財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)

著者 :
  • 中央公論新社
3.84
  • (13)
  • (19)
  • (14)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 247
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023384

作品紹介・あらすじ

国家の財政を担い、「官庁の中の官庁」「最強官庁」と称される財務省(旧大蔵省)。55年体制下では自民党と蜜月関係を築いた。だが90年代以降、政治改革などの統治構造改革が、首相の指導力強化と大蔵省「解体」を推進。2001年には財務省へ衣替えした。小泉政権、民主党政権、第二次安倍政権と政治が変動するなか、経済停滞と少子高齢化により財政赤字の拡大は続く。20年以上の取材をもとに「最強官庁」の実態を追う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2019/08/04 TLで発見した。二度目

  • 面白そうではある。が、読む順番からするとだいぶ後の方になりそう。そのうちKindle出ないかなあ。

  • 雑誌か新聞の書評にて紹介されていましたので、手にとってみました。著者は日経新聞の編集委員で、財務省と政治の関わりを長年に亘って取材してきました。その大成が本書です。

    官庁の中の官庁として、戦後55年体制の中で行政の中核的役割を果たしてきた大蔵省が、93年の自民党下野、バブル崩壊による金融危機、そして小選挙区制への移行に伴う内閣主導の政治体制への流れの中で、財務省と金融庁に分割されます。そして、官邸との調整や間合いの取り方が重要になって来ている現状を活写しています。

    バブル後の税収の減少と高齢化による社会保障費の増大で、悪化する一方の国家財政の再建について、そして安倍内閣が推進するアベノミクスについて、普段見聞きするニュースや新聞記事とは違う長期的時間軸での見方が得られるのは、大変参考になります。終章にて、財務省が海外の投資家へのIR活動を強化し、日本の財政への理解を得る努力をしていることが印象に残りました。

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・著者は日経の人。サラリと読んだら、なかなかよさそうだった。

    【目次】

  • 55年体制下の大蔵省から、省庁再編後の財務省に代わり、二度の政権交代を経て役割を転じた財務省の実際に迫ったもの。かつての、調整役・憎まれ役をしていた時代とは法的権限も変わり、求められる新たな役割を模索している財務省。ある意味、大蔵省優勢下の政治状況を撃つ崩すという政の悲願は達成されたものの、政も官もその後の新たな構造というか関係というか役割分担を見いだせずにいる現状。明日はどっちだ!?
    そして、民主党政権時代について複数の新たな知見を得ることができたことは特機に値する。
    一つ:小沢一郎が自民党幹事長だった時代は、ほっといても財政が健全化するタイミングだったので、『財源は言えば出てくる』は彼が本気で思っていた可能性。
    二つ:民主党政権は自民党政権時代以上に財務官僚に依存していた(秘書官の面でも、政権運営の面でも)官僚との接触が、鳩山政権時の財務副大臣、菅直人政権時の財務相と財務官僚としか接触の無かった野田総理が、外務省や経産省も財務相と同じように『官僚の枠を越えた』政治的情報収集や根回しをやってくれているものと誤解したというのも、悲喜こもごもな話である…

  • 読み応えのある一冊。日本の予算成立の仕組みがよくわかる。

  • 途中でやめ。興味が持てなかった。

  • 大蔵省、財務省が、その時々の政権と、どのように関わってきたのかが、重要な改革(省庁再編)から時代を追って書かれています。かつては最強官庁と言われていたものの、政治主導の世論を背に受けた、首相による圧力に翻弄され、苦労する実態を詳細に知ることができることは大きかったと思います。必死になって勝ち取ったものの、実は双方痛み分けという現実がこの世の中には多いのだということ、完璧には物事は決まっていかない、流動的なものであるということ。政治の世界もそうなのだと、その生々しさを読むことで知ることができました。税金をめぐる戦いはまだ続いているということもわかりました。

  • いい意味でも悪い意味でも日本経済の中枢を担ってきた人物たちの暗闘のノンフィクション。単なる政治家批判や官僚批判とは一線を画していた。竹下カレンダー、橋本構造改革と大蔵省の抵抗、小泉劇場の出来レース、実際はいいなりの民主党、安倍政治と経産官僚などなど、どれもあまり知らなくて面白かった。高齢者医療は追い詰められていると書かれていたけど、もう完全に破綻していると思う。

  • 大蔵・財務省は「最強官庁」と呼ばれる/呼ばれていた。官房長官を名指して「彼に聞いても何もわかるはずがない」と言い切ったという話だから、確かに彼らはそれほどの権力を持っていたのかもしれない。

    ではこの財政状況は、一体どうしたものだろう。もし財務省が本当に「最強」の力を持っていたのだとすれば、GDPの二倍もの借金を背負い込むはずがないではないか……。
    という疑問に、当時の政治状況や、政治家や議員、官僚といったプレイヤーの動きを追いながら答えてくれるのがこの本。

    ごくごく大雑把に要約すると、財務省は確かに調整能力で他の官庁や政治家よりも優位性を持っていたけれども、小選挙区制以降、相対的に力を弱めてきた、というのが実態。特に小泉/第二次安倍政権では、その力をコントロールしようとする姿勢が伺える(このあたり、メディア戦略とも重なる部分で、両政権はとても似ている)。

    余談になるけれども、著者は新聞記者ということで、ニュー・ジャーナリズム的な手法が取られている。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

清水 真人(シミズ マサト)
徳島大学大学院准教授
徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部准教授。1978年生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学。早稲田大学法学学術院助手を経て現職。専門は会社法制。訳書に、メイヤー『ファーム・コミットメント』 。

「2021年 『株式会社規範のコペルニクス的転回』 で使われていた紹介文から引用しています。」

清水真人の作品

財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×