俳句的生活 (中公新書 1729)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121017291

作品紹介・あらすじ

俳句は十七音からなる、地球上でもっとも短い定型詩である。そのうち何字かは季語を含むのだから、作者が独創を発揮する余地はさらに少ないように見える。だが、それだからこそ、ひとつひとつの言葉は磨かれ、詠む人の感覚や記憶が凝縮されるのだ。本書では、俳壇の気鋭として知られる著者の「俳句的生活」をたどり、実感溢れる俳句作りの場に立ち会う。日々の暮らしを結晶化した、美しい日本語に再会しよう。

感想・レビュー・書評

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  •  俳句に関することですが、単に「切れ字」や「言葉の取り合わせ」に留まらず、京料理、面影、言語の世界にまで考察・波及、子規や虚子への思いも語られています。じっくり味わいました。長谷川櫂(1954年、熊本生まれ、東大法卒)「俳句的生活」、2004.1発行。明治5.12.3を明治6.1.1にした新暦(太陽暦)移行は、日本人の季節感を根底から揺さぶる大事件でしたね。月と節気の対応がずれ、暑さ寒さで季節を区分せざるをえなくなり、季節感が平板に。もっとも、地球温暖化で更におかしくなってきてますが・・・。

  • p.2017/5/20

  • 160604 中央図書館
    俳句的エッセーの域を出ないし、俳句の感性は広く共有するというものでもなく、自分自身の宇宙観を切り取ったスナップをたまたま開陳しているというものだしなあ。。

  • 俳句の新書というよりは、俳人のエッセイとして読める。著者はとても筆達者で、文章自体も洗練されており、読んでいてだれない。

    私は俳句の新書として読む意味合いが強かったので、最初の「切れる」の章を読み、著者の俳句の「読み」におおっ、と声を上げたい気持ちになった。
    とてもわかりやすく、説得力のある「読み」だったのだ。簡潔でいて、深みがあり、無理がない。なるほどあの有名な句の17文字が描き出したのはこういう世界だったのか、自分はなんと読みができていなかったのだろう、と目が覚めるような気持ちになった。

    それだけに、後の方になると俳句の「読み」「技法の解説」というよりは、著者のエッセイ色の方が濃くなってきたので少々残念に思ったが、一冊をとても心地よく読むことができた。
    時折著者の気持ちが先走っているように感じる場面もあったが、それもまぁご愛嬌という程度。俳句だけでなく、短歌にも触れている場面も多いのが、私的にはうれしかった。

  • 内容が広範囲に及んで興味深く読めました。俳句の効用ってわたし的には、やばいかなって時のカンフル剤かな。

  • [ 内容 ]
    俳句は十七音からなる、地球上でもっとも短い定型詩である。
    そのうち何字かは季語を含むのだから、作者が独創を発揮する余地はさらに少ないように見える。
    だが、それだからこそ、ひとつひとつの言葉は磨かれ、詠む人の感覚や記憶が凝縮されるのだ。
    本書では、俳壇の気鋭として知られる著者の「俳句的生活」をたどり、実感溢れる俳句作りの場に立ち会う。
    日々の暮らしを結晶化した、美しい日本語に再会しよう。

    [ 目次 ]
    第1章 切る
    第2章 生かす
    第3章 取り合わせ
    第4章 面影
    第5章 捨てる
    第6章 庵
    第7章 時間
    第8章 習う
    第9章 友
    第10章 俳
    第11章 平気
    第12章 老い

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    [ 参考となる書評 ]

  • 教授からの速達で、この本が届き、
    半ば仕事と思いつつも読む。

    俳句について、考えるほどに、
    自分という人間が、いかに芸術から、
    遠く隔たっているかを実感させられる。

    そして、もし自分に芸術があるとすれば、
    ただただ毎日を積み重ねて行った先にあるだろう、
    少しも芸術的でない営為が積み上がった数十年なんだろう、
    と最近とみに思う。

    いくら、うらやましいと思ったとしても。

  •  「『学ぶ』とは一旦自分を捨てることだ」みたいな部分にドキッとしました。
     中途半端な学問しかしていないわたしには、大いに教訓的なお言葉。

  • 俳句、好きになりました。

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著者プロフィール

長谷川櫂
一九五四年(昭和二十九年)生まれ。俳人。「読売新聞」に詩歌コラム「四季」を連載中。朝日俳壇選者、俳句結社「古志」前主宰、インターネット歳時記「きごさい」代表、「ネット投句」「うたたね歌仙」主宰。著書に、句集『虚空』(読売文学賞)、『震災歌集 震災句集』、『沖縄』、『九月』、『太陽の門』のほか、『俳句の宇宙』(サントリー学芸賞)、『古池に蛙は飛びこんだか』、『俳句の誕生』などの俳論、『俳句的生活』、『俳句と人間』などのエッセイ、『和の思想』、『文学部で読む日本国憲法』などの日本文化論がある。

「2023年 『四季のうた 雨ニモマケズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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