旅の流儀 (中公新書 2326)

著者 :
  • 中央公論新社
3.26
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本棚登録 : 107
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023261

作品紹介・あらすじ

旅立ちにはしばしば憂鬱さが付きまとう。遭遇するトラブルを思うと尻込みしたくなる。だが、どんなに辛い旅であれ、得られる収穫は計り知れない。ひとつの出会いがかけがえのない人生の財産にもなる。若き日の海外放浪以来、数え切れない旅を経験してきた著者が、独自のノウハウやためになる失敗談を惜しげもなく披露。「自分の鞄は自分で持つ」「旅先で本を読む」「なんでもない風景」ほか39章で綴る、大人の旅への招待。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読めば、玉村豊男が、旅のベテランだということがよく分かる。ベテランが、旅の体験やノウハウ等を語った本。
    私も旅を、というか、海外出張をよくしていた時期があった。年間に100日を超える海外出張が3-4年間続いたと思う。韓国、台湾、中国、タイといったアジアの国が中心であったが、年に数回はヨーロッパや中東、年に1-2回はアメリカにも行っていたので、今考えてみると、世界中を旅していたのだということに気がつく。
    色々な経験をしたが、深刻なトラブルに見舞われたことが一度もなかったのは、非常にラッキーだったと思う。

    一番疲れた出張は0泊4日の出張だった。今考えると、よくそんなことをしたものだと思うが、当時は本当に忙しく、色々な国で抱えていた案件を、そうでもしなければこなせなかったのだ。重要な会議が4日間続いたのであるが、場所が、1日目東京、2日目バーレーン、3日目バンコク、4日目東京。夜行便を乗り継げば、全ての会議に参加可能なのである。1日目に羽田→関空→ドバイ→バーレーン乗り継ぎで2日目の現地の午後会議、そのまま会食をし、またバーレーン→ドバイ→バンコクと乗り継ぎ、3日目の朝にバンコク着。バンコクで会議と会食をこなし、その日の夜行便で成田へ。そのまま出社し、会議をこなして0泊4日の仕事が終了。
    今だとオンライン会議で、このようなスケジュールも楽々こなせる。在宅勤務であれば、どこにも動く必要もない。当時は、会議は現地で対面で行うべきものだという先入観があった(また、オンラインビデオ会議のためのツールもまだまだ未整備だった)のだ。
    そのように考えると、コロナによって、我々は、オンライン会議でたいていのことは用が済んでしまうことを知ってしまったので、コロナ禍が終わっても、ビジネス旅行需要は、完全には元に戻ることはないのではないかと思う。

  • 若いころから世界中を旅してまわってきた著者が、さまざまなの思い出や旅の心得などについて自由に語った文章をまとめた本です。

    いずれも軽く読み流すことのできるエッセイですが、「雨の日の旅は風情があると天気予報で言ってくれないか」という提言や、「引っ越してきたつもりで半径五百メートルを旅する」といった、せせこましさとは無縁の旅をたのしむためのアドヴァイスなど、いくつか印象にのこるものがありました。

  • 添乗員でツアーガイドだった方。通訳・翻訳・エッセイスト。文章が軽やかで心地よい。

  • 旅好きの玉村豊男氏のエッセイ集。

  • まるで旅行に行ったかのような気分にさせる。
    旅行に行く前に読んでよかった

  • 旅行経験豊富な著者が語る旅の流儀についてのエッセイ。
    著者自身の経験(失敗例も併せて)と旅の楽しみを紹介している。
    自分も若い頃は好奇心に任せて国内海外をウロウロしたけれど、歳と共に面倒臭くなってどこにも行かなくなった。旅好きの人は歳を取っても好奇心を失わない。この本には色々な出来事が書いてあったけれど、著者のような旅好きは時間の使い方が違うような気がした。

  • 文章が上手。
    旅の思い出話。

  • 玉村豊男 著「旅の流儀」、2015.6発行。みんなそれぞれ、旅の流儀があることでしょうね(^-^) 玉村氏の流儀はおしゃでしたw。私の流儀はいたってシンプルですw。運動靴と本数冊を携行し、朝食は和食、夕食はその土地の居酒屋で楽しむことです(^-^)

  • ぼくも旅行が好きなので、彼の書く気持ちが良く理解できるし役に立つ内容が多い。山の中の旅館で冷えたマグロの刺身を出していたという章では思わず小膝を叩いてそうだ、そうだと言ってしまった。スコールが来る国での章では、レストランの対応が慣れていると書いてあったが、ぼくも同じような経験をした。それは民家の庭で昼食をご馳走になっていた時だった。冷たい風が吹いてきたと感じた途端、食卓を片ずけ出した。そして一堂に会していた人が立ち上がった。見ると空に黒い雲がこちらに向かってやってきている。タイの友人が家に入ろうとぼくの手を引いて家に引き込んだ。と同時にポツリポツリと雨粒が降り出し、見ている間にそれがバケツをひっくり返すようなスコールになった。現地の人の対応の早さに驚いたのを思い出した。

  • 玉村豊男のエッセイは、いつも波長が合って、読んでいて楽しい。旅のあれこれ。

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著者プロフィール

1945年東京都杉並区に生まれる。都立西高を経て東京大学フランス文学
科卒。在学中にサンケイスカラシップによりパリ大学言語学研究所に留学す
るも紛争による休講を利用して貧乏旅行に明け暮れ、ワインは毎日飲むもの
だということだけを学んで1970年に帰国。インバウンドツアーガイド、
海外旅行添乗員、通訳、翻訳を経て文筆業。1983年軽井沢に移住、
1991年から現在の地で農業をはじめる。1992年シャルドネとメル
ローを定植。2003年ヴィラデストワイナリーを立ち上げ果実酒製造免許
を取得、翌2004年より一般営業を開始する。2007年箱根に「玉村豊
男ライフアートミュージアム」開館。著書は『パリ 旅の雑学ノート』、『料
理の四面体』、『田園の快楽』など多数。近著に『隠居志願』、『旅の流儀』。
『千曲川ワインバレー| |新しい農業への視点』刊行以来、長野県と東御市
のワイン振興の仕事に専念してきたが、古稀になった今年からは、少しスタ
ンスを変えてワインバレーの未来を見渡していきたいと思っている。

「2016年 『ワインバレーを見渡して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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