- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022707
感想・レビュー・書評
-
硬いけどこれが歴史の本だなっていう安心感
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日清戦争と言えば、日露戦争の遠因。台湾ゲット。賠償金位しか印象が無かったので手軽な新書で通史を読めるのは良いなと思って買ったのだが、まさかこんな酷いとは思わなかった(書籍がでは無く、日清戦争が)
開戦する必然性が無い。日清共に無い。にもかかわらず国内政治の行き詰まりから開戦せざるを得なくなってしまう。条約改正の行き詰まった外務大臣、強硬策を主張する民党により、政策選択の幅を失う伊藤内閣。
開戦直前に王宮を襲撃する現地派遣軍。
開戦後も暴走に次ぐ暴走の現地軍。
不正規戦に対応できず虐殺してしまう現地軍。
終戦に向けた外交を行えず、三国干渉を招く過大な要求をしてしまうとか、
そもそも講和全権使節への暗殺未遂とか、
戦死者の過半数が終戦後の台湾平定で出ているとか、
開戦理由の朝鮮半島での優位な立場での干渉も閔妃暗殺や連絡線維持の為の対不正規戦で虐殺を起こすことにより朝鮮人各層の反感を買うとか、戦争目的を全く達成できない『大勝利』
せめて、ここででた帝国と軍の問題点を解決できていればその後繰り返すことは無かったのになと… -
新書ながら日清戦争の内容がよくまとまっており、
分かりやすい。
戦争そのものの軍事的、外交政治的な推移だけでなく、
各地の日本国民の意識や関わり方や
マスメディアについても触れており内容は広範囲にわたる。
開戦に至る経緯については特に細かく検討しており、
勉強になった。オススメ。