気象庁物語 - 天気予報から地震・津波・火山まで (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023407

作品紹介・あらすじ

1875年、虎ノ門の高台に誕生した東京気象台は、戦争や災害のたびに技術革新を行い、現在の気象庁へと成長した。日露戦争の命運を決する「天気晴朗ナルモ波高カルベシ」の電報、太平洋戦争期に軍部と争った気象観測の主導権、青函連絡船洞爺丸を襲った台風、富士山レーダーの建設とアメダスの導入、そして昨今の異常気象-。技術者たちで構成され、科学の進歩とともに歩んできた「戦う技術官庁」の足跡を辿る。

感想・レビュー・書評

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  • お雇い外国人、戦時の対応(軍部とのやりとり)、昭和30年代の豪雨災害、その後の数値予報導入や、ラジオゾンデ、レーダー、アメダス、ひまわりといった現代の機器に至るまで、わかりやすく簡潔でバランスよく、
    それでいてところどころ思いをこめて臨場感をこめて述べられていて、大変おもしろかった。

    たしかに(あとがきにも記載されているとおり)、先人たちの苦労や克服、技術的ロマンにみちており、気象の仕事への興味さえもった。

  • 3/23は
    世界気象デー
    世界気象機関条約の発効に由来。140年にわたる気象庁のドラマに迫る一冊をご紹介。

  • 前半は様々な人物が登場する歴史の話でとても面白い。後半は業務紹介っぽくなって具体的な人物の登場が少なくなり、やや退屈な印象も受けた。

  • 現在 2F展示コーナー配架展示中 ”企画展示:「地震」「防災」”
    【配架場所】 図・3F文庫新書(中公新書 2340) 
    【請求記号】 080||CH||2340

    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=172249

  • 3月23日 世界気象デー

  • 『気象庁物語――天気予報から地震・津波・火山まで』
    著者:古川武彦(1940-)

    【書誌情報】
    初版刊行日:2015/9/25
    判型:新書判
    ページ数:192ページ
    定価:本体740円(税別)
    ISBNコード:978-4-12-102340-7

     1875年、虎ノ門の高台に誕生した東京気象台は、戦争や災害のたびに技術革新を行い、現在の気象庁へと成長した。日露戦争の命運を決する「天気晴朗ナルモ波高カルベシ」の電報、太平洋戦争期に軍部と争った気象観測の主導権、青函連絡船洞爺丸を襲った台風、富士山レーダーの建設とアメダスの導入、そして昨今の異常気象――。技術者たちで構成され、科学の進歩とともに歩んできた「戦う技術官庁」の足跡を辿る。
    http://www.chuko.co.jp/shinsho/2015/09/102340.html


    【目次】
    はじめに [i-iv]
    目次 [v-viii]

    第一章 東京気象台の創設 001
    「お雇い外国人」の建議と指導/第一回気象協議会/榎本武揚、気象学会会頭の檄文/天気予報の評判/富士山頂気象観測所

    第二章 日露戦争と室戸台風 015
    1 日露戦争と天気予報 016
    電報のもととなった予報/勝利を導いた通信インフラ
    2 室戸台風と新しい情報提供体制 022
    室戸台風の直撃/大谷東平〔とうへい〕と第二室戸台風/大谷との奇縁

    第三章 太平洋戦争 029
    1 戦う中央気象台 030
    気象業務の国営化/軍部が要請した「気象協議会」の設立/陸軍との折衝/中央気象台長、辞任を申し出る/戦時体制へ
    2 「風船爆弾」プロジェクト 041
    荒川秀俊の奇想/ジェット気流を発見した日本人
    コラム 「天気野郎」の気風 [048ー052]

    第四章 海は荒れて 053
    1 北方定点(ポイントX)で漂泊せよ 054
    在りし日の凌風丸/北方定点の観測へ/アメリカからの打ち切り通告/海洋気象観測
    2 洞爺丸の遭難 064
    国際社会に復帰した矢先に/海難審判の経緯台風の位置は予測できたか

    第五章 コンピュータ時代の到来 071
    1 ラジオゾンデ 072
    使い捨てのゴム気球/空のアメダス
    2 超大型コンピュータの輸入と数値予報の幕開き 0
    IBM704、上陸/数値予報の時代/IBM704導入前夜/富士通のリレー式計算機
    3 「富士山レーダー」の建設 086
    きっかけは伊勢湾台風/「光が見えた!」六〇〇キロのレドームを三七七六メートルの高みへ/電波を「下」へ?
    4 アメダスの登場 094
    アメダスのアメは雨にあらず?/誕生の経緯/電電公社の協力/アメダスは進化する

    第六章 地震・津波・火山 103
    1 地面の揺れを見張る「目」 104
    張り巡らされた地震観測網/震源の決定原理/監視システム
    2 津波が到着する前に 108
    津波の観測/シミュレーションの限界
    3 火山噴火は予知できるか 110
    火山監視/火山灰情報センターの設置

    第七章 気象衛星「ひまわり」の打ち上げ 115
    打ち上げ計画/宇宙開発計画として/乙部〔おとべ〕道路/最初の画像はお化け/ひまわりの命名と島秀雄

    第八章 今日の気象サービス 127
    1 花開く数値予報 128
    大気現象の原理/数値予報の原理/ガイダンスの作成/より正確な予報のために/ガイダンスから予報を作成する/アンサンブル予報
    2 民間の参入 139
    規制緩和の波/気象予報士試験
    3 変わる気象庁の役割 144
    気象災害は回避できるか/災害対策基本法/航空機と気象台/国際協力/グローバル化と有料化

    第九章 地球温暖化、異常気象 159
    地球温暖化/温暖化のメカニズム/温暖化の実態と将来予測/異常気象

    おわりに(二〇一五年夏の日に 古川武彦) [172-173]
    参考資料 [174-176]
    気象庁年表 [177-180]




    【抜き書き】
    ・大石和三郎について。pp. 45ー46

     “余談ではあるが、大石の観測結果の論文は英語ではなくエスペラント語であった。時代は1920年代である。エスペラント語は、世界共通の言語を確立すべく、ポーランド人ザメンホフが創案したもので、日本では明治39年(1906)に「日本エスペラント協会」が創立された。〔……〕大石は、広く世界各国と資料を交換することを考えて、世界共通語であるエスペラントが最適の媒体であると考えたのである。彼は岡田武松と同年生まれ、同期入所であるが、岡田と同様に明治人の意気を感じる。
     大石の論文は彼が意図したようには西欧の人々に流布しなかったが、太平洋戦争の末期になって、荒川の風船爆弾のアイデアに寄与したのは奇遇としか言いようがない。”


    ・滋賀出身の著者曰く、……。大阪出身の私は困惑する。 [p. 94]
     “「雨」の連想と、「~だす」という関西弁のような語感が相まって、「アメダス」の名はお茶の間にも親しまれている。”

  • プロジェクトXを髣髴させる、
    男たちの物語。
    筆者の気象行政にかけた人生の矜持が
    伝わってくる。

  • 本書『気象庁物語』は、気象庁が明治時代に誕生し(当時の名称は東京気象台)、現在に至るまでのドラマである。このドラマの二大構成要素は、気象庁で働く技術者たちと時代とともに変化する観測や予報技術である。災害を未然に防ぎ、より正確な予報を出せるよう日夜闘っている気象庁の技術者たちを本書では、愛情を込め「天気野郎」と呼んでいる。

  • 日本の気象観測をかみ砕いて紹介している。戦前は気象台の多くが県営だったなど、興味深い逸話が含まれている。

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