代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
3.93
  • (19)
  • (25)
  • (12)
  • (1)
  • (3)
本棚登録 : 286
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023476

作品紹介・あらすじ

有権者が選挙を通じて政治家を選び、政治家が政策決定を行う。これが代議制民主主義の仕組みである。議会の発展、大統領制と議院内閣制の確立、選挙権の拡大を経て定着したこのシステムは、第二次世界大戦後に黄金期を迎えた。しかし、経済成長の鈍化やグローバル化の影響を受け、今や世界各国で機能不全に陥っている。代議制民主主義はもはや過去の政治制度なのか。民意と政治家の緊張関係から、その本質を問い直す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 近頃政治をめぐって「民意」とか「民主主義」といった言葉を用いた、罵り合いにも似た言論が盛んである。本書はそうした政治の現状をあくまで比較政治的に、選挙制度の選択×行政権の強さから検証したものである。
    比較政治の妙味であるが、「こうすべき」と言われるような政治制度の多くは、既にどこかの時代のどこかの国で実施されている。それは失敗して別の制度に移行している場合もあれば、時々失敗はしつつも現在までそのままという場合もある。そうした政治制度の幾つかを検討して、「では、今の日本の代議制民主主義は言うほど悪いものか。」と読者に働きかける。
    結局、そうした政治制度の帰結のどの点に着目するのかで結局議論は分かれるのであるが、その議論の前提として本書は活躍するであろう。
    ただ、最初の2章(歴史、大まかな比較)のまとめ方が下手である。それがあまりにもったいない。

  • 今年のベスト本候補。民主主義と自由主義を代議制民主主義のもとでせめぎ合い、運営されていっている、という視座で様々な政体を読み解く。関係ないと思っていたあれやこれがこういう統一的な説明ができるのか、という連続。AとBがあって一長一短ですよね、という中級本にありがちな逃げには走らず、どういう場合/目的の時はどういう方が良い、などときちんと触れてある。

  • 自由主義(効率性)と民主主義(公平性)の結節点として代議制民主主義を、歴史的、課題的、制度的に読み解き、あるべき改革を探る。

    最後の章で、代議制民主主義はしたたかでしなやかである、との一文まで至った時、本書の冗長で、広範な書き口、構成の意義、つまり、作者の意図が始めて分かった。


    あちら立てれば、こちらが立たない、というバランス装置の重要性こそ認識すべきなのだ。

  • 2017/04/28 初観測

  • 社会
    政治

  • マケプレ本

  • <blockquote>みんな、それぞれ自分なりの「民主主義」の定義があって、現状がそれに合わないって不満を述べているだけかもしれません。

    そして、一部では、自由と民主主義は一体であるかのように考えられています。

    でも、本書で繰り返し説かれているのは・・

    自由主義は権力を分割して競争させて、権力の暴走を制限するものであり、

    民主主義は民意を政策に反映させることをまずもって追究することで、

    そのバランスをどこで取るか、ということが重要であるということです。</blockquote>

  • そもそも、民主主義と議会制度は出自が異なるのに、今では民主主義と言えば、普通選挙に基づく議会制度が必須となっているが、これは、決して直接制民主主義の代替物では無く、自由主義と民主主義の貴重な接点であること。そして、自由主義的側面と民主主義的側面が互いに摩擦を起こすことこそが、必要なことなんじゃないのかなあと。
    多数の専制に陥らないように民主主具は制御される必要があるし、政治家の正統性は民意に基づかねば維持できない。そして、熟議民主主義では、民主党政権が行った(偏った専門家主導の)討論型世論調査で実証されたように、却って専門家による専制を招きかねない。
    そして、民意と政治家と官僚(専門家)の関係性を調整することは必要になっても、安易に直接民主制的な国民投票を導入するのは避ける方が、長期的な利益を確保できるような気がするのである。

  • 11月29日 議会開設記念日

  • 有権者(投票)⇆政治家(政策決定)⇆官僚(政策実施)の委任と責任の連鎖 がポイント。
    小国の例が分かりやすかった。(官僚は時に政策の実施を民間に委任する場合もある。)
    またじっくり読み直したい。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2018年6月現在京都大学大学院法学研究科教授

「2018年 『民主主義にとって政党とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す (中公新書)のその他の作品

待鳥聡史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印

代議制民主主義 - 「民意」と「政治家」を問い直す (中公新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする