パリとセーヌ川: 橋と水辺の物語 (中公新書 1947)

著者 :
  • 中央公論新社
3.70
  • (2)
  • (3)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019479

作品紹介・あらすじ

ブルゴーニュ地方の山中に源を発し、ル・アーヴル近くで英仏海峡に注ぐ。全長七七六キロに及ぶ堂々たる大河、セーヌ川。パリ市の紋章には、「たゆたえども沈まず」とあり、パリとこの川の浅からぬ縁を証言している。昔日のガイドブック、文学作品などの歴史的証言の数々を繙いて、この都市の錯綜したイメージを読み解いてゆこう。著者とともに、河岸を散策し、船に乗り、橋に佇めば、見知らぬパリの相貌に出会えるだろう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • プロローグ
    パリの風景。首都を連想させる絵や写真がたくさんあった。

    川を通過する
    セーヌ川に限らず、ロワール川、ローヌ川、ガロンヌ川など、フランス国内を流れる大河は、歴史的に見ていずれも交通・運輸の主要な動脈を形成していた。

    上セーヌ川で首都にもたらされるのが、穀物、小麦、ブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方のワイン、干し草、羊毛、リンゴ酒、バター、亜麻、松脂、タール、食料品、薬品、布製品、植民地産の食料などであることが知らされた。

    船の旅は、鉄道や馬車と比べて、乗り物の中でより広い空間を提供し、したがって、そこでの旅行家たちの移動や接触を容易にする。

    運河に生きる
    パリの運河はフランス全土に広がる運河網の一部であり、経済・産業活動の重要な拠点であった。

  • 運河を地下化して陸上を統一的に

  • [ 内容 ]
    ブルゴーニュ地方の山中に源を発し、ル・アーヴル近くで英仏海峡に注ぐ。
    全長七七六キロに及ぶ堂々たる大河、セーヌ川。
    パリ市の紋章には、「たゆたえども沈まず」とあり、パリとこの川の浅からぬ縁を証言している。
    昔日のガイドブック、文学作品などの歴史的証言の数々を繙いて、この都市の錯綜したイメージを読み解いてゆこう。
    著者とともに、河岸を散策し、船に乗り、橋に佇めば、見知らぬパリの相貌に出会えるだろう。

    [ 目次 ]
    第1章 川を通過する
    第2章 運河に生きる
    第3章 川を楽しむ
    第4章 川を描く
    第5章 川に死す
    第6章 橋を架ける

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • パリはのろわれている街であるとゾラは書いた。
    川よりも海がはるかに深い。しかし海の深みが海洋生物によって繰り広げられる幻想的な風景を起草させることはあるにしても、川の深みにはない。川の深みは常に暗い闇に沈んでいるだけなのだ。
    パリでは川に流れる死体も見世物だったのだ。

  • 【08.7.27/図書館】
    小倉さん著作本だから、私の知りたいところど真ん中だろうとは思ってたけど、ど真ん中だった。
    面白かった。
    も1回読みたかったけどとりあえず返却した。買おうっと。

  • 文明が川とともにあるように、都市には必ず川がある。すべての都市は水利が必要なのだから当然なのだ。
    その上でパリという極めて魅力的な街を川から描くという素敵な思いつきが今までなかったことにこの本を読んだ今となっては驚く。実際、パリに行って、セーヌ川を橋の上や歩道からぼーっと眺めたことのない人はいないだろう。
    面白いのはこの本の章立て。同じ主題が何度も出てしまう歴史順ではないのだけれど、さりげなく時代を今に向かわせつつ、より人生に密着した内容に持ち込んでいる。これは見事だと思う。
    多分、著者は今、あーあそこもうちょっと変えておきたかったなーと色々な部分を反省しているんだと思う。しかし、充分に深みに達しつつ、これは新書として成立している。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1956年生まれ。東京大学大学院博士課程中退、パリ・ソルボンヌ大学文学博士。現在、慶應義塾大学教授。専門は近代フランスの文学と文化史。著書に『ゾラと近代フランス』『革命と反動の図像学』(以上、白水社)、『写真家ナダール』『愛の情景』『身体の文化史』(以上、中央公論新社)、『犯罪者の自伝を読む』(平凡社新書)、『パリとセーヌ川』(中公新書)、『近代フランスの誘惑』(慶應義塾大学出版会)、『「感情教育」歴史・パリ・恋愛』(みすず書房)、『歴史と表象』(新曜社)など、編著に『世界文学へのいざない』(新曜社)、訳書にユルスナール『北の古文書』(白水社)、アラン・コルバン監修『身体の歴史 II』(監訳、藤原書店)、フローベール『紋切型辞典』(岩波文庫)、ルジュンヌ『フランスの自伝』(法政大学出版局)など多数。

「2021年 『歴史をどう語るか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小倉孝誠の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×