書く-言葉・文字・書 (中公新書 2020)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121020208

作品紹介・あらすじ

筆先が紙に触れ、書ができていく。そこに書かれているのは、言葉であり、文字である。文字は単に点と線からなる図形ではなく、筆と紙の接点に生じる力-筆蝕-のダイナミックな現れなのだ。書は、できあがったかたちではなく、その過程を鑑賞する芸術ともいえる。一点、一画が部首を生み出し、文字をつくり、文へと展開する文学なのである。言葉と文字と書の関係を追究し、書の底知れない深みに迫るスリリングな書論・文化論。

感想・レビュー・書評

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  • 我々が物語に感動するのはストーリーや構成よりも、文体や語り口によるところが大きいのだろう。

    http://sessendo.blogspot.jp/2012/11/blog-post_1370.html

  • [初版]2009年9月25日

  • 図書館がおくる、「クラブ・サークル向けおすすめ図書」

    クラブ・サークル名 書道クラブ

    請求記号:C-2020 中公新書
    所蔵館 2号館図書館

  • 「とめはねっ」を読んで書道に興味を持ったので、マンガの中でも引用されていた石川九揚の本を読んでみた。筆者をして「筆蝕」理論の到達点と言わしむるだけあって、楷書の成立を通して「書は筆による刻である」と喝破している点は興味深いが、ところどころに見受けられる現代文化に対する批判的な言は蛇足。現代の「妙に自己表現とやらを重視する」書道ブーム(?)が、書に対する裾野を広げていることは事実なのだから、素直にその利点に目を向ければいいのにと思う。

  • 表現力というか言葉の選び方が個性的だと感じた一冊。石川九楊さんは初めて読んでみた。

    ----
    書は芸術である。絵画ではない。
    正確には書は書である。
    既存の分野で考えるならば、書は文学である。
    裏側から見た文学である。
    ----

    うぬ。ここだけ読むとちょっと意味がわからない。

    ・筆蝕と呼ぶ力と感覚の芸術、
    ・プロセスに重きを置く表現である
    というのは納得できた。

    「書の楽しさは筆蝕上の快感」

    そうそう。書いた作品云々を語るより、書いてるその時間が楽しいんだよね。

    快感。

    今度、書の面白さって聞かれたら、
    筆蝕上の快感!ってさらっと答えてみよう、っと。

  • 読了。自分の中の価値観とは合わず面白くなかった。

  • [ 内容 ]
    筆先が紙に触れ、書ができていく。
    そこに書かれているのは、言葉であり、文字である。
    文字は単に点と線からなる図形ではなく、筆と紙の接点に生じる力―筆蝕―のダイナミックな現れなのだ。
    書は、できあがったかたちではなく、その過程を鑑賞する芸術ともいえる。
    一点、一画が部首を生み出し、文字をつくり、文へと展開する文学なのである。
    言葉と文字と書の関係を追究し、書の底知れない深みに迫るスリリングな書論・文化論。

    [ 目次 ]
    「書」はどう見ればよいか
    「書」とは書くことである
    「筆蝕」が生み出すもの
    「筆」とは何をするものか
    「触」の意味するもの
    「蝕」の可能性
    「触」と「蝕」はどうつながっているのか
    点画の根源と拡がり
    点画はこう結合している
    「部首」の形と意味
    「文字」から「文学」へ
    書は文学である

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 字は人なり。今まで雑に考えていた。エロティックな字体だなぁと感じるセンス、とっても大切。眼耳鼻舌身意は受動センサーで、最近丁寧に感じながら生活しようと思ったけど、一方、字は簡単に誰でも出来る自己能動表現。つまり、インもアウトも丁寧に生きていこう、と感じた。

  • ・表は裏であり、裏は表である
    ・一点一画を、造形的に太いとか細いとかではなく、書き進んでいく触覚として感じ取る
    ・太いことは深いことの象徴
    ・起筆は接触、出会いであり、送筆は摩擦。触れあい、そして終筆は離脱、わかれである

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著者プロフィール

書家。京都精華大学客員教授。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。1990年『書の終焉 近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞、2004年『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、同年日本文化デザイン賞、2009年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞。2017年東京上野の森美術館にて『書だ!石川九楊展』を開催。『石川九楊著作集』全十二巻(ミネルヴァ書房)、『石川九楊自伝図録 わが書を語る』のほか、主な著書に『中國書史』(京都大学学術出版会)、『二重言語国家・日本』(中公文庫)、『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫)、『説き語り 日本書史』(新潮選書)、『説き語り 中国書史』(新潮選書)、『書く 言葉・文字・書』(中公新書)、『筆蝕の構造』(ちくま学芸文庫)、『九楊先生の文字学入門』(左右社)、『河東碧梧桐 表現の永続革命』(文藝春秋)、編著書に『書の宇宙』全二十四冊(二玄社)、『蒼海 副島種臣書』(二玄社)、『書家』(新書館)、作品集に『自選自註 石川九楊作品集』(新潮社)、『石川九楊源氏物語書巻五十五帖』(求龍堂)などがある。

「2022年 『石川九楊作品集 俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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