シュメル: 人類最古の文明 (中公新書 1818)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018182

作品紹介・あらすじ

五千年前のイラクの地で、当時すでに文字やハンコ、学校、法律などを創り出していた民族がいる。それが、今までほとんどその実像が明らかにされてこなかったシュメル民族である。本書は、シュメル文明の遺物を一つ一つ紹介しながら、その歴史や文化を丹念に解説するものである。人類最古の文明にして現代社会の礎を築いた彼らの知られざる素顔とは-。多様かつ膨大な記録から、シュメルの人々の息づかいを今に伝える。

感想・レビュー・書評

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  • リピドイシュタル法典は賠償法

  • 228
    「五千年前のイラクの地で、当時すでに文字やハンコ、学校、法律などを創り出していた民族がいる。それが、今までほとんどその実像が明らかにされてこなかったシュメル民族である。本書は、シュメル文明の遺物を一つ一つ紹介しながら、その歴史や文化を丹念に解説するものである。人類最古の文明にして現代社会の礎を築いた彼らの知られざる素顔とは―。多様かつ膨大な記録から、シュメルの人々の息づかいを今に伝える。」

    目次
    序章 むかしイラクは…―メソポタミアの風土
    第1章 文字はシュメルに始まる―楔形文字の誕生
    第2章 「ウルク出土の大杯」が表す豊饒の風景―努力の賜物
    第3章 元祖「はんこ社会」―目で見るシュメル社会
    第4章 シュメル版合戦絵巻―都市国家間の戦争
    第5章 「母に子を戻す」―「徳政」と法の起源
    第6章 「真の王」サルゴン―最古の国際社会
    第7章 最古の文学者エンヘドゥアンナ王女―読み書きと学校
    第8章 紹介する神―神々の世界
    第9章 「バベルの塔」を修復する王―統一国家形成と滅亡
    終章 ペンを携帯した王―シュメル文化の継承

  • シュメールの始まりからウル第三王朝までの歴史を書いた本。
    シュメールについての書籍は限られているので貴重です。
    シュメールは地政学的に紛争が尽きない場所なため、現代の戦争や移民問題などのヒントが詰まっています。

  • 僕みたいな世界史を教養程度に学び直しする人にとっては詳細すぎる。逆にそこを専門にしている人にとっては素晴らしい本だなとも思う

  • ハンコ好きの民

  • 同じ著者の『古代オリエントの神々』『古代メソポタミア全史』に引き続き、こちらを読む。ほぼシュメルに焦点を絞った内容で、その分円筒印章や学校の様子など日常生活に関する部分が多く楽しめる。現代日本との比較や共通点を述べた箇所も多く、親しみやすい入門書。「シュメール」の長音記号にそんな意味が、というのが一番の驚き。

  • シュメルのことが知れてよかった。
    これを機に古代オリエントを学ぼう。

  • 「発掘品から読み取るシュメルのくらし」って感じ。

  • 最古の法典「ウルナンム「法典」」
    やられてもやりかえさない。同害復讐法は採用していなかった。障害は賠償、銀を量って支払いする。
    ハンムラビ法典は、遊牧民社会の掟である「同害復讐法」になっている。
    裁判は、神明裁判。川に放り投げて、川の神が助けてくれれば、無実。

  • シュメル人の存在を初めて知った。古代を研究する人たちの、人類の歴史を知りたい、という気持ちが伝わってくる熱い本だった。

    今から約5千年前、初めての文字や文明だと考えられているシュメル人の歴史が書かれている。ロマンを感じるところとしては、それが人類で初めてだ、ということと、そして発掘されたものの資料から当時の人たちの気持ちを自由に想像することができる点だろう。

    古代の絵は、世界史で見たかな、くらいだったけれど、こういうことをしている人です、と解説を受けると、なんだか可愛らしく思えてくる。

    コロコロ転がす判子も面白かった。当時の職人たちは、きっとふつうに彫っているだけだと楽しくなくなってきて、だんだん凝っていったんだろう、なんかそれは今に通じるところがあるように思えた。

    王朝の栄枯盛衰とかの歴史の部分は、少し難しかった。カタカナの固有名詞の羅列に圧倒されてしまった。でも史料も少ない大昔のことなんだから、それだけを解読するまでにもきっと膨大な手間がかかっているんだろう。

    大昔のことを知りたい、私たちがどこから来たのか知りたい、という気持ちは、自分たちのことを覚えていて欲しい、という気持ちとも通じる。

    知った私たちも、いずれは消えてしまう。
    では、なぜ、なんのために歴史を知っておく必要があるのか。
    知ってしまったらそれを役立てなければいけない、と思うのが人間の性だと思う。知らないよりも、知っている人はそこから教訓を得ようとするものである。歴史そのものよりも、その事実を私は知っている、ということが大切なのかもしれない。

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著者プロフィール

小林登志子
1949年、千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業、同大学大学院修士課程修了。古代オリエント博物館非常勤研究員、立正大学文学部講師等をへて、現在、中近東文化センター評議員。日本オリエント学会奨励賞受賞。専攻・シュメル学。
主著『シュメル―人類最古の文明』(中公新書、2005)、『シュメル神話の世界』(共著、中公新書、2008)、『文明の誕生』(中公新書、2015)、『人物世界史4 東洋編』(共著、山川出版社、1995)、『古代メソポタミアの神々』(共著、集英社、2000)、『5000年前の日常―シュメル人たちの物語』(新潮選書、2007)、『楔形文字がむすぶ古代オリエント都市の旅』(日本放送出版協会、2009)ほか

「2022年 『古代オリエント全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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