日本人の生命観―神、恋、倫理 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 34
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019790

作品紹介・あらすじ

「神からの授かりもの」「輪廻転生」「物質の集まり」-生命の見方は多様だ。日本人は生命をどのように捉えてきたのか。本書は、宗教、哲学、文学、自然科学と多彩な分野からこの疑問にアプローチする。神々が身近だった記紀万葉の昔から、生命科学が著しい発展を遂げた現代まで、生命観の形成と変遷をそれぞれの時代相とともに描きだす。日本に脈々と流れる「生命本位の思想」の可能性と危険性も浮かび上がってくる。

感想・レビュー・書評

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  • 古代から現代に至るまでの日本思想史のなかから、日本人の生命観にまつわる事例を数多く紹介している本です。

    古代から近世までを扱った章では、あまり立ち入った考察は展開されておらず、いくつかの事例を通して、日本人の生命観の諸相を概観する内容になっています。著者の専門である近代以降は、さすがに議論が濃密で読みごたえがあります。

  • 第1週 1/11(水)~1/18(火)
    テーマ「日本・日本人・日本語」


    ↓貸出状況確認はこちら↓
    http://yamato.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?bibid=BB00171823&maxcnt=1000&listcnt=50

  • 日本人の「いのち」をめぐる見方、生命観史を、新書にしては多くの資料に当たってまとめたもの。

    前近代については言語学的なアプローチや宗教史観という趣で、生命観の歴史をなぞるという意味では統一感が少々あやふやで追いにくい。
    しかし、書の中盤から始まる明治維新以降の近代日本の生命観史については、文学作品などから大量の文献を引いてきて、工業化を通して、また戦前戦後を通して、日本において「いのち」がどのように考えられ、価値付けられ、扱われてきたか、独自の鋭い考察が繰り広げられる。これは非常に面白いし、今日の生命観がどのよう文脈で形作られ、われわれが無意識のうちにそれをどう捉えているか、社会の価値観としてはどう扱われているか、これを概観することができる。

    これを読んで、われわれのいのちの価値、その意義、ありかたというものをもう一度問い直そう。そこに問題があるのか。あるとしたら何が問題なのか。明日も生きるであろうわれわれが、その明日をよりよく生きるために、われわれを保証するいのちにどのように向き合うべきか。それが問われている。

  • 『日本人の生命観―神、恋、倫理』(鈴木貞美、2008年、中公新書)

    本書は、『古事記』『日本書紀』の時代から現代まで、それぞれの時代区分の作家や文学から、「日本人の生命観」がどのようにつくられていったのかを解説しようとしています。

    ただ、それぞれの時代の背景や歴史的出来事、それらが反映された文学を詳細に追っている点は非常に勉強になるのですが、「それが現代にどのようにつながっているのか、現代の日本人の生命観にどのような影響を与えたのか」という点が終始ふれられていないのが残念でした。

    (2010年2月12日)

  • 「命」や「生」について、古事記や平安時代の読み物、はては現代の文学と全歴史からその生命観を考察しています。
    後半、テーマが「命」というよりかは「生き方」についての記述が目立ったため、少し生命観という命題にずれ、ないしはブレを感じました。
    しかし、これまで文学史としてしか聞くことのなかった作品から日本人的生命観を見ることができましたのでこれはこれで面白いかと思いました。

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