- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121017291
作品紹介・あらすじ
俳句は十七音からなる、地球上でもっとも短い定型詩である。そのうち何字かは季語を含むのだから、作者が独創を発揮する余地はさらに少ないように見える。だが、それだからこそ、ひとつひとつの言葉は磨かれ、詠む人の感覚や記憶が凝縮されるのだ。本書では、俳壇の気鋭として知られる著者の「俳句的生活」をたどり、実感溢れる俳句作りの場に立ち会う。日々の暮らしを結晶化した、美しい日本語に再会しよう。
感想・レビュー・書評
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p.2017/5/20
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160604 中央図書館
俳句的エッセーの域を出ないし、俳句の感性は広く共有するというものでもなく、自分自身の宇宙観を切り取ったスナップをたまたま開陳しているというものだしなあ。。 -
俳句の新書というよりは、俳人のエッセイとして読める。著者はとても筆達者で、文章自体も洗練されており、読んでいてだれない。
私は俳句の新書として読む意味合いが強かったので、最初の「切れる」の章を読み、著者の俳句の「読み」におおっ、と声を上げたい気持ちになった。
とてもわかりやすく、説得力のある「読み」だったのだ。簡潔でいて、深みがあり、無理がない。なるほどあの有名な句の17文字が描き出したのはこういう世界だったのか、自分はなんと読みができていなかったのだろう、と目が覚めるような気持ちになった。
それだけに、後の方になると俳句の「読み」「技法の解説」というよりは、著者のエッセイ色の方が濃くなってきたので少々残念に思ったが、一冊をとても心地よく読むことができた。
時折著者の気持ちが先走っているように感じる場面もあったが、それもまぁご愛嬌という程度。俳句だけでなく、短歌にも触れている場面も多いのが、私的にはうれしかった。 -
内容が広範囲に及んで興味深く読めました。俳句の効用ってわたし的には、やばいかなって時のカンフル剤かな。
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教授からの速達で、この本が届き、
半ば仕事と思いつつも読む。
俳句について、考えるほどに、
自分という人間が、いかに芸術から、
遠く隔たっているかを実感させられる。
そして、もし自分に芸術があるとすれば、
ただただ毎日を積み重ねて行った先にあるだろう、
少しも芸術的でない営為が積み上がった数十年なんだろう、
と最近とみに思う。
いくら、うらやましいと思ったとしても。 -
「『学ぶ』とは一旦自分を捨てることだ」みたいな部分にドキッとしました。
中途半端な学問しかしていないわたしには、大いに教訓的なお言葉。 -
俳句、好きになりました。