地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 195
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022820

作品紹介・あらすじ

このままでは896の自治体が消滅しかねない-。減少を続ける若年女性人口の予測から導き出された衝撃のデータである。若者が子育て環境の悪い東京圏へ移動し続けた結果、日本は人口減少社会に突入した。多くの地方では、すでに高齢者すら減り始め、大都市では高齢者が激増してゆく。豊富なデータをもとに日本の未来図を描き出し、地方に人々がとどまり、希望どおりに子どもを持てる社会へ変わるための戦略を考える。藻谷浩介氏、小泉進次郎氏らとの対談を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 増田寛也編著「地方消滅~東京一極集中が招く人口急減」。なかなかショッキングな話のオンパレード。若者が地方から東京に出る、しかし仕事がないから収入少なく結婚も出産もできない(出生率1.07と全国最低)。間もなく東京は高齢者の町になってゆき、地方は若者が減り消滅の危機、しかも日本の出生率はガタ落ちとなって、日本全体が負のスパイラルに落ちてゆく・・・。ところで、2040年には人口減により消滅する可能性の高い市町村として、鳥取・島根の過半が、広島県でも安芸太田町、神石高原町、大崎上島町と三つが挙げられている。まったくの他人事ではない。

  • 男性の視点でしか書いてないなと残念です。
    今の日本は、仕事をしろ、子どもを産めなど女性に対して圧力をかけています。
    現実はいざ出産しようとしても地方都市には産婦人科が少ない。里帰り出産もできない状況です。保育園、教育にもお金がかかり過ぎる。子どもが欲しくても諦める若い人たちが多いこと、仕事がないだけでなく老人施設はあっても出産施設のない地方に帰りたくても帰れないことも知って下さい。

  • 日本の人口減少、限界集落の増加という現実はなんとなく国民の中に情報としては入ってきているが、いまひとつ実感に乏しいのが現状である。

    本書において、まさに日本国民全体にとって喫緊の課題であり、現在の地方創世議論ともつながっていることが再確認できた。
    具体的には、
    ●出生率の上昇(人口維持に必要な2.1)までしても人口減少が止まるのは60年後となる。
    ●自然増減だけではなく、人口の流出入である社会増減の影響は甚大。
    ●東京における一極集中は、東京そのものにも悪影響を及ぼし、やがて東京も収縮する要因になる。
    ●地方に若者が留まれる、地方創生は東京も含めた日本全体の処方箋となる。
    ●人口の推移はあらゆる政策に使用されるデータの中でも最も正確である。
    以上わかりやすい。もっと前に少子化対策ってできんかったんかい!と政治にいらだつ。

  • 新聞等でも盛んに話題になった、「2040年までに地方自治体は半減する」という衝撃の「増田レポート」の中身を知りたくて読んでみた。今後、日本の人口が減少していくという話は、何となくみんなが知っていることだが、具体的に書かれていることを読んでみると恐ろしくなる。単純に晩婚化、少子化といったことに加え、地方から都市への若年女性の流出によって、地方の人口減少は加速度的に進むというのは正にその通り。本書では、その対策として地方中核都市にダム的役割を担わせ、都心部への人口流出を食い止めることが有効であるとしているが、今後の政策においてそれがどこまで実行されるのか、正直難しい部分は多いと思う。最後に、対談形式でこの問題が語られる部分は素人にも実にわかりやすく、スッと頭に入ってくる。

  • 5章あたりから俄然面白くなった。
    この本を読んで改めて人口動態・少子高齢化問題・地方創成に興味をかきたてられた。 データを元に現実的な解決策を模索していく事が重要だ。国・政府だけでなく企業・個人単位で問題意識を持ち、どうやって将来のグランドデザインを描いていくかが求められる。
    本書にある”人口の「急減」を阻止し、同時に「減少」をメリットに切り替えていく”という主張が深く心に残った。地方拠点都市で生活するものとして、自分に出来ることから少しずつでも取り組んでいきたい。

  • 出生率の低い東京への若者の人口流出により、地方では社会減と同時に若い女性が少なくなることでの自然減が発生。東京は生活コストが高いので子どもが増えない。だから地方都市がダムとなって若者の流出を防がなくてはならない。
    尚、幸運にも理想の子ども人数は2.4人だそうで、障害を取り除いてやれば出生が増えるだろうとのこと。その方策については本書では詳しくないから自分達で考えなくてはならないでしょう。北海道民として、自身の危機感を客観視出来た。

  • 人口減についての元総務大臣の増田寛也東京大学大学院客員教授によるデータ重視の分析、それに具体例などを交えた対談、という構成はなかなか良いと感じた。
    増田教授の論考だけだと、厳しく寒々しい現実のショックで固まったけれど、その後の対談で思考力を取り戻した感じがする。

    現在は地方が首都圏よりも高い出生率で、日本全体の出生率低下を防いでいた。
    しかし、地方からの人口流出、とくに出生可能な年齢の女性の流出によりカタストロフが訪れる。
    まず地方の人口が激減し、地方から人口が流入しなくなった首都圏ですら人口は減少を始め、日本全体の人口は一気に減り始める。

    地方の人口を維持するには、結局その地方が稼げなければいけないのだなと思った。
    若年女性人口の増減率から、人口が減りにくく増えやすい市町村の傾向を分析した章からもそれは見えてくる。

    工場などの誘致は、工場そのものが省力化されてきているとはいえ、今でも有効。あたらしく工場が建つことで人口が増える例は多い。

    福岡のような地方都市の商業が盛り上がれば、周辺市町村のベッドタウンで人口が増える。

    農村は、とにかく稼がなければ人口は増えないし、稼げれば東京から遠くても、県庁所在地から離れていてもなんとかなる。北海道は良い例で、支店経済の縮小で苦しむ旭川(綺麗な街なのに!)と、農業生産を通して食品工業も機能し、人口流出を防ぐ帯広(マルセイバターサンド!)の対比は興味深い。

  • 新書だが、読みやすいわけでも、面白いわけでもない。
    衝撃的なタイトルだが、著者が幾度もくり返すとおり、「いたずらに悲観論をあおる」ものではない。
    では何かと言うと、国勢調査を始めとする厳密に数学的な「データ」を用い、我が日本国はすでに危機に陥りつつあり、このまま手をこまねいていては決定的な破滅を迎えるという「事実」を、一目瞭然にしてみせた本である。

    「個人の自由とプライヴァシー尊重に逆行する『産めよ殖やせよ』は現実的でない」
    「移民による問題解決は、『日本を多民族国家にする』くらいの大胆な転換がなければ不可能だが、その国民的合意を取り付けるのはこれまた現実的ではない」
    右や左の心配症な方々向けに、まずはこれらを抜粋しておこう。こういった「非現実的な理想論」は徹底して排し、もっぱらリアル路線を貫いているのが、本書の大きな特徴であり意義である。

    仮に明日出生率が回復したところで、人口が下げ止まるのは60年後になるという。それでも「積極的にできること、いや、なすべきことがある」「何もしないよりまし」と本書の著者たちは言い続けている。

    まずは著者たちが見た数学的現実と危機感、そして問題意識を共有することが急務であろう。
    最初に書いたとおり、読みものとしては面白くも可笑しくもないのだが、その意味で「全国民必読」である。

    2014/12/7読了

  • 増田レポートをまとめなおした書籍。
    いや、読みましょう。大人の義務です。
    読んだ上で何をすべきか。
    各々の志を磨いて、一秒でも早く。
    出来ることから。

  • 本書は、2014年に出版されたもので、当時の日本における人口問題を捕らえたいくつかのレポートと対談からなる。
    この時点における、日本の置かれた状況を捕らえるにはとてもよいと思う。
    そして、後に、これらの視点からいかなる議論がなされ、あるいは政策がなされたのかを見るときにも、原点として確認するべき記述が多いと思う。

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