- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022080
感想・レビュー・書評
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同国が1819年にラッフルズがスルタンからの土地購入により英国植民地になり、以来仕事を求めて来た中国人の増加が人口の7割を占め、現在に。そして日本の占領下、マレーシアの一部としての独立、そしてマレーシアからの追放と国としての生き延びていけるのかという悲壮感、リー・クアンユーが作った人民行動党のほとんど一党独裁と民主主義の関係など、現在の繁栄への流れが数奇な運命を感じさせられた。マレーシアからの独立が、むしろ残留を望んだのに追放だった!は驚きの発見だった。逆に分離したことが両国にとって現在の繁栄を招いたのだろうと思う。なによりも社会が存在しないところにいきなり国家誕生というユニークさ、それが成功した例としての国家のように思える。日本占領下での中国人弾圧、マレー・インド人優遇という日本軍の政策は驚きだったが、それを考えると同国の日本との現在の親密な関係は奇跡のように思われる。
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シンガポールの歴史書。シンガポールが今のような姿になるまでに、どのようなことが起きていたのか。前からシンガポールは経済発展のための政府という感じを受けていたが、その理由がわかった。今度行く時は、ちょっと視点が変わるかも。
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シンガポールの歴史と国としての簡単な紹介がコンパクトに纏められた一冊。ネットの記事とかで、日本より圧倒的に金持ち、教育レベルが高い、等の声をよく目にしてたので気になってこのタイミングで本を読んでみました。
で、感想ですが、やっぱり天国だけじゃないんだなと。まさに敏腕経営者が創設した毎年高利益を叩き出し続ける巨大企業そのものって印象でした。。。
ぶっちゃけゆとりが全く感じられない。そして予想以上な超格差社会、国民個人のアイデンティティがまさに経済生産能力で評価されてる感じで、トップに逆らったら絶対救われなそう......。
生産能力が低い僕の個人感想ですが、シンガポール、地獄っす。日本は一人当たりのGDPが高いアメリカ、シンガポールを目指すのではなく、デンマーク、フィンランドといった国を真剣に目指してほしい、マジで。 -
2016.8読了
シンガポール赴任となり、現地の書店で購入。とても勉強になりました。著者はシンガポール人とご結婚されるほどのシンガポール研究の第一人者のようです。歴史を客観的に示しつつ、物語としても面白く読める、秀作です。 -
実際に訪れた国を知るのは面白い!シンガポールはひとつの会社、という表現はすごく納得。独立のきっかけは追放というのは驚き。
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実態がつかみにくいシンガポールについて、前半の内容からある程度とらえることができた。ただ、中盤から、後半にかけて、各指導者の話に移るとあまり頭に入らなかった。
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シンガポールの歴史を紹介した本。
民主主義政治は独裁政権より非効率だという。
現在の日本の政治などは、多分正にその非効率に蝕まれているように感じられる。
豊かさを求めるとするならば、迂遠な方法ばかりを選んでいるのではなかろうか。
それでも、長期的に見て、大きく誤る可能性が低いというメリットにかけているということなんだろう。
シンガポールは、どちらかといえば、独裁的な方法を選んできたようだ。
日本と比べ、各種条件に恵まれないために、効率的な方法を選ばざるを得ないという社会的な合意が底流にあるのだろう。
全く違う国だということが、よくわかった。
また、第二次世界大戦では、日本はシンガポールで恐ろしい行為を行ったということが紹介されている。
そうしたことも、しっかり覚えておく必要があると改めて感じた。