経済学的思考のセンス: お金がない人を助けるには (中公新書 1824)
- 中央公論新社 (2005年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121018243
作品紹介・あらすじ
「お金がない人を助けるには、どうしたらいいのですか?」小学5年生が発したこの問いに、経済学者はどう答えるだろうか。女性が背の高い男性を好む理由からオリンピックの国別メダル獲得数まで、私たちの周りには、運や努力、能力によって生じるさまざまな格差や不平等がある。本書は、それらを解消する方法を、人々の意思決定メカニズムに踏み込んで考えることによって、経済学の本質をわかりやすく解き明かす。
感想・レビュー・書評
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「お金がない人を助けるにはどうしたら良いですか?」
運や努力や能力によって様々な格差や不平等が生じます。
小学5年生の質問が大人に深く刺さります。
僕は福祉の世界からこの問題を見ていますが経済学からの視点を示唆してくれる本です。
マリッジプレミアム
「マトモな男は絶対結婚している」
のではなく
「結婚によって男は仕事ができるようになる」
良い男は結婚しているのではなく結婚して良い男になると神学論争に決着がついたように思います(笑)
著者の調査によると
日本人の7割を超える人が
「十分な格差がないと人々は努力しない」
過半数が
「所得は各人の選択や努力によって決まる」
と考えるとのこと
日本人の支持を得るためには
「努力しているにもかかわらず運が悪い人を広く救う制度に変える」
ことが必要とのこと。
低所得者への再分配だけでは支持は得られないとのことです。
確かに生活保護制度への風当たりの強さはその裏返しなのかもしれません。
ただ運が悪かった人を見つけるのは大変なんですよねσ^_^;詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
経済学っぽくなく、読みやすい。格差とか平等についてもかかれている。
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経済学の本質は、インセンティブと因果関係を理解すること。
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お金のはなし
報酬を増やせばやる気が出るか?
年功賃金は「ねずみ講」だったのか?
小さな政府は所得格差を生じる
「本当にお金のない人」を見つける方法はどのようにすれば良いのだろう?
所得の平等か機会の均等か?
特別な目線から経済を考える本 -
経済をインセンティブと因果関係の視点から考えるきっかけになる良書。「イイ男は結婚しているのか?」や「成果主義によって生産性は向上したか?」といった身近な話題を例にその経済学的な意味を解き明かしていく。
特に後半の格差問題や年金制度に関する議論が興味深い。「こんな制度になったらいいな」という主観に終始せず、「人間はその制度のもとでどんなふうに行動するのか?」を豊富な統計データや研究結果に基づいて考えている。
まもなく衆院選、東京都知事選である。「こうなったらいいな」だけでなく、「そうなったらいったい何が起こるのか?」まで深く考えるきっかけにぜひ読んでいただきたい。 -
「イイ男は結婚している」とは本当か?」
「女性はなぜ、背の高い男性を好むのか?」
など、一見経済学とは関係なさそうな命題を明快に解析していく良書。
なるほど、経済学的思考って、こういうことなんだな。 -
良書
特に下記は参考になった
野球監督の能力推定(計量経済学)
年功序列から成果主義への転換の説明(長期的な成果主義から、より短期的な成果主義への変更)