「国語」の近代史―帝国日本と国語学者たち (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018755

作品紹介・あらすじ

明治維新後、日本は近代的な統一国家を目指し、ことばの地域差・階層差を解消するため「国語」を創始する。「国語」は国民統合の名の下に方言を抑圧し、帝国日本の膨張とともに植民地・占領地にも普及が図られていく。この「国語」を創り、国家の言語政策に深く関与したのが国語学者であった。仮名文字化、ローマ字化、伝統重視派、普及促進派などの論争を通し、国家とともに歩んだ「国語」と国語学者たちの戦前・戦後を追う。

感想・レビュー・書評

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  • 表題の通り、今やありきたりの「すぎない」論。ベネディクトアンダーソンやらを持ち出して「配電システム」や「装置」などの概念を利用することによって、歴史から精神を一旦抜き取り(抜き取ったように見せかけ)、相対化を図るという本格派面したチープな「お研究」。しかし月並み凡庸を恐れるため、巻末の資料はたっぷりと、という最近の研究者にありがちの一本。鮮やかな思想、切れ味鋭い書きぶりとは無縁、一昔前の修士論文レベル。

  • だからなんなんだ、と一頁目を開いてからずっと思う。
    最近の本はこれだから買う気がしない。

  • 新書文庫

  • 「羅列」という印象。

    【目次】
    はじめに [i-iv]

    序章 「国語」を話すということ 003

    第1章 国民国家日本と「国語」・国語学 035
    1.1 「書いてわかる」ことの意味 036
    1.2 「国語」のつくり方 043
    1.3 ナショナリズムとしての国語国字問題 056
    1.4 「国語」と国語学 074

    第2章 植民地と「国語」・国語学 089
    2.1 「同化」のための「国語」 090
    2.2 植民地帝国大学と国語学 100
    2.3 植民地にとっての「国語」 125

    第3章 帝国日本と「日本語」・日本語学 133
    3.1 「国語」と「日本語」のあいだ 134
    3.2 「日本語」の誕生 142
    3.3 「日本語」の普及 152
    3.4 「国語」「日本語」160
    3.5 日本語学の登場 174

    第4章 帝国崩壊と「国語」・「日本語」 191
    4.1 敗戦と「国語」 192
    4.2 批判的「国語」のあり方 211
    4.3 国語学の退場 226
    4.4 日本語学の隆盛 230

    第5章 「国語」の傷跡――大韓民国の場合 235
    5.1 「国語」で思考すること 236
    5.2 新しい「国語」の構築 245

    終章 回帰する「国語」 255

    あとがき 265

    参考・引用文献 268-278
    人物略歴 279-287
    関連年表 289-308

  • 資料用として。
    以前の大学ではテキストとして、現在は卒業研究の資料用として、大変参考になった一冊。
    この中で出されている参考文献を更に辿りたい。

    2013.10.28

  • つねづね「正しい日本語」みたいな概念に胡散臭さを感じていたので、そのへんをつっついてくれそうな本っぽかったので読んでみた。

    日本語 と 国語 とは、そもそも少し成立にいたる概念が違うようですが。
    まぁ、どちらも近代に至って政治的に作られたものであるようです。

    教育 って有り難い反面、怖いよね~。
    あたし勉強できなかったんだけど、そもそも何でこんなことせなあかんの?と感じていて、勉強にいたる動機付けを、どこからも見いだせなかったからってのがあるのだけど、ある意味、それは正常な感性であったのだな…といまになれば思いますわ。

    内容からはずれますが。


    あたしにはちょっと難しい本でしたが、興味深かったです。

  • 上記『日本語の歴史』の明治時代以降の内容をさらに詳しくしたものであるが、こちらの方は「国語学」という学問の歴史を丁寧に追っている。国語学が比較言語学から始まったことすら知らなかったおれにはとても勉強になる1冊だった。特に植民地における状況や、「国語学」と「日本語学」の複雑な係わり合いに興味を持った。また、特に終章の「回帰する『国語』」では、昨今の日本語ブームや小学校英語教育導入における一連の議論で登場する国語に対しても言及がある。

  • 鍛国研メンバーは近代「国語」事典として必携の一冊だろう。

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著者プロフィール

現在 一橋大学大学院言語社会研究科教員。
[著書]
『植民地のなかの「国語学」』(三元社)、『帝国日本の言語編制』(世織書房、以上1997年)、『「言語」の構築』(三元社)、『〈国語〉と〈方言〉のあいだ』(人文書院、以上1999年)、『近代日本言語史再考』(2000年)、『国文学の時空』(2002年)、『脱「日本語」への視座』(2003年)、『日本語学は科学か』(以上、三元社、2004年)、『辞書の政治学―ことばの規範とはなにか』(平凡社)、『統合原理としての国語』(三元社)、『「国語」の近代史』(中公新書、以上2006年)、『国語審議会』(講談社現代新書、2007年)、『金田一京助と日本語の近代』(平凡社新書、2008年)、『「多言語社会」という幻想』(三元社)、『かれらの日本語』(人文書院、以上2011年)、『日本語学のまなざし』(三元社、2012年)、『漢字廃止の思想史』(平凡社、2016年)『近代日本言語史再考Ⅴ』(三元社)、『大槻文彦『言海』』(慶応義塾大学出版会、以上2018年)、『「国語」ってなんだろう』(清水書院、2020年)

「2021年 『「てにはドイツ語」という問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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