かなづかいの歴史 - 日本語を書くということ (中公新書 2254)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 148
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022547

作品紹介・あらすじ

中学・高校の古文の授業で私たちは「歴史的かなづかい」に出会い、例えば現在「カワ」と発音する語がかつては「かは」と書かれたことを知る。なぜ発音と表記は違うのか、表記はいかに揺れてきたのか。仮名が生まれた十世紀の『土左日記』に始まり、藤原定家の「定家かなづかい」、中世の実用的な文書、契沖のかなづかい。そして明治期の小学校教科書や野口英世の母の手紙まで。「かなづかい」でたどる日本語の歴史。

感想・レビュー・書評

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  • 「歴史的仮名遣い」そのものと「仮名遣いへの観察の歴史」を概説。数々の史料を用いて懇切丁寧に書き込まれてはいるものの、書誌学の基礎知識なしでは理解が難しく、「新書」のスタイルで発刊する意義があるのだろうかと疑問を感じる。とはいえ、「歴史的仮名遣い」を知らなければ明治期の文献を読むことが困難になるかもしれない、という著者の危機意識には共感を覚えた。

  • かなづかいの定義、歴史。やや難しいが、興味深い。資料多い。

  • 卒論用参考文献。
    一定の距離を保ちながらの分析か

  • 7月新着

  • かなづかいの歴史とあるが、かなづかいの変遷と言ったような時間の流れを感じられる部分はない。
    特定の文献やら文書に関するかなづかいの様相を記すに終始し、読者にはなぜその資料を取り上げたのか、そこから何が導かれるかが明らかにされないまま終わっている印象。
    「かなづかいについて誰かが考えた歴史」にならないようにしたとのことだが、このような断面でしか語られていないものが新書の読者の要求に応えているのだろうか。
    構成に加えて文章表現も冗長で読みにくい。

  • 内容に私がついていけなかった分、評価が下がっている。もう少し理解できれば豊富な例示も面白いのだろうと思う。

    それでも、序盤と最後の現代のところだけ読んでも面白いと思う。
    現代仮名遣いが歴史的仮名遣いの名残を残していることや、それと人によって理解能力が異なることで仮名遣いに幅をもたせていることなどが興味を引いた。

    西暦千年よりまえの「はひふへほ」の発音をどうやって知り得たかというのが気になる。
    「オ」と「ヲ」の音の変遷も面白い。

    古典よりあとは仮名遣いに揺れがあるからこそ例示集の必要があったのだなあと感じる。

  • 勉強になりました。

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著者プロフィール

1958年、鎌倉市に生まれる。早稲田大学大学院博士課程後期退学、高知大学助教授を経て、清泉女子大学文学部教授。専攻は日本語学。
著書に、『仮名表記論攷』(清文堂出版、2001年、第三十回金田一京助博士記念賞受賞)、『文献から読み解く日本語の歴史』(笠間書院、2005年)、『消された漱石』(笠間書院、2008年)、『文献日本語学』(港の人、2009年)、『振仮名の歴史』(集英社新書、2009年)、『大山祇神社連歌の国語学的研究』(清文堂出版、2009年)、『日本語学講座』(清文堂出版、全10巻、2010-2015年)、『漢語辞書論攷』(港の人、2011年)、『ボール表紙本と明治の日本語』(港の人、2012年)、『百年前の日本語』(岩波新書、2012年)、『正書法のない日本語[そうだったんだ!日本語]』(岩波書店、2013年)、『漢字からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2013年)、『常識では読めない漢字』(すばる舎、2013年)、『『言海』と明治の日本語』(港の人、2013年)、『辞書からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2014年)、『辞書をよむ』(平凡社新書、2014年)、『かなづかいの歴史』(中公新書、2014年)、『日本語のミッシング・リンク』(新潮選書、2014年)、『日本語の近代』(ちくま新書、2014年)、『日本語の考古学』(岩波新書、2014年)、『「言海」を読む』(角川選書、2014年)、『図説日本語の歴史[ふくろうの本]』(河出書房新社、2015年)、『戦国の日本語』(河出ブックス、2015年)、『超明解!国語辞典』(文春新書、2015年)、『盗作の言語学』(集英社新書、2015年)、『常用漢字の歴史』(中公新書、2015年)、『仮名遣書論攷』(和泉書院、2016年)、『漢和辞典の謎』(光文社新書、2016年)、『リメイクの日本文学史』(平凡社新書、2016年)、『ことばあそびの歴史』(河出ブックス、2016年)、『学校では教えてくれないゆかいな日本語[14歳の世渡り術]』(河出書房新社、2016年)、『北原白秋』(岩波新書、2017年)などがある。

「2017年 『かなづかい研究の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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