「鬼子」(グイヅ)たちの肖像―中国人が描いた日本人 (中公新書)

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  • 中央公論新社
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感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018151

作品紹介・あらすじ

古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=「鬼子」イメージの変遷をたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 子供から見たいろんな日中戦争に関するドラマの中で、中国人はずっと日本の兵士に<鬼子>と呼んだ。日常生活も日中戦争を経験したお年寄りが日本人に<鬼子>を呼ぶ人もいる。それはいい言葉じゃない、蔑称だ。それをわかるけど、結局いつから、どうしてこう呼ぶのか、その原因を見つけたいと思って、春休みはその本を読み始めた。
    作者は武田雅哉である。武田さんは北海道大学の教授、研究分野は中国文化、文学と芸術である。研究内容は中国の連環画、ポスターなどである。だから、作者の武田さんは中国の清朝末期と日中戦争から、中国人が描いた日本に関するポスター、映画、ドラマなどを対象として研究する。ちなみに、清朝末期は大体日本の明治時代である。
    中華人民共和国以降の日中戦争を描くドラマは二つの特徴がある。一つは中国人が演じる日本兵士の変な日本語で、もう一つは日本兵士に〈鬼子〉という呼び方である。〈鬼子〉は鬼のような奴という意味で、清朝の本の中で、「西洋人が中国に来ると、人々は鬼子と呼んだ」とあるように、西洋からの外国人を指していうようになる。その時、日本人をいう言葉は鬼子ではなく、〈倭〉という言葉である。しかし、どうして〈鬼子〉は単に日本人だけを指す言葉になるのか。作者は中国古代の『山海経』と『本草綱目』を例にして、中国古代文化の人と鬼の区別を読者に解明した。その中で日本の妖怪文化も少し及んだ。そして、〈倭〉から〈鬼子〉になる日清戦争と日中戦争の時代、両国の文化の溶け合うとカルチャーショックを紹介した。最後、〈鬼子〉という呼び方の原因を究明した。
    一体、どうして中国人が日本人に〈倭〉を言うのか、どうして〈倭〉から〈鬼子〉になるのか、中国古代文化や日本妖怪文化との繋がりは何でしょうか。みなさんはそれを知りたいなら、せびこの本を読んでみてください!

  • 日本人が「鬼子」と呼ばれる前、「日本人」又は日清戦争のあたりから「倭」になった19世紀後半に中国で出版された「画報」にどう描かれていたかを紹介しているので、ややタイトルとは異なる。しかも専ら特定の画報しか扱っていないので、読んでいて退屈でもある。現代の中国のドラマ・映画の「鬼子」像を分析した本があれば、誰か紹介して下さい!

  • [ 内容 ]
    古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。
    そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。
    本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=「鬼子」イメージの変遷をたどる。

    [ 目次 ]
    1 「日本人」と「鬼」(異人の描きかた;「鬼」が来た! ほか)
    2 「人」と「鬼」の図像学(「人」とはなにか?;「鬼」―「人」にあらざるもの ほか)
    3 清朝末期の日本人像(『点石斎画報』;「東洋」の異人 ほか)
    4 怪物は東洋から(日出ずる処の妖怪たち;巨大生物の島国;ニッポン怪獣図鑑;四つ首の奇獣)
    5 戦争と「倭奴」たち(「倭人」ふたたび;戦況の報告 ほか)
    6 「倭奴」から「鬼子」へ(台湾民主国をめぐって;台湾の倭奴たち ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 中国から見た明治期の日帝像.WW2時代までの続編もやってほしい.ともすれば角の立ち易い題材だが,作者のシニカルでユーモラスなスタンスが良い.

  • 以前『よい子の文化大革命』でも紹介した北海道大学の武田雅哉先生の本です。中国で「鬼子」と言えば日本人のことであり、明清時代から20世紀初頭くらいまでの中国人が描いてきた「日本人」についておもしろおかしく解説しています。この本を読むと、今でも年に数回目にする中国人の反日暴動や“下品”な中傷は伝統的なものなのだと、そして伝統だからこそそこには洗練されたものが見受けられるということが分かります。そのような視点で見ると、中国人の反日意識も違ったアプローチでとらえることができるのではないでしょうか。ただいたずらにこちらも反中意識を増幅させるのではなく、あちらさんの“エスプリの効いた”スローガンにはこちらもにやりと余裕な笑顔を向けましょう。「あとがき」にもふれてますが、中国とは異人に対する蔑称の王国です。もはや文化なのです。そのように考えるとなぜか親近感がわくのは私だけでしょうか?

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著者プロフィール

北海道大学名誉教授

「2022年 『中国文学をつまみ食い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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