かなづかいの歴史 - 日本語を書くということ (中公新書 2254)
- 中央公論新社 (2014年2月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022547
作品紹介・あらすじ
中学・高校の古文の授業で私たちは「歴史的かなづかい」に出会い、例えば現在「カワ」と発音する語がかつては「かは」と書かれたことを知る。なぜ発音と表記は違うのか、表記はいかに揺れてきたのか。仮名が生まれた十世紀の『土左日記』に始まり、藤原定家の「定家かなづかい」、中世の実用的な文書、契沖のかなづかい。そして明治期の小学校教科書や野口英世の母の手紙まで。「かなづかい」でたどる日本語の歴史。
感想・レビュー・書評
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■細目次
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https://gyazo.com/ec597d721fed79fbdc91022445eee3b6詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「歴史的仮名遣い」そのものと「仮名遣いへの観察の歴史」を概説。数々の史料を用いて懇切丁寧に書き込まれてはいるものの、書誌学の基礎知識なしでは理解が難しく、「新書」のスタイルで発刊する意義があるのだろうかと疑問を感じる。とはいえ、「歴史的仮名遣い」を知らなければ明治期の文献を読むことが困難になるかもしれない、という著者の危機意識には共感を覚えた。
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かなづかいの定義、歴史。やや難しいが、興味深い。資料多い。
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卒論用参考文献。
一定の距離を保ちながらの分析か -
7月新着
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かなづかいの歴史とあるが、かなづかいの変遷と言ったような時間の流れを感じられる部分はない。
特定の文献やら文書に関するかなづかいの様相を記すに終始し、読者にはなぜその資料を取り上げたのか、そこから何が導かれるかが明らかにされないまま終わっている印象。
「かなづかいについて誰かが考えた歴史」にならないようにしたとのことだが、このような断面でしか語られていないものが新書の読者の要求に応えているのだろうか。
構成に加えて文章表現も冗長で読みにくい。 -
内容に私がついていけなかった分、評価が下がっている。もう少し理解できれば豊富な例示も面白いのだろうと思う。
それでも、序盤と最後の現代のところだけ読んでも面白いと思う。
現代仮名遣いが歴史的仮名遣いの名残を残していることや、それと人によって理解能力が異なることで仮名遣いに幅をもたせていることなどが興味を引いた。
西暦千年よりまえの「はひふへほ」の発音をどうやって知り得たかというのが気になる。
「オ」と「ヲ」の音の変遷も面白い。
古典よりあとは仮名遣いに揺れがあるからこそ例示集の必要があったのだなあと感じる。 -
勉強になりました。