韓国とキリスト教 (中公新書)

  • 中央公論新社
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021731

作品紹介・あらすじ

宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占める韓国。教派間の拡大競争は、大統領選挙の動向や、北朝鮮支援事業に強い影響を及ぼす一方、しばしばカルトや他宗教との衝突といった社会問題を引き起こしている。本書は、一八世紀以降の朝鮮半島における受難の布教開始から、世界最大の教会を首都ソウルに置くにいたった現在までを追い、日本では報じられなかった韓国社会の実情と問題を解き明かす一冊である。

感想・レビュー・書評

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  • (07.16.2017)

    良書。これ一冊で大体の知識は得られる。

  • 読了。

  • 韓国にキリスト教信者が多いのはなぜか?という問いは、おそらく多くの日本人が抱いているのではないかと思われます。数年前、韓国南部のある工場を訪問して車でソウルに戻る帰り道、雨模様の夕闇の中、ニョキニョキと赤く輝く十字架が散らばっているのをみた時はちょっと戦慄しました。いったいあれはなんなのか。その謎が解ける本でした。

    現状の把握⇒現状に至る経緯⇒ポイントとなる要因⇒今後の課題、という論文の典型的パターンを踏んで、手堅くまとめられているという印象でした。カトリックとプロテスタントをきっちりと線引きして、プロテスタントが優勢となるに至る経緯、日本におけるキリスト教受容との差異、諸外国・他の宗教とのかかわりなどなど、歴史的な史料を丁寧に押さえて論じられています。

    意図した以上に問題点を多く取り上げてしまったとある通り、いわゆる統一教会といったカルトがのさばる現実、政治や選挙への奇妙な影響力といったことも述べられていて、このあたりはやはり興味深いところでした。韓国において、教会単位で「成長」していく形態のキリスト教が、アメリカ軍政下の政策や韓国人の「アメリカ志向」を通じて根づいていったという論旨にはとても納得がいきます。

    ひとつ欠点を指摘するとすれば、いかにも学者さんが書いた本というか、記述がとにかく学問っぽくてカタいことがあります。興味本位で進めるべき題材ではないということなのかもしれませんが、読者側の興味をかきたてるに十分なテーマである以上、ここまでお勉強テイストにしなくてもよかったんじゃないかなと思ってしまいます。一般的な情報提供を目的とした本ということであり、おもしろおかしく引っ張ってくれる本ではありません。

    (2015/10/03)

  • 筆者らが言うとおりその存在感のわりには類書が少ないジャンルなので大変ためになった
    丹念に調査なされていて頭が下がるが、まだ全体的に網羅されてない内容もありそうなので、続編を期待したいところです

  • 1.浅見雅一・安廷苑『韓国とキリスト教』中公新書、読了。世界最大のメガ・チャーチを有し、全人口の3割をクリスチャンが占める韓国。その教勢は政治の動向にも影響を与える。本書は出会いから現在まで、「いかにして“国家的宗教”になりえたか」(副題)を概観、受容の特色を紹介する簡便な一冊。

    2.浅見雅一・安廷苑『韓国とキリスト教』中公新書。李朝下、「西学」として理知的側面から受容されたが指導者の欠如が極端な倫理主義を招く。近代化以降は帝国主義との対峙でプロテスタント受容が加速した。そして戦後はアメリカ「流」。大型教会と個別教会の二主義が教勢拡大を促すが問題も多い。

    3.浅見雅一・安廷苑『韓国とキリスト教』中公新書。神学畑の認識では韓国のキリスト教とは「聖霊」重視と「民衆神学(恨の情)」とシャーマニズムの親和性に目がいきがちだが、キリスト教を信じれば万事がよくなるという教説が歓迎された(=教勢拡大へ)というのは意外だった(教会成長理論)。

    4.浅見雅一・安廷苑『韓国とキリスト教』中公新書。「通史を新書で」というのは誰もの願いであると同時に「限界」ともなる。記述の濃淡に対する指摘は読み手の関心によって容易だが、類書が少ない中では、輪郭を掴める一冊か。本書で初めて知ることも多く、文化内受肉の一事例を学ぶことができる。

  • 「韓国はキリスト教徒が多い」程度の認識しか持っていなかった自分にとっては非常にありがたい一冊。
    現状とその問題だけを知るならばさらっと第1章と第5章だけ読んでもいいのではないか。

  • 【87冊目】韓国のキリスト教徒は、プロテスタントとカトリック合わせて全人口の29.2%もいるらしい。日本では1%前後だからかなり多いことが分かる。

    韓国教会の主な特徴は、大型教会主義と個別教会主義、社会問題への関心の低さといったものが挙げられていた。なるほど。

    昔から、なぜ統一教会が韓国発で、しかも日本やアメリカで問題になったのかよく分からなかったけど、この本読んでかなりクリアになった。

    それから、同じ東北アジアにありながら、なぜ日本では浸透しているとは言い難いキリスト教が韓国に馴染んだのかも歴史的に整理されていて、大変読みやすかった。この点、詳述されていない問題として、祖先崇拝が韓国キリスト教では「追悼式」という形を取って立ち現われ、原宗教にとの親和性を保ったという指摘が興味深い。

    また、日本にあてはめられそうな考察として、教会の分裂がカルト教団を育む温床となっているという点が挙げられる。国民的な宗教が確立されなかったことで、逆に、馴染深い既存の宗教の教義をつまみ食いした教団が乱立し、その中にあるカルトの存在を見えにくくしているのではないか。

    いずれにせよ、大変勉強になりました。

  • 韓国にはなぜキリスト教徒が多いのかという漠然とした疑問から読んだ。前近代のキリスト教渡来から李朝時代・植民地時代の弾圧と独立直後の状況についてはかなりの頁を割いているが、1960-80年代になぜ爆発的に拡大したのかは十分な答えが得られなかった。朝鮮半島の原シャーマニズム信仰や儒教との類似性、選民思想の民族意識が受容の原因として挙げられているが、前者なら日中でもある程度言えるし、何より1960-80年代の拡大の説明にはならない。あえて想像すれば、独立直後の指導者層にプロテスタントが多かったことや、本書で少しだけ触れられている政治的不安定や社会的変化に対する心の拠り所ということか。また現代の教会の特徴、時に問題点として、大型教会主義と個別教会主義、特に後者がもたらすカルト化や独自の海外宣教に伴う混乱も挙げられている。

  • 表題通り、韓国(朝鮮)とキリスト教の関わりを
    歴史的に振り返りつつ民族性や現代の問題等について解説した本。
    ページ数こそ少ないがよくまとめられており分かりやすい。
    日清日露戦争を経て勢力を広げたキリスト教が
    日本の植民地時代に社会的支柱となり、独立後には
    アメリカの影響のもと信者を増やしてゆく流れには成程と感じた。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:192.21//A86

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