弔いの文化史 - 日本人の鎮魂の形 (中公新書 2334)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023346

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく求めていた物とは違ったようにも思うが、それでもとても学ぶものが多かった一冊。弔い、という行為がどう人の心に作用し、それがどう受け継がれているのか、それはなぜ?疑問に全て答えが出たわけではない。だけどもやはり「弔い」の心に触れることはできた。より一層学びたくなる。

  • 神道から始まり仏教へ続く、死者の弔いの変遷がわかる。特に仏教は現在まで続いており、信心深くない自身も神妙な気持ちになった。

    折口氏の理論は難解な部分もあり、少しだれてしまった。イタコ、ムカサリ絵馬や遺影など近代の弔いにも多く触れている。正者と死者の関わり方について考えさせられた。

  • 同じ人物からの引用&それが長すぎで、長い歴史を扱う中でその流れが流れとなっているのかよーわからんというのはぼくが不勉強のためかもしれません。そりゃ昔の文章を引用するんだから頑張って読まなければ理解は難しいでしょうが、でも同様の本でももうちょっとうまく引用&説明していたのがあったのを思うと。

  • 2015年10月新着

  • 経済雑誌で勧められていたので。

    芭蕉や鴨長明の話は面白くなかったが、
    弔いの儀式に関する話は面白かった。

    もともと古代の日本では、人間の死を確認する方法がなかったために、相当の期間遺体を安置し、タマフリ(魂を呼び戻す儀式)を行い、
    それが叶わなかった時に、タマシズメ(魂をしずめる儀式)を行うモガリ儀礼があったこと、
    仏教とともに火葬が広がっていったことが興味深かった。

    平安時代に菅原道真が怨霊となって京都に祟ったと思われていたことは知っていたので、
    不遇の死を迎えた人の魂が休まらないという考え方は既知の知識だったが、
    幼く、または若くして死んだ人の魂が未成霊として鎮める必要があるという考え方が、
    未婚のままに亡くなった娘息子のために、
    絵馬や人形を奉納するという形で現在にも残っていることは、感慨深かった。

  • 前半の弔いの歴史から後半の花嫁人形や絵馬へ、そして震災の写真へ。生きている人の側からのかかわり方としての弔いという通奏低音。痛切な悲しさが見えてくるのもあり、重い。まとめにくいのはこの場合豊かさなのだろう。

  • 日本人は天災や戦争によって非業の死を遂げた者をどのように弔ってきたのか。『古事記』『日本書紀』を起点に仏教説話集『日本霊異記』の世界に分け入り、念仏結社を作った源信、女人救済を説いた蓮如らによる弔いの作法を歴史的に辿る。さらに死者の霊を呼び寄せる巫女の口寄せ、ムカサリ絵馬や花嫁・花婿人形の奉納など現在も続く風習を紹介し、遺影のあり方をも考察。古代から東日本大震災後まで連なる鎮魂の形を探る。

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著者プロフィール

川村 邦光(かまくら・くにみつ)
文筆業。東北大学大学院文学研究科満期退学。2016年大阪大学大学院文学研究科退職。著書に『日本民俗文化学講義』(河出書房新社、2018年)など。 

「2022年 『親密なる帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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