性と暴力のアメリカ: 理念先行国家の矛盾と苦悶 (中公新書 1863)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018632

作品紹介・あらすじ

唯一の超大国として、最も進んだ科学技術を誇るアメリカ。だが、キリスト教の倫理観に縛られ、二億挺を超す銃が野放しにされるなど、「性」と「暴力」の問題については、前近代的な顔を持つ。それはなぜか-。この国の特異な成り立ちから繙き、現在、国家・世論を二分する、妊娠中絶、同性愛、異人種間結婚、銃規制、幼児虐待、環境差別、核の行使などの問題から、混迷を深めるいまのアメリカを浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • トランプ大統領に危機感を覚えていたからこそ、いつものブックオフで手に取った本だと思う。
    性と暴力は、最も理性がコントロールできない人間性であると思っていた。
    こんな本を、中学高校で読んだ人が為政者になってくればいいな。と思う…

    Mahalo

  • 暴力に対するダブル・スタンダード

    「白人女性を異人種から守る」騎士道精神

    私刑リンチの伝統と戦争、死刑

    子どもを特別視しながら、子どもを放棄する

    中絶は殺人なのに、銃で人は殺し続けても良い

    人種差別やジェンダー差別を改善しようと続けるが、銃を携帯する権利は手放さない。

    面白かった。アメリカという国の特異性を一つ知ることが出来た。もっと知りたいと思う。

  • ふむ



  • ピューリタンの植民地として始まった超大国アメリカ。
    その歴史は性と暴力が常に矛盾を孕みながらのダブルスタンダードだ。

    フロンティアを求め続け、報復による報復による報復と果てはない。ネイティブアメリカンから奪取し、南アメリカを奪取し、アフロアメリカンから奪取し、ワールドリーダーと称し他国からも奪取する。

    中絶の是非、終わりの見えない銃社会。
    自由と正義の名の下に、アメリカはどう変われるのか。

    2021年になるが、今度はアジアンヘイトがお盛んだ。

  • 超大国アメリカ。ハリウッド映画で観る華やかで開放的なアメリカとはほんの一部で、ダーウィンの進化論を学校で教える事を禁止している学校さえある。アメリカでの植民者がネイディブアメリカンを虐殺しながら領土を拡張した後、労働力としてアフリカ大陸から黒人を奴隷として使役。未だに根強い異人種間婚への偏見と差別。。。アメリカが抱えている問題の理解に役立つ本です。

  •  アメリカという国を、「性」と「暴力」というふたつの補助線を捻り合わせて斬ることで、あらたな断面を提示することに成功している。新書というフォーマットにじつにマッチしているというか、広く深ーい考察がおもしろく読める。

     たとえば、イラク戦争で、ジェシカ・リンチという英雄的な白人女性兵士を米軍が救出するというドラマが演じられた。もちろんこれは、兵士の士気を鼓舞し、銃後の支持を得るための茶番だったのだが。その原点には有色人種に白人女性が奪られるという恐怖の演出がある。
     もとよりアメリカには、白人女性に手を出した黒人を吊すという「リンチの歴史」がある。リンチが表立っては行われなくなってからも、アメリカは白人女性への「レイプ」を理由に黒人を処刑し続けてきた。レイプ犯として死刑が科せられた771件のうち、701件は黒人だった。1972年に連邦最高裁によって違憲とされるまで、黒人の死刑囚の6人に1人は、レイプを理由に死刑判決を受けていた。

     死刑容認、環境破壊容認、人種隔離、フェミニズム、同性愛差別……いろんなものが「性と暴力」で紡ぎ合わされていく。
     グローバリズムという名のアメリカナイズに迎合するでなく、かといって声高にアメリカを非難するでなく。映画や文学などの視点も交えながら、アメリカを理解するためのパースペクティブが示されていて、終始興味深く読んだ。

  • 18世紀の移民時代から現在にいたるまでの暴力の変遷、特にリンチについての論は興味深かった。性に関しては、少し論自体に引っ張られている感じが強く、納得できない部分もあった。著者の他の著作で書かれているテーマと共通のものが本作でも重要な要素となっているので、他の著作を読むと、論じられている内容が補完されてかなり理解しやすくなると思う。特定のテーマでアメリカの歴史・社会・文化を論じるというのはとても良い試みだと感じた。

  • 情コミ学課題として

  • すごくおもしろい視点からアメリカ文化史を論じているのに、文章の構成が甘すぎると思う。まずなぜアメリカは「暴力の特異国」なのか、という問いを立てているが、そもそも「特異国」の定義がない。何をもってアメリカを「特異国」とするのかも説明なし。

  • ゼミの先生おすすめの本。

    もちろんどの国もそれぞれ不思議なものですが、アメリカって成り立ちからすごくユニーク。
    「人」を強く感じる。

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著者プロフィール

慶應義塾大学法学部教授。1964年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程修了。
専門:アメリカ文化研究、現代アメリカ研究、アメリカ文学。

主要著書:
【単著】
『性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶』(中公新書、2006)、『現代アメリカを観る―映画が描く超大国の鼓動』(丸善ライブラリー、1998)
【共著】
『記憶を紡ぐアメリカ―分裂の危機を超えて』(慶應義塾大学出版会、2005)、『新・アメリカ研究入門(増補改訂版)』(成美堂、2001)、『物語のゆらめき―アメリカン・ナラティヴの意識史』(南雲堂、1998)、ほか。

「2016年 『実験国家 アメリカの履歴書 第2版 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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