毒と薬の世界史: ソクラテス、錬金術、ド-ピング (中公新書 1974)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 399
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019745

作品紹介・あらすじ

毒にしても薬にしても、人類との関わりは、きわめて長く深い。古くから人類は毒を避け、効能のある物質は活用してきた。そして、それらを合成することが可能になってからは、良きにつけ悪しきにつけ、その使用法は無限に拡大している。しかし、実は、同じものが毒にもなれば薬にもなる。本書は、ソクラテスの飲まされた毒から、錬金術、ドーピングにいたるまで、古今東西の毒や薬をめぐる秘話・逸話を紹介するものである。

感想・レビュー・書評

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  • ふと手に取った本だが、こんなに雑学に満ちた面白い本は初めてだ。本がメモと線だらけになってしまった。表裏一体である薬と毒。その歴史を原始~現代まで見た通史。アスベストなど最近になって人間に毒であることが分かったものも数多く、最後は少し怖くなってしまった。また、副作用が転じて正規の作用として治療に使われるようになったものもあり、まさに薬と毒の表裏一体性を感じた。色々な話の小ネタがいっぱいつまった良書。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「まさに薬と毒の表裏一体性を」
      生きるために、色々なモノを試して食べたのとはチョッと違うかもしれませんが、「薬」のルーツって「毒」なんじゃな...
      「まさに薬と毒の表裏一体性を」
      生きるために、色々なモノを試して食べたのとはチョッと違うかもしれませんが、「薬」のルーツって「毒」なんじゃないかと思ったコトがあります(魔女が「薬」を作るは「毒」の副産物?)、、、とウダウダ考えずに読んでみようっと。。。
      2013/01/28
  • [ 内容 ]
    毒にしても薬にしても、人類との関わりは、きわめて長く深い。
    古くから人類は毒を避け、効能のある物質は活用してきた。
    そして、それらを合成することが可能になってからは、良きにつけ悪しきにつけ、その使用法は無限に拡大している。
    しかし、実は、同じものが毒にもなれば薬にもなる。
    本書は、ソクラテスの飲まされた毒から、錬金術、ドーピングにいたるまで、古今東西の毒や薬をめぐる秘話・逸話を紹介するものである。

    [ 目次 ]
    第1章 古代の毒と薬(地球と毒・薬の誕生;古代エジプト・ギリシャ・ローマにおける毒と薬;古代インド・中国における毒と薬;古代日本における毒と薬)
    第2章 中世の毒と薬(魔女と毒草;大航海時代の毒と薬;ルネサンス・錬金術・科学と化学の曙 ほか)
    第3章 近世の毒と薬(『本草綱目』と本草学の発展および南蛮医学の導入;近代医学・薬学黎明期における毒や薬にまつわる発見・事件;近代有機化学への出発)
    第4章 近代の毒と薬(病原微生物学の誕生と発展;近代薬学および有機化学の誕生と発展;種々の疾病に対抗する療法の黎明)
    第5章 現代の毒と薬(抗生物質の再発見と発展;精神を左右する毒と薬;科学の発展と毒と薬;公害と薬害、毒や薬による犯罪)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 日本・海外問わず様々な毒と薬の成り立ちなどが分かる本。薬は使う量により毒にもなるが、人間がそれを理解してきたのはかなり最近の話。様々な知識の積み重ねで病気に勝てるようになってきた経緯がわかる。
    副題の「ソクラテス、錬金術、ドーピング」と書いてあるが、読んでみるとそこに特化したわけではない。参考文献のりすとだけで12ページもあるくらい様々な事項が載っている通史といえる。
    本編に入る前の5〜6Pの「地球の誕生から現在を1日に置き換えると人類誕生は12月31日の午後2時」という部分がかなり納得した。

  • 毒と薬の歴史が広く書かれた本。
    入門書として最適でした。

    動植物の毒に対して、
    生物が意図的に外敵に対抗するために工夫あるいは努力して毒を持つようになるということはありえない。すなわち、ありとあらゆる種々雑多な生物があらわれたなかで、たまたま毒と称されるものを持った生物が生き残ったと考えるべきであろう。
    との考えが参考になりました。

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  • まさに薬毒同源。
    薬の発展は毒の発展であり、薬との戦いもまた毒との戦いである。
    内容はどちらかといえば薬寄りがメインになるかなと。近代に入って単離がうまくできるようになってからの発展は目まぐるしいものだ。

    薬は古くから、成分がわからないまま、一部は不確実なものが使われてきた。でも毒は必ず毒として使われてきている。その点が面白いという個人的な感想。

  • サイエンス
    社会

  • 324円購入2014-01-05

  •  古代から現在までの「薬」「毒」と人類のかかわりを網羅的に整理している。雑学的なエピソードがてんこ盛りで情報量の多い著作だが、それだけでなく、医薬開発の負の側面(戦争犯罪、非道な人体実験、公害、依存症など)に対する問題意識が明確で、特に日本における薬害の多さや医薬分業の遅れ(薬剤師の地位の低さ)に対する批判は手厳しい。ともすれば「(薬剤師からではなく)医師から薬をもらう」という意識を持ちがちな我々の姿勢に反省を促している。

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著者プロフィール

日本薬科大学教授,薬学博士,薬剤師。
1951年生まれ。東北大学薬学部卒業,東北大学大学院薬学研究科博士課程修了。天然物化学専攻。米国イリノイ大学薬学部博士研究員,北里研究所室長補佐,東北大学薬学部専任講師,青森大学工学部教授などを経て現職。日本薬史学会常任理事。著書は,『アルカロイド』(共立出版),『アミノ酸』(東京電機大学出版局),『毒と薬の科学』(朝倉書店),『毒と薬の世界史』(中央公論新社),『〈麻薬〉のすべて』(講談社),『カラー図解 毒の科学』(ナツメ社),『民間薬の科学』(SBサイエンス・アイ新書),『毒! 生と死を惑乱』(さくら舎)など多数。

「2017年 『毒と薬の文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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