日本占領史1945-1952 - 東京・ワシントン・沖縄 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022967

作品紹介・あらすじ

1945年の敗戦後、マッカーサーを頂点にGHQの支配下に置かれた日本。当初占領政策は非軍事化・民主化を推進、平和主義を追求した日本国憲法が花開く。だが冷戦が深まる中、日本を「反共親米」にすべく、政策は経済復興に転換される。51年、朝鮮戦争の最中に結ばれたサンフランシスコ講和条約は日米安保条約とセットの締結となった。本書は、21世紀まで続く「戦後体制」が創られた日本占領7年間の全貌を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 1945年から52年まで7年間におよぶ日本占領期の歴史。

    当時の沖縄がどんな状況にあったかについてかなりページを割いており,役立つ。

    占領期に日本の政治家がいかに主体的に行動したかも従来のイメージよりも強調されているように思われる。とくに片山哲とか芦田均とか西尾末広とか。中道から左派勢力の動きは非常に大事。

    地味と言えば地味だが良書。

  • 東京・ワシントン・沖縄という副題に惹かれて買いました。三者の有機的な関係の中で描いてもらえると思って。GHQ内部における東京とワシントンの対立や,日本の政治家が独自性を発揮して婦人参政権や労働法の早期確立を促したことなどしっかり描かれておりその点はよかった。「沖縄」の要素はもう少しあってよかったかも。とはいえちゃんと沖縄にライトが当てられてるだけまだマシでしょうか。生活史の視点はなかった。不毛な思想対立の火種によくなる分野なのでこういう本で事実確認することは大切と思いました。新書として信頼できる重量感。

  •  敗戦・降伏からサンフランシスコ講和条約までを対象とする「占領期」の通史としては、神田文人『昭和の歴史8 占領と民主主義』(小学館、1983年)以来久々の傑作。憲法改正や農地改革をはじめとする占領下の諸変革の立案・実施過程、冷戦の進行に伴うアメリカの占領方針の変容過程を具体的に示し、その間の国際関係、アメリカ本国と占領軍との関係、占領軍内部の抗争と日本国内の政治抗争との関係を過不足なく説明している。狭義の政治史にとどまらず、経済の変動や労働運動の動向にも注意している点も評価できる。

     特筆するべきは、副題に「東京・ワシントン・沖縄」とあるように、従来の占領史では無視されるか、あるいは日本本土とは完全別個に叙述されることが多かった沖縄の占領史を、本土の占領と並列的・同時進行的に叙述していること。これによって、「ポツダム宣言」に基づく特殊な間接統治であった本土の占領と、ハーグ陸戦規則に基づく直接統治であった沖縄の占領を対比することができ、沖縄の分離過程と占領政策の転換の関係が理解しやすくなっている。

     近年の占領期関連の研究は、戦前と戦後の連続性を過度に強調して占領改革を過小評価したり、「戦後民主主義」への反感を投影した客観性を欠いた叙述であることもままあるが、本書は戦後日本の出発点として、制約や限界も含めて占領改革を正当に位置づけているのも好感が持てる。講和前後における在日コリアンの地位問題のような旧植民地にかかわる問題への言及が不足している点はマイナスだが、現状では占領期の歴史を学ぶ上でまず手にとるべき良書といえよう。

  • まじめに史実を語っている。教科書的。しかし、戦後の7年間という、劇的に変化した時代を語るには多くのページ数が必要だろう。このころの日本の首相や各大臣は大変な思いをしてやっていたのだろう。

  • 占領した者とされた者―東京・ワシントン・沖縄
    第1章 敗戦と占領―非軍事化、民主化へ(日本降伏からGHQの成立へ;戦後政治の起動)
    第2章 占領改革と政党政治の再出発(日本国憲法の誕生;公職追放から新生議会へ)
    第3章 中道政権の軌跡―改革の転換点(片山内閣の誕生―日米「改革派」連合の形成;動揺する中道政権―求められる経済安定)
    第4章 占領政策の転換―民主化から経済復興へ(中道政権の限界―片山内閣から芦田内閣へ;ドッジ・ライン―日米「保守派」連合の形成)
    第5章 サンフランシスコ講和―占領の終結(講和への道―全面講和か単独講和か;米軍駐留容認と朝鮮戦争の激化;二つの条約締結へ―講和と日米安保)
    占領と戦後日本

    著者:福永文夫(1953-、兵庫県、政治学)

  • 2016/01/06

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 日本占領が米国の占領行政の成功例というよりも、あくまでも「貴重な例外」であるんだなと認識を改めた。そして、戦後処理では無く戦争中の軍事占領にはじまり、(その初期の数年間は)既得権益の維持以外何も考えないまま軍事占領が継続された沖縄の扱いはあまりにも酷いなあと同情した。(だが、現在の沖縄政界やマスコミの態度を正当化できるとは思わない)初期の民政局主導の民主化と後期のワシントン直轄の復興のいいとこ取りできたのは日本人にとってこの上ない幸いだったなと。(当時の日本人ががんばったのは承知の上で、敢えて『幸いだった』と思う。外部要因によるものが大きいので)そして、さらに言うと、ドッジ・ラインによる副作用を受けない時代に生まれ、改革の果実のみを受け取った世代に生まれて幸いだったなと。
    そして、総合的に意味が無かったとは言わないし、日本人はそれを上手く使ってきた面が大きいとは思うが、それでもやっぱり素人が数日間ででっち上げた原案に基づく最高法規って何よ?とはやはり思う。

  • 講和(ほんとうの戦争終結を決定する取り決め)の部分では、講和する時期がちょうど朝鮮戦争と同時期なためのせいか、アメリカは日本の再軍備の意志を探っていたようだ。日本が再軍備してアメリカの軍事行動に随伴することを望んでいたようだった。最終的には吉田茂首相は、アメリカにおされるような感じで保安隊の創設を口にするけれども、軍国主義者がまた権力を握る危険性などを考えて、再軍備はしないという憲法の方針のままを貫こうとする。でも、アメリカは将来の軍備も容認するという寛容な講和条件をだすんですよねえ。ということは、いままで日本が軍隊を持たずにやってきたのは、なにもアメリカによる圧力によるようなものではなくて、日本人たちが自ら戦争の放棄を護ってきたことの表れなんですよね。まるで、再軍備しない要因がアメリカなどの西側諸国にあるかのような言説もあったように思うのだけれど、そうではないみたい。日本の再軍備に反対していたのはオーストラリア、ニュージーランド、フィリピンといった国々だったと。なるほどね。それでいまや、韓国や中国なんかが警戒しているってことなんだけれど、アメリカは日本の再軍備を容認の姿勢のままなんだろうか。別段、気にしてなさげではありますが。やっぱり、日本の周辺国が、かつてのように軍国主義化、全体主義化、帝国主義化した日本が、侵略をはじめて、虐殺をしてまわることを不安に感じているというのがあって、そこを考えて軍備しないというのはあるのでしょうが、この占領当時から、日本国憲法にしても、牧歌的なものだとアメリカの官僚なんかは言っていたみたいです。

  • 確か日経新聞で好評だったから買った、のだと思う。

    淡々とした事実の並びから、アメリカの都合と支配層の性善説と、日本の天然ぶりがよく見える。公職追放の影響度は甚大も、敵対的買収された先の管理職層がクビになったと考えれば全くおかしくない。それで堂々返り咲く鳩山家の生命力こそ異常。

    もうひとつ、本書の特徴は沖縄の状況についても淡々と併記していること。2013年に現安倍内閣が定めた「主権回復の日」。本書では「サンフランシスコ講和条約が発効した4月28日、日本から分離された沖縄は、この日を「屈辱の日」として記憶することになった」。そりゃ沖縄の人は怒るわ。

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著者プロフィール

1953年生まれ。獨協大学法学部教授。

「2018年 『大平正芳秘書官日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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