生物多様性 - 「私」から考える進化・遺伝・生態系 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 163
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023056

作品紹介・あらすじ

地球上には、わかっているだけで一九〇万種、実際は数千万種もの生物がいる。その大半は人間と直接の関わりを持たない。しかし私たちは多様なこの生物を守らなければならない。それはなぜなのか-。熾烈な「軍拡競争」が繰り広げられる熱帯雨林や、栄養のない海に繁栄するサンゴ礁。地球まるごとの生態系システムを平易に解説しながら、リンネ、ダーウィン、メンデルの足跡も辿り直す、異色の生命讃歌。

感想・レビュー・書評

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  • 序盤から中盤までは生物多様性の底力というのか、どのようにして多様になっていったのかを解説していて、特に熱帯地方の陸と珊瑚礁の海を具体的に述べていて、それはそれで興味深いものがありましたけど、僕が知りたかったのはそこではなくて、『なぜ多様性を守らなければならないのか?』という疑問に対して、生物学者である著者がどんな回答をするのかが気になって本書を読み始めたので、まぁ終盤ではそれがちゃんと書いてあったので良かったです。
    著者曰く、『今ある生物種は全部必要かと言われれば疑問が残る。しかし、生物多様性は現代科学ではまだまだ解明できていない部分も多いし、不要な種もあるかもだけれど、それらを排除したらどんな影響が出るのかの見通しが立たない』とのことで、とりあえずは多様性を守りましょう、ということでした。
    更に、『自分には関係ない生物を守ろうと言われてもピンと来ない。けど、人間も様々な形でたくさんの生物と関わり合って生きていることを実感し、生物を守ることは自分を守ることと同じであると気付けば、その大切さが分かるのではないか』と締め括っています。僕も基本的には著者の意見に賛成ですが、たくさんの生物を眺めてきた著者だからこそ言える境地というか、言葉の重みや説得力が全然違いますね。
    僕の評価はA-にします。

  • 星なし。
    支離滅裂、章だてのバランスなど構成も悪い。著者がはしがきに述べているとおり、ボケがはじまったのだろう。大学を去り、学会から足を洗えば何を書いてもいいということなのか。ひどいものである。
    このような原稿にGOを出した出版社の常識を疑う。

  • なぜ、生物多様性が必要なのかということに主眼が置かれています。
    著者は「ゾウの時間ネズミの時間」を書いた方です。

    理図書 468||Mo85 11898346

  • 功利主義は次世代に配慮しない。次世代に人は裁判に立てないから、世代を超えた倫理は成り立たない。

  • 筆者は、生物多様性に関しては全くの素人である、と冒頭にことわっている。では何をやっている人かというと、生物学者であるという。生物学者なら生物多様性もお手の物であろうと思うのだが、この世界ではそうではないらしい。筆者の専門は動物生理学で、主にナマコの皮の硬さの研究をやっているのだそうだ。
    しかしながら生物学者であるがゆえに、特に2010年のCOP10前後には生物多様性についての講演依頼を、あちこちから受けている。本書はその時の講演内容をもとにまとめられたものである。
    新書版ながら改行の少ない文章なので、内容は相当なボリューム。一般的な生物多様性の話に加えて、ダーウィンの進化論やメンデルの遺伝の法則といったあたりの説明もけっこうな紙面を割いている。ただ残念ながら、最後の方になると、ちょっと観念的な領域に足を踏み入れてしまっている。副題は<「私」から考える進化・遺伝・生態系>。

  • 2015年5月新着

  • 「サイエンス・ブック・トラベル」から。

  • 私という存在を拡張することで、次世代の人々に価値を持たせ、生物多様性を保護する理由を与える。通常、科学は価値を取り扱わないが、それを踏み出した書である。概ね賛成だが、少し無理矢理な所も感じた。

  • 著者自身、なぜ生物の多様性が必要であるかの説明に四苦八苦されている。だいたい、現在、生物の種はいくつくらいあるのかという数自体があいまいであって、1日にどれくらいの種が絶滅しているから、どうのこうのという議論はあいまいにならざるを得ない。それで、最後には「沖縄の海に潜れ」とおっしゃる。これは、著者が以前から一貫して言われていることだ。海に潜るのはどうも苦手だ。どこから何が出てくるかわからない、という不安がある。底がガラスの船に乗るくらいでは、沖縄の海の多様性を見ることはできないだろうか。さらに、この多様性を未来に残していくために「私」の見方を変えるべきだとも言う。今いる自分の幸福を願うだけでなく、自分の遺伝子を引きついでいってくれる子孫も含めて「私」と考え、その幸せが何かを考えていこう。生物は、伊勢神宮や出雲大社が何年かおきに立て直して生き続けるのと同じ発想で、ひとつのいのちを引き継いでいっていると考えよう。そうすれば、今だけの便利さとか、幸せということに目を奪われることなく、未来の「私」に対しても優しくなれるというものだ。「多様な生物大事にするとは/わたし自身を大切にすること」(歌う生物学者 本川達雄 作詞・作曲『生物多様性おかげ音頭』より)

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著者プロフィール

本川達雄(もとかわ たつお)
1948年生まれの生物学者であり、シンガーソングライター。東京工業大学名誉教授。専攻は動物生理学。科学普及のための一般書・啓蒙書を多数刊行しており、中でも『ゾウの時間ネズミの時間』はベストセラーに。そして「歌う生物学者」として活動を続けており、自身の作詞作曲歌をまとめた『歌う生物学 必修編』を刊行したこともある。2019年4月刊行の『ナマコ天国』(絵:こしだミカ)もナマコの紹介と作詞作曲歌を収録している。

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