ル・コルビュジエを見る 20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書)
- 中央公論新社 (2007年8月25日発売)
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感想 : 21件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784121019097
みんなの感想まとめ
建築家ル・コルビュジエの作品の変遷を通じて、彼の美と機能、さらにはその背後にあるメッセージを深く理解できる一冊です。漠然とした知識から始まった読者は、サヴォア邸やロンシャン教会堂など、彼の代表作を通じ...
感想・レビュー・書評
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コルビュジエの作品の変遷がつかめて興味深く読むことができた。
美と機能とそれらを超越したメッセージと。すべてが直線的に発展したわけではなく、壁にぶち当たりまた変化している。彼の生き様を示しているのかもしれない。
それらを日本の建築家も受け継ぎつつ発展させてきた歴史も触れている。上野の国立西洋美術館をまた見たくなったし、あれが当初の構想のようになっていたら上野公園はさらに豊かな空間になっていたのだろうと夢想するのも楽しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漠然としかル・コルビュジエを知らなかったので、読み始めた。
ル・コルビュジエと言えば、白い箱が浮いたようなサヴォア邸と、上野の国立西洋美術館くらいしかわかっていなかったが、作品や、作風などを本から詳細に知ることができた。
建築様式が変化していった建築家であったことを初めて知ったが、連続する窓、壁を支えとしないデザイン、内側に入った柱などが特徴となったサヴォア邸、そして有機的な姿のロンシャン教会堂など、その様式が変化している中にも共通点や狙いの変化があり、興味深かった。
個人的に印象に残ったのは、戦争の瓦礫を壁面に使用していたロンシャン教会堂の解説をはじめ、多くあるが、
空間を最大限に使用したマルセイユのユニテは、人数に応じた部屋、最小限になっている廊下や階など、なぜそれが現在まで定着せずにそのような建物が見られないのかを理解できないほどのコンセプトだと感じた。
また、デザインの敗北という言葉が昨今の建築で見られるが、サヴォア邸は、あの特徴的な外観でありながら、壁の内側は従来のブロック積みなど、当時の建設技術が用いられたため、雨漏りや腐食のスピードが早く、住むという点から見ると未熟な建物であったことは、非常に残念な事実だった。
後のラ・トゥーレット修道院では、限られた予算で省けるものを省いて空間配分がされ、用途に合った質の高い建築を生み出せる例とも言える事実が、建築の本質でもあるのではないかと感じた。
日本の建築家にも大きな影響を与えており、その影響を受けた建築家の作品や作風、共通点まで丁寧に解説されていたのも印象的であった。 -
大まかな思想・作品の流れについて解説
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赤Bシール
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軽やかな直方体のサヴォア邸、造形的な闇と光のかたまりのロンシャン教会堂を軸にルコルビュジェを見る。
日本とサブォア的なものの掛け算で解いた坂倉
日本にはない原理からの発想で解いた前川
日本の伝統からは程遠い造形の魅力で解いた吉阪
その後、丹下、磯崎と主流が流れる。 -
2019年2月④
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はじめてル・コルビュジエについて知るにはとても良い。彼の作品を通じて、建築に対する取り組みの変化を表そうとしている。個人的には、「ユニテ」がとても興味深い名作だと感じた。
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建築に関しては完全な素人だったのでル・コルビュジエについても最近知ったばかりなのだが、本書によってその足跡を知ることができた。サヴォワ邸とロンシャン教会堂という二つの傑作を軸にその前後における作風の変化を辿りながら、3人の弟子を持ち近・現代建築の歴史において主要な軸となっている日本との関係性についても触れている。幾何学を活かした建築だけでなく、都市計画としての視点を持ち得ることでその作風を推し進め、一つの潮流を生み出していったという解説には納得。中公新書はやはり専門分野への入門書としては最適。
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おもしろい。
建築家の思想と、その表現である建築物。
人の思想が連続して途切れることがないように、ひとりの建築家が長年に渡って設計してきた建築物が見た目には全く変わってしまったように見えても、連続した思想下の体現である事を考えれば、実は変わっていない。あたり前の事であるが、目に見えるものだけを見て入ると、言われなければ気付かないことである。 -
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分かりやすいコルビュジエ入門書。
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建築って分からんなぁと思って、知っている建物ばかり写真が載っていたので、この本を読んでみる。ロンシャン教会堂に行って内部の光と闇を見てみたい。
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副題からわかるように,Le Corbusier のファンブックのようなもの.死んでから結構経ってるからこのように奇麗に纏められるけど,存命時の資料を辿って読んで行くと,この巨匠,けっこう振れ幅が大きくて世界中の建築評論の世界を振り回してたということがよくわかる.私のように建築稼業が長ければ,あまり騙されない耐性が出来ているからよいが,若い人が読めばさぞ血を沸かすに違いない.
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初めて新書を読んで感動しました。よくあるコルビュジエをある種神格化した解説ではなく、具体的なプロジェクトの話から彼の軌跡を追うことができました。コルビュジエが本当にしたかった建築を表現するには人間の一生はあまりに短すぎたのでしょうか。
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コルビュジュエってすっげえよな。
ってのはよく聞くけども、なんですげえのかはよくわかんなかった。
自分で彼の作品の模型をつくって、そしてこの本を読んだらそのすごさの一端をつかめたんじゃないかと思う。
白の時代から、ロンシャンの教会へ。
まるでコルビュジエの中には最高峰の建築家が2人眠っているみたいだと思った。というかそういう記述があったんだけどもそれを強く感じた。 -
まだ使ってはいるが…
ル・コルビュジエの芸術史を簡潔に、かつ一つの大きな流れとして読める、新書らしい概説書である。一年ほど前に森美術館で「ル・コルビュジエ」展をやっていたが、この本を読んでいればもっと楽しめたのではないか、と思う。
残念だったのは、モデュロールについてあまり触れていなかったことであるが、ル・コルビュジエの五原則については以前より理解が深まったように思う。
ル・コルビュジエについて少し知りたい場合に、大変重宝する図書のように思う。 -
彼の建築を眺めているうちに日本の伝統的な建造物(正倉院、清水寺)との類似性を強く感じた。その点で、ル・コルビュジエと日本の関係は濃く、不思議な魅力をまとっている。
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アートとしての建築が注目されていることもあり、建築の入門書というのはちらほら見かけるが、いずれも用語などが日常的でなく難解であり、かつ体系的知識を習得できるものは少ない。著名な五十嵐太郎氏や飯島洋一氏の著書にもそのような傾向が見受けられる。こうした傾向が全くないとはいえないが、越後島研一氏の著書は他の入門書に比べればまだ親しみやすく推奨できる。『現代建築の冒険』は1930年代以降の日本の建築の歩みをその形態面に注目しつつ解説したもので、形態の変化を通して主要な建築家の軌跡を知ることができ、興味深い。個人的にこの本の内容は、『現代建築の冒険』に引き続き期待を裏切らないものであった。
この『ル・コルビュジェを見る』は、幅広い傾向の作品を遺したル・コルビュジェ(1887〜1965)の軌跡を追いつつ、建築を考える際の基本事項である「建築形態とは何か」「空間とは何か」といった事柄、また日本の建築家に与えた影響について解説したものである。
20世紀最高の建築家ともいわれるル・コルビュジェの偉業は初期の「サヴォワ邸」(1931)と後期の「ロンシャン教会堂」(1955)に集約される。この二つは大きく傾向が異なるが、このように傾向の異なる作品を生み出し、かつ「世紀の名作」とした点に彼の偉大さがあるという。ではなぜ二つながら「世紀の名作」となったのか、これはサヴォワ邸の発表直後に作風を転換したためだという。
全体はこの前書きの主張にしたがって、時系列に沿ってル・コルビュジェの作品群を写真と文章で眺めていくというスタイルである(巻頭に重要作品のカラー写真あり)。手頃で廉価なガイドブックとなっており、写真中心のガイドブックでは得ることが難しい各作品の意義についても知ることができる。ただ、情報量が多いためここでは逐一その内容を紹介することはできない。
第一章では1920年代を通じての「白い箱型」という幾何学的な新しい建築形態の追求からサヴォワ邸に至るまでの過程を扱っている。振り返って見るならば、サヴォワ邸の成立は決して天才的な飛躍の産物ではないという。
第二章は雨漏り、均質な空間の追求による用途の制限というサヴォワ邸の持っていた問題の解決から作風の転換に至った経緯について触れている。サヴォワ邸という創作上のピークは、同時に「白い箱型」の行き詰まりの始まりでもあった。ル・コルビュジェは作風の転換を不自然で突然変異的なものではなく、それまで積み重ねてきたものを基盤として行った。天才の創造力の中身はひらめきからは程遠い、具体的な試みの積み重ねであるという主張がここでも繰り返される。
第三章は晩年の名作について。ル・コルビュジェが最初期から一貫して保ち続けてきた特徴の上に1950年代以降の多彩な作品群があると述べている。扱われる代表作は大きく分けて三つである。まずL字と逆L字というリズムを持つ集合住宅の名作マルセーユのユニテ(1952)、次いで荒々しく強力な造形効果が彼の作品随一ともいえるインドのチャンディガール議事堂(1962)、そして抽象彫刻的でサヴォワ邸とは一見正反対ともいえるロンシャンの教会堂(1955)である。
第四章は日本への影響について。「ル・コルビュジェからの影響」が日本の近・現代建築を貫く一本の軸であることに触れ、日本の近代文化の特徴を具体的に考える糸口となることを確認する。個人的にたいへん興味深い章であるが、例により情報量が多いためその詳細は割愛する。より最近の作品がとりあげられていることもあり、同氏の『現代建築の冒険』を読む前にこの章を読んで日本の現代建築の流れを概観しておくとより理解が深まるかもしれない。
最初にも述べたことであるが、建築形態や空間について説明した文章は建築の門外漢にとっては決して理解しやすいとはいえない。一読しただけて意味を読み取るのは容易ではない。とはいえ文章は悪文ではない。手元に置き、何度も読み返す価値のある一冊といえるだろう。 -
森美術館のル・コルビュジエ展を見に行ったので,読んでみた.
作品を色々見れて,再び建築物に興味が出てきたが,実は住居としては雨漏り等の重大な欠陥が多いということを知り,意匠が建築界においては重要なんだと再認識してしまった -
9/10
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