感染症―広がり方と防ぎ方 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018779

作品紹介・あらすじ

人や物の移動が絶えない今日、病原体は国境を越え広汎に伝播する可能性が高まった。しかし危険な感染症すべてが世界中に広まるわけではない。本書では、伝染病との闘いの歴史、病原体の種類や性質、伝播の基礎知識から、私たちがこれから気をつけるべき感染症までを取り上げ、感染症の過去、現在、未来を浮き彫りにする。新型インフルエンザや、将来起こりうる感染症を「死に至る病」としない実践的知恵を身につけよう。

感想・レビュー・書評

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  • (特集:「感染症」)
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  • 493.8||In

  • 第1章 病原体の伝播経路を知る
    第2章 清潔化の歴史
    第3章 清潔社会で起こる感染症
    第4章 世界のなかの感染症
    第5章 新型インフルエンザ
    第6章 エイズ/性感染症

    著者:井上栄(1940-、山梨県、医学)

  • 105円購入2011-10-30

  • 感染症について、感染メカニズムから歴史、社会的対策などなど幅広く解説している。「おわりに」に著者の考えの簡潔なまとめがある。<blockquote>危険な感染症とそうでないものとを分け、前者は徹底して予防する。そうでないありふれた感染症は、体の免疫力をつけアレルギーを防ぐ役割もしているので排除しない。ワクチンは積極的に受けておく、</blockquote>

    SARSは当初、呼吸器に局所感染するのかと思われていたが、実は腸管でも増えていることが分かり、全身感染症だと考えられている。香港の団地内での大量感染も、下痢飛沫が換気扇で吸い上げられたためと推定されている。

    埃:乾燥物、1メートル以上飛んで空気伝播する。乾燥に強い菌やウイルスは乗っかっていく。

    飛沫:1メートル以内に床に落ちる。ウイルスは床に吸着して舞い上がらない(菌は乾燥してから舞い上がることも)。ただし、飛沫より大きい唾液・吐物・糞便だとウイルスも床に接せず舞い上がる。

    飛沫核:飛沫が乾燥した5ミクロン以下の埃。遠くまで飛んで吸い込むと肺胞に達する。しかし逆に鼻腔や咽頭でしか繁殖しないウイルスだとセーフ。

    ジョン・スノーによるヴィクトリア朝ロンドンのコレラ疫学調査(なにか本が出ていたような)。下水道が菌の感染ルートになっていた。江戸は汲み取りだったので大丈夫だった。杉桶のおかげらしい。水系の問題は塩素消毒により概ね解決。しかしノロはヒトを出て川を下ってカキに伝播しているようだ。

    <清潔社会でのワクチンの役割>
    例えば米国では幼少時のワクチン接種により麻疹がほぼなくなる。すると、実はそれまでは野生株への軽い感染によるブースター効果で免疫が保たれていたので、それがなくなって外からのウイルス侵入に弱くなる。対策は2回接種。

    風疹(ギリシャの悲劇)・・・中途半端にワクチン接種して、免疫を持たない人を多く作り出して、後の大流行を招いた。目的意識と戦略が大事。社会単位で考える。長期視点。

    <疫学調査>
    国立感染症研究所、感染症情報センターが担当するがまだ体制貧弱。国の予算で研修生を増やしたい。アジアへの支援も。

    <世界の感染症>
    ・西ナイルウイルスを保有する蚊が日本に入らないよう警戒中。
    ・現在の日本人はA型肝炎の免疫がない(昔は子供のときに自然感染)。海外に行く時は予防接種を。
    ・新興感染症などよく分からないものも。BSEのケースからいっても予防原則が大事。

    <インフルエンザ>
    鳥インフルエンザH5N1・・・全身感染、重症化
    スペイン風邪・・・局部感染だが、ふつうのインフルエンザと違って肺胞でも増殖することが判明した。飛沫核で感染できるので感染力up。
    飛沫の飛び散りを低減させるマスク(薄いのでOK)がもっとも安上がりな対策。

    <性感染症>
    流動性の高い社会で広まる。近代工業化社会では、梅毒防止のために女性の性欲が抑圧されていたというのが著者の仮説。逆に、その必要性がなくて性が開放的であったアフリカはHIVでドツボに。アフリカの性習俗も、そのうち変化するだろうと。・・・近代から現代にかけての日本にも当てはまる?

    コンドームv.s.ピル。日本は世界でも珍しいコンドーム文化の国。この素晴らしい伝統を守らねば。

  • 2階書架 : WC100/INO : 3410161124

  • 2006年刊行。著者は大妻女子大学教授で、元国立感染症情報センター長の経歴を持つ。◆本書のテーマは、感染病原体の感染経路。清潔化の歴史、特に、水洗トイレ、下水処理と塩素消毒の開発過程。そして、現代の清潔(些か過剰とも見える)社会内の感染症。新型インフルエンザ、エイズ等の性感染症の実態について、広範に解説する。

  • 新書文庫

  • S493.8-チユ-1877 000478297

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著者プロフィール

1940年山梨県生まれ. 東京大学医学部卒業, 同大学院博士課程修了. 国立予防衛生研究所研究員, 国立公衆衛生院衛生微生物学部長, 国立予防衛生研究所感染症疫学部長, 国立感染症研究所感染症情報センター長を経て, 2001-12年大妻女子大学家政学部教授. 国立感染症研究所名誉所員. 大妻女子大学名誉教授.著書 『文明とアレルギー病――杉花粉症と日本人』(講談社, 1992年)『感染症の時代』(講談社現代新書, 2000年)『母子手帳から始める若い女性の健康学』(大修館書店, 2012年)訳書 E・ノルビー『ノーベル賞の真実――いま明かされる選考の裏面史』(東京化学同人, 2018年)P・ヴィンテン=ヨハンセンほか『コレラ、クロロホルム、医の科学――近代疫学の創始者ジョン・スノウ』(メディカル・サイエンス・インターナショナル,2019年)

「2020年 『感染症 増補版 広がり方と防ぎ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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