財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)
- 中央公論新社 (2015年9月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121023384
感想・レビュー・書評
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55年体制末期の竹下による財務省コントロールは、財務省インテリジェンスを基礎に外交・皇室情報なども合わせて半年・1年先の政治日程を主体的に制御する手法であった。これにによって中長期の政局シナリオを描き、着地点から逆算して今打つべき手を熟考することができた。
本書は、竹下以降、平成になってからアベノミクスに至る、政治と財務省の二重螺旋運動のような経緯を、日経記者としてウオッチし続けてきた清水がクロニクルとして解説したもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
317.24||Sh
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この手の作品の悪いところは、目立つプレイヤーに脚光をあてるあまり、政治家と官僚の行動だけで全てが説明されると思わせてしまうところ。
とりわけジャーナリストあがりの人にこうした傾向が見られる気がする。背後には制度だったりが、あるわけでこうした要素にも着目してほしい。 -
国家の財政を担い、「官庁の中の官庁」「最強官庁」と称される財務省(旧大蔵省)。55年体制下では自民党と蜜月関係を築いた。だが90年代以降、政治改革などの統治構造改革が、首相の指導力強化と大蔵省「解体」を推進。2001年には財務省へ衣替えした。小泉政権、民主党政権、第二次安倍政権と政治が変動するなか、経済停滞と少子高齢化により財政赤字の拡大は続く。20年以上の取材をもとに「最強官庁」の実態を追う。