2章 ヒンドゥー教はいつ始まり、どのように発展したか
    第3章 ヒンドゥー教の支持基盤―カースト制度
    第4章 ヒンドゥー教のエートス
    第5章 ヒンドゥーの人生と生き方
    第6章 解脱に向かって
    エピローグ シュリー・ラーマクリシュナの生涯と福音

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • インドについて知りたくなったので、その代名詞とも言えるであろうヒンドゥー教を手に取り易い新書で読んでみた。
    どうしてもヒンドゥー教はカースト制度などから固定観念としての異質さを抱いていたのだが、本書は著者の経験を交えて明快に解説していたように感じた。
    なので入門書としては十分な出来となっているのではないかと思う。
    ただどうしても理解できない文化・慣習もあった。
    信愛の解脱という道がありながらなぜ差別があるのか、ということに関しては個人的に納得がいかなかった。
    しかし、よくよく考えてみれば宗教は概して差別的だったりするので、ヒンドゥー教だけの問題ではないのだろうし、内部批判めいたエピソードもきちんと載せてあったのでバランスは取れていたと思う(エピローグは特に必読)。
    先にインドの詩人タゴールを作品を読んであまりピンとこなかった自分だが、少しは理解を深めるのに役立った一冊だった(実際にタゴールのエピソードも多く載っている)。
    他のレビューで「専門用語やカタカナが多く難しかった」というようなことが書かれているが、巻末に索引もしっかりあるので、それを上手く活用して読めばさほど難易度は気にならないはず。
    他にも興味深い著作があるようなので、これを機にインドの深遠な世界に少しでも触れていきたい。

著者プロフィール

1928年和歌山県生れ。同志社大学神学部卒業。インド国立ヴィッシュヴァ・バーラティ大学准教授を経て、帰国後、名城大学教授等を歴任。名城大学名誉教授。現代インド思想・文学専攻。


「2015年 『女声合唱とピアノのための 百年後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森本達雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×