ホロコ-スト: ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書 1943)
- 中央公論新社 (2008年4月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121019431
感想・レビュー・書評
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あとがきにあるとおり、ホロコーストについて、ヒトラーが大量殺戮をアウシュビッツで行うよう命令し、実行されたという直線的なものではないことを理解することができた。
繰り返し出てくる最終解決という言葉が、追放から隔離、そして殺戮へと変遷していく過程を知るとより恐ろしく感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は、ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺、いわゆるホロコースト(ショア)に至る過程とその内容、研究を概括した本である。
当初はユダヤ人を「追放」するはずだったナチスがなぜ「虐殺」を行ったのか、政策的転換点となったであろう出来事(ヴァンゼー会議など)を取り扱っているため、通読することでそうした「なぜ」を解消することができる。
ホロコーストは全体として親衛隊や行動部隊が実行したという印象があり、それは正しい解釈であるが、リトアニアの現地の人がユダヤ人に対する暴力に加担していたこと、更に真偽は定かではないがドイツ東部に住んでいたドイツ人はユダヤ人の虐殺が行われていることを薄々気づいていたものの、見て見ぬふりをしていたことを知って悲しい気持ちになった。 -
この分野ではたぶんかなり安心して紹介できる入門書
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ホロコースト=ユダヤ人大虐殺だと思っていたが障害者や反逆者など、ユダヤ人以外も犠牲になっていたことが分かった。都合の悪い歴史を葬り去るのではなくきちんと向き合っているドイツを日本も見習わないといけない。
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歴史
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「集団が集団であるために閉ざされた倫理観を持ってそれを維持するために反社会的な行動をする例」として.カルトについて知りたいと思っていたときに教えてもらった1冊.もちろん内容はそれだけではないのだけれども..
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余計な感情抜きに、ホロコーストの全体像を把握できる。細かい情報も軽く入ってるので、ここからもっと詳しく知りたいと思えるようになってる。
絶滅収容所と強制収容所の違いなど、結構知らなかったことがたくさんあった。
映画で主に取り上げられるドイツやポーランドの当時の状況ぐらいしか知らなかったけど、他のドイツ領となったところの状況ももっと詳しく知りたいと思った。 -
占領地拡大に伴い爆発的に増加するユダヤ人について、移送、ゲットー囲込み、労働での斃殺、行動部隊による処刑、更に絶滅収容所での虐殺へと変遷する「最終解決」政策史を概観。ベーレンバウムとの併読が望ましい。
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ヒトラー政権によるユダヤ人政策の推移を解説する。
紆余曲折が順を追って解説される他、
ゲットーの仕組みや生活ぶりが興味深かった。
終章であるホロコーストと歴史学では
ホロコーストをどのように捉えるべきか
研究された成果を紹介しており、
より深く学んでみたいと思わされる。