山岳信仰 - 日本文化の根底を探る (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023100

作品紹介・あらすじ

個性豊かな山々に恵まれた日本人の精神文化の根底には、山への畏敬の念が息づく。本書は山岳信仰の歴史をたどりつつ、修験道の成立と展開、登拝の民衆化と女人禁制を解説。さらに八つの霊山の信仰と祭祀、神仏分離後の状況までを詳解する。長年、山岳修験研究に携わってきた著者による決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 筑波山の歴史を探っていると、文字の史料を中心とした歴史では見えてこない。
    山そのものへの信仰に関する書籍を探っていて見つけた。修験道など山の信仰の概要と歴史がコンパクトにまとまっている。
    著者は、慶應大学を今年3月に退官、日本山岳修験学会の会長の職にある。
    同書には、筑波山について触れられていないが、おおいに参考になった。

  • <目次>
    序章   山岳信仰とは何か
    第1章  出羽三山~死と再生のコスモロジー
    第2章  大峯山~修験道の揺籃の地
    第3章  英彦山~二s日本の山岳信仰の拠点
    第4章  富士山~日本人の心のふるさと
    第5章  立山~天空の浄土の盛衰
    第6章  恐山~死者の魂の行方
    第7章  木曽御岳山~神がかりによる救済
    第8章  石鎚山~修行から講へ

    <内容>
    密教や修験道とも関連の深い、日本の山岳信仰をまとめた労作。詳細な記述がかえって読むスピードを遅くしたが、基本的な部分は網羅されていると思われる(その分野に詳しくないので)。
    まだあるのだろうが、主だった山々は網羅されているので、ざっと見通すのにいいだろう。  

  • 序 山岳信仰とは何か
    1.出羽三山―――死と再生のコスモロジー
    2.大峰山―――修験道の揺籃の地
    3.英彦山―――西日本の山岳信仰の拠点
    4.富士山―――日本人の心のふるさと
    5.立山―――天空の浄土の盛衰
    6.恐山―――死者の魂の行方

  • 著者:鈴木 正崇[すずき・まさたか]

    【版元】
    初版:刊行日2015/3/25
    判型:新書判
    ページ数:320ページ
    定価:本体880円(税別)
    ISBN:978-4-12-102310-0
    http://www.chuko.co.jp/shinsho/2015/03/102310.html

    【目次について補足】
    この目次「第五章 立山」のなかに「うば堂」が登場する。この〈うば〉は本来、国字(女偏に田を三つ)。しかし出せないので、平仮名表記にしておく。
     参考記事
    http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-1432.html

    【目次】 
    まえがき [i-iv]
    目次 [v-viii]
    地図 [ix]

    序章 山岳信仰とは何か 003
      山への畏敬と神聖化
      神仏習合の思想
      農耕民の山の神
      狩猟民の山の神
      基盤としての山中他界観
      山の仏教的意味づけと曼荼羅世界
      遥拝と禁足地
      祭祀から登拝へ
      最澄と空海
      修験道の成立
      修験道の展開
      山岳登拝の民衆化
      女人禁制の行方
      修験と芸能
      文化遺産への道

    第一章 出羽三山――死と再生のコスモロジー 034
      東北の仏教と修験
      三山の由来
      修験の根拠地・羽黒山
      月山
      湯殿山
      三山詣
      即身仏
      開山伝承
      開山伝承の変化
      春峰と夏峰
      秋峰――山伏の養成
      冬峰――百日修行と松例祭
      現代の動き

    第二章 大峯山――修験道の揺籃の地 068
      吉野山と山上ヶ岳
      金峯山と役行者
      修験道の本尊・蔵王権現
      経塚
      増誉と熊野
      聖宝と吉野
      熊野
      修験教団(本山派・当山派)の成立へ
      明治以後の修験
      峰入りの思想
      峰入りの実践(1)――吉野から山上ヶ岳へ
      峰入りの実践(2)――山上ヶ岳から
    深仙ヘ
      峰入りの実践(3)――熊野本宮へ
      自然とともに生きる

    第三章 英彦山――日本の山岳信仰の拠点 102
      天下に抜きん出た霊山
      開山伝承
      仏教伝来以前
      『彦山流記』について
      洞窟中心の修行と熊野との関係
      中世における勢力の広がり
      謡曲「花月』『大江山』
      峰入り
      即伝による修行の体系化
      近世の彦山
      山と集落
      松会
      神仏分離以後

    第四章 富士山――日本人の心のふるさと 132
      日本の最高峰
      古代の富士山
      噴火の歴史
      『富士山記』の世界
      山に登拝した末代上人
      『浅間大菩薩縁起』
      かぐや姫
      村山修験
      富士講の開祖――角行の伝承
      富士講の始まり――村上光清と食行身禄
      富士講と富士塚と御師
      富士講の再編――小谷三志と女人禁制
      富士講から教派神道へ――丸山教と扶桑教
      富士信仰の行方

    第五章 立山――天空の浄土の盛衰 161
      古代の立山
      錫杖の発見
      山の神と仏
      地獄の思想
      開山伝承
      山麓の寺院と集落
      立山曼荼羅の世界
      曼荼羅の下部
      曼荼羅の中部
      曼荼羅の上部
      登拝の行程
      芦峅寺〔あしくらじ〕のうば堂 ※
      布橋灌頂〔ぬのはしかんじょう〕
      近代登山から観光地へ

    第六章 恐山――死者の魂の行方 195
      独自の景観
      恐山の歴史と伝承
      江戸時代の死者供養
      参詣道と優婆
      婆講
      登拝習俗
      円通寺と地蔵講
      賽の河原
      釜臥山とお山懸け
      地蔵会とイタコ
      現代への対応

    第七章 木曽御岳山――神がかりによる救済 220
      噴火以前
      峰と池と滝
      中世の諸相
      重潔斎 覚明の中興開山
      覚明没後
      普寛の登場
      木曽御嶽信仰の江戸での広がり
      御嶽講の展開(1)――泰賢と順明
      御嶽講の展開(2)―― 一心と一山
      神仏分離以後
      外国人と木曽御嶽山
      御嶽講の現在
      今後の展開

    第八章 石鎚山――修行から講へ 250
      そびえたつ岩峰
      開山伝承
      山麓寺院の開基伝承
      石鎚山と瓶ヶ森
      空海と光定
      役行者とその周辺
      前神寺の隆盛
      石鎚神社の成立
      お山開きの歴史
      女人禁制と山中の修行
      現在のお山開き
      道者の精進と禁忌
      石鎚講
      里での展開

    あとがき――体験知との出会い(二〇一五年一月一五日 著者) [287-293]
    参考文献 [294-305]

  • あちこちの山を具体的に取り上げ、信仰の形成過程、開祖やら山で修行した人やら信徒(という表現がいいのかはさておき)やら、神仏習合・本地垂迹から神仏分離、女人禁制と解禁などなど。

    興味深いのに、開祖やらの人物名と業績の羅列で力尽きた。

  • なんとなく近寄りがたい山岳信仰。修験者のほら貝に象徴されるようにちょっとエキセントリックで、見てはいけないもののような気がします。一方で今、流行りのパワースポットは、山岳信仰の場と重なります。この本で取り上げられる山も、出羽三山、大峯山、富士山、立山などなど、まさに現代のパワースポット。今も昔も人を引き付ける山々の魅力ってなんなのでしょう。
    そんな興味から手に取ってみたら、内容は予想外に硬くて、パワースポットブームにあやかろうなどという意図は全くありません。専門的な難しい部分が多く、楽しみながら読むという訳にはいきませんでした。でも、なんとなくおどろおどろしくて近寄りがたかった修験道や神がかりのことも研究対象として冷静に解説してくれていて、山岳信仰の実態を知ることができました。

  • 信仰、修験道、民俗学。 密度も濃く読み辛さはあるが、新書一冊ボリュームによく納まっている。 神仏分離、女人禁制 古くのしがらみ・出来事を乗り越えて残って来た、信仰の山々。 私自身もハイカーであるが、山行旅のガイドとして、深田久弥氏の百名山と共に、たびたび読み返す事になるであろう。

  • 関心のない方には無意味かもしれない本ですが、ここ数年興味を持っている信仰なので、面白かった。
    このところ出羽三山の信仰が気になっていたので読んだのだけれど、充分に教えていただいた。

  • 国土の3/4が山である日本においては精神文化の根底に、山への畏敬の念が息づいているというのは理解できる。
    この本では山岳信仰の歴史をたどり、修験道の成立と展開、登拝の民衆化と女人禁制などを解説。さらに八つの霊山の信仰と祭祀、神仏分離後の状況までを詳解している。

  • クライマーの割りにはあまり理解していなかった「山岳信仰」について、十分に理解できました。
    わが郷土の出羽三山、深い歴史があり、こんなに魅力的だったんですね。
    改めて、月山、湯殿山、羽黒山、登りに行かなくては…

    【メモワード】
    ・三大霊場:出羽三山、大峯山、英彦山
    ・十界修行
    ・羽黒山の開山=参拂理大臣(みふりのおおど)

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著者プロフィール

鈴木正崇:慶應義塾大学名誉教授。専門は民俗宗教、祭祀芸能、民族生成の比較研究、および民俗社会を中心とする日本文化論など。著書に、『神と仏の民俗』(2001年)、『女人禁制』(2002年)、『山岳信仰』(2015年)、『熊野と神楽』(2018年)など多数。

「2019年 『BIOCITY ビオシティ 79号 自然と文化をつなぐデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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