女の旅―幕末維新から明治期の11人 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021557

作品紹介・あらすじ

江戸期以前、女性が一人で旅することは難しかった。身の危険、歩きという制約、何より、男に付き従う姿こそ美徳とされたからだろう。だが、明治維新による文明開化以降、女性たちの旅は少しずつ広まっていく。本書は、日記、手記、聞き書きなどの記録から、全国漂泊、京都への出奔、遊説、米国留学、富士山越冬、蒙古行などの足取りを再現。男尊女卑の風潮が強いなか、時代に立ち向かった女性たちの人生を描く。

感想・レビュー・書評

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  • その時代のバックグラウンドの中で、困難と思われることも実行にうつすことはできる。女性の場合は男性よりもしがらみは多い。現代でも少なからずある。その中でどう考え実行するかがら自分の人生をつくるポイントである。

  • 江戸時代の女性放浪人の記録。

    俗世を捨て、旅と和歌に生きるおんな。

    波乱万丈な人生を抜け出し欧州で活躍し、ロダンに愛されたおんな。

    逆境と動乱の時代にこそ偉大な人物は輝く、苦境をチャンスに変えていくことが重要。


    強く美しく生きる女の歴史、必読です。

  • ◆時代に立ち向かった女性たちの旅の軌跡◆
    ユネスコの世界文化遺産に登録された富士山は、この夏休み大勢の観光客で賑わうことでしょう。
    さて、この本には明治期、富士山頂での越年気象観測に情熱を傾ける夫を助ける為、女性で初めて富士山〝越冬〟に挑んだ野中千代子の話が載っています。厳冬期山頂の観測小屋で夫と共に82日間を過ごしたとは驚きです。
    他にも、幕末から明治期にかけて、「旅」というより「冒険と輝きに満ちた人生」を送った、魅力的な女性たちの物語が満載です。

  • 幕末から明治に旅をした11人の女性を取り上げた本.
    取り上げられているのは
    第一章 田上菊舎(俳人)
    第二章 松尾多勢子(尊皇家)
    第三章 楢崎龍 (龍馬の妻)
    第四章 岸田俊子 (民権運動家)
    第五章 津田梅子 (教育者)
    第六章 花子 (旅芸人)
    第七章 野中千代子 (富士山越冬)
    第八章 クーデンホーフ光子 (ボヘミア貴族の妻)
    第九章 河原操子 (モンゴルで学校運営)
    第十章 山野千枝子 (教育者)日本初の美容師)
    第十一章 イザベラバード (旅行家)
    この中で知っていたのは四人.知らなかった人の中では、山野千枝子が一番興味を持って読めた.
    全体としてみると,テーマは面白いと思うんだけど、いささか掘り下げ不足.どの章もさらっと人生の表面をなぞった感じで、「旅」というテーマが深まっていかない.取り上げる人を絞ってその人にとっての旅を書いて欲しかった.

  • 2012/9/26読了

  • 副題にあるように幕末維新から明治期に活躍した女性達がした旅を取り上げています。
    「旅」といっても遊びの「旅」ではなく、自分の人生を切り開くための「旅」だったり、別れの「旅」だったり、様々。
    しかし、共通してるのは本書に登場する女性は皆強い意思を持ち、信じられないぐらいの行動力と決断力を持っている。
    現代から比べれば非常に情報力が乏しい時代、彼女たちには頭が下がるばかりです。

  • 山本志乃『女の旅  幕末維新から明治期の11人』中公新書、読了。近世以前、女性の一人旅は困難だったが、江戸末期より自らの意思で「移動」する女性たちが登場する。俳人田上菊舎は40年も歩き、松尾多勢子は志士を助け、河原操子は大陸浪人の女性版……。

    およそ女性に限らず、限定的社会は基本的に「移動の自由」が制限されている。ひとりひとりが自身の意思において「移動」をすることにより、共同体は活性化していくものである。彼女たちの足跡は社会の変化を映し出している。

    本書で、河原操子を初めて知る。松本藩士の長女として生まれ、大同学校教師を経て、モンゴルの王室で教育顧問、粛親王と交友、同地の女子教育に先鞭をつける。同時に日露戦争関係横川省三と沖偵介と諜報活動に従事。知られざる「女傑」(←言葉が古い)の存在に驚くばかり。

  • 明治維新以降、女性の旅が少しずつ可能になった。
    6才でアメリカ留学した津田梅子、坂本龍馬の妻お龍、など色々な理由で旅をした明治維新の女たち11人の旅。
    苦難を乗り越え、たくましく生きる女性たちの生涯を描く。

  • 昔の日本人女性が旅を嗜好するのをめずらしく感じ、そのメンタリティに興味を持ち読んでみた。社会の風当たりも強かったであろうのに、それぞれの人生を歩む姿には大和撫子達の奥ゆかしさの中にも強さを感じる。

  • なかなか興味深く読んだが、薩摩や土佐という言葉を使わず、鹿児島藩高知藩という表記になっているのが多少違和感。
    こだわりかと思うが、長州はそのままなのには何か意味があるのか?

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著者プロフィール

山本志乃(ヤマモト シノ)
1965年鳥取県生まれ。神奈川大学国際日本学部歴史民俗学科教授。博士(文学)。民俗学専攻。定期市や行商に携わる人たちの生活誌、庶民の信仰の旅、女性の旅などについて調査研究を行っている。著書に『女の旅――幕末維新から明治期の11人』(中公新書)、『行商列車――〈カンカン部隊〉を追いかけて』(創元社、第42回交通図書賞(歴史部門)受賞)、『「市」に立つ――定期市の民俗誌』(創元社)、『日本の民俗3 物と人の交流』(吉川弘文館、共著)、『落語にみる江戸の食文化』(河出書房新社・共著)、『絵図に見る伊勢参り』(河出書房新社、共著)、『乾杯の文化史』(ドメス出版、共著)、などがある。

「2021年 『団体旅行の文化史 旅の大衆化とその系譜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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