英文法の楽園 - 日本人の知らない105の秘密 (中公新書 2231)
- 中央公論新社 (2013年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022318
作品紹介・あらすじ
見たこともない単語が学ぶ、英字新聞のヘッドライン。いざというときに出てこない、敬語表現。つい使ってしまうけれど、実は不適切な、Shall I…?やWill you…?の使い方。日本人が知らない、ネイティヴに通じる実践的な英文法を、Q&Aの形で楽しく学べるこの一冊。知って得する蘊蓄と、豊富な例文がちりばめられた105の項目が、あなたの英語センスを磨きます。里中先生英語塾シリーズ、待望の第三弾。
感想・レビュー・書評
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基本的なことが短くまとめてあって面白かった。おもしろかったのは、英語にも中間態(middle voice)ってあるということだった。The book reads smoothly. みたいな文で、能動の文だけど副詞をともなって特性をあらわす文のことを中間態というらしい。ラテン語とかギリシア語には中動態というのがあって、再帰(動詞の結果が行為者にかえってくる)をあらわしたりする。このほかに、不定詞と動名詞を目的語にとる動詞のちがいも分かりやすかった。不定詞はtoがつくことからもわかるように、方向・目的をあらわし、動名詞は現実・成立したものを表す。だから、remember to lock the door(ドアに鍵をかける(そうする未来の)ことを覚えておく)と、remember locking the door(ドアに鍵をかけた(そういう事実)を覚えているとなる。cannot help -ingが「思わずしてしまう」、give up buying the carは×で、give up the idea of buying the carとなるのは、give upできるのは「すでにやっていること」と説明があって、わかりやすい。
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新聞の連載まとめ。
英文法のニュアンスが分からないから、日本人が英語が苦手。だから、そういう解説をしようという趣旨。
たしかにその趣旨で書かれているが、正直ちゃんとした英文法の本を読んでれば一回は聞いたことある話。
今更感は強い、 -
面白い内容だった。
英語関連の本が多い中で、最後まで興味を持ち続けて読み終えることができた。 -
本質的な疑問やちょっとした言い回しの意味合いなど、英語に関心を持つ人々の質問に対し、良質な例文で解説を進めるスタイルは、読み易く、頭にすっと入っていく。教育現場で、こうした英語の教え方が取り入れられれば、理解力促進に効果あり。
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もともとは新聞の英文法コーナー(?)に寄せられた質問への回答集で、見開きで分かりやすく説明されている。例文の量もちょうどよく、とても読みやすい。質問の内容は中学英語から大学受験英語までに関するもので、英語の奥深い部分をついたものが多い。例えばhairとhairsの違いは何か、「仮定法未来」にshouldを使う理由、命令文に主語がある場合、など。大学の英語学関連の書籍は、いくら入門書と言ってもやっぱり最後まできっちり読むのは大学生とか英語の先生だろうけど、この新書は万人が読める。
おれがこの本で覚えておきたいことを書き出す。まずMay I have a moment of your time?(p.29)という表現は使ったことなかった。進行形でalwaysを伴って話者の苛立ちを表す、というのは大学英文法でよく出てくるが、have toやmustで似たようなことを表すというのは知らなかった。というかこの2つは語用論的にそういった意味が生じる、ということだろうけども。例えばJust as the situation got very delicate, Kelly had to put his foot in it.の後半、「ケリーのやつがヘマをしやがって」(p.43)のように訳せたかどうか、おれは怪しい。portionという単語は知っていても使えない単語だったが、用例がたくさん載っているので、使える英語にしたい。Give me a smaller portion, please.(私はちょっとでいいから)(p.53)のような表現は便利だと思う。this manというのが出てきて、「語りのなかで初出のものを導入するときにいきなりthisを用いる」(p.81)というのは正直気付かなかった。Then this woman came up to me...で「ある女性が」と訳せるかどうか。「~を日本語で何といいますか」はバカの1つ覚えでHow do you say ~かWhat do you call ~しかおれは使えないが、What's the word for "weasel" in Japanese?(p.181)もシンプルで使える表現だなと思った。speak ill of ~というイディオムが「ひじょうに古い表現」(p.188)で、ふつうにsay bad things(badly) about ~がいいとか、アメリカ人はbad-mouth Aなんて表現を使う、というのは、いわゆる受験イディオムを探せば他にも色々あるんだろうし、確かそういうのを集めた本もあったはずだから、機会を見つけて勉強したいと思った。
というように、自分の知らないこと、使えそうなことなどいろいろ探しながら読むのは面白く、まさに「楽園」という感じだった。(15/07/12) -
面白かった。東京新聞のコラムからの抜粋のようだが、日頃思っている英文法が違う解釈で使われるとか、ヘェ〜なるほどと思う英文がたくさんあった。続編を希望します。
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雑学的な話が好きなので、mustとhave toの使い分けとか、shouldとneed toとか興味を惹かれました。面白かった!
でも、英語を教えてる塾講師の人に「~って、こういうことなんですね、面白いですね!」と報告したのに、「まぁ、そういうところに拘ってもね」と一刀両断されてちょっとショック……。
言葉が面白いのは日本語も英語も一緒なのね、と面白さを共有してもらいたかったのに、なんか残念。
別に役になんか立たなくても、言葉というか表現が時代とともにどんどん変化していくこととか、同じような日本語訳になっちゃう文でも実はニュアンスに違いがあることとか、私には面白かったです。 -
元々は新聞連載のコラムだったこともあって、英文法について書かれた新書本特有の煩わしさは感じない。
どこから読もうが簡潔に読め、理解できる。 -
たまたま春に本屋で目にとまり購入。読み物としても面白いし、中学生・高校生に英語を教えるときに役立ちそう。
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英語はgetとhaveさえ動詞として押さえておけばどうにかなるということか。