悪意の心理学 - 悪口、嘘、ヘイト・スピーチ (中公新書 2386)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023865

作品紹介・あらすじ

嘘、皮肉、罵倒、偏見…。面と向かっての会話であれ、ネットでのやりとりであれ、言葉によるコミュニケーションはしばしば暴走し、相手に対して「悪意」の牙を剥く。その悪意はいじめや差別、クレーマーやセクハラ、政治家の問題発言を生む。一方で、意図していないのに加害者になってしまうこともある。悪意はなぜ生まれ、どう表現されるのか。どうすれば、悪意に立ち向かえるのか。社会心理学・言語心理学の観点から考察。

感想・レビュー・書評

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  • 悪意の心理学―悪口、嘘、ヘイト・スピーチ。岡本真一郎先生の著書。悪口、嘘、ヘイト・スピーチ、誹謗中傷、いじめ、嫌がらせといった行為は、人間が持つ悪意、先入観、嫉妬心や劣等感に結びついている。自分は虚言癖や醜悪発言癖がないだろうかと改めて自問自答するきっかけになりました。

  • 悪意の種類、分類、過程について書かれてある。対処方法や対策をもっと知りたかった。

  • 悪口、うそ、セクハラ、皮肉、批判、公人の失言、ヘイトスピーチなど、さまざまな悪意をもった言動の裏にどのような心理現象があり、また私たちはそれをどのように勘づくのかを心理学的にアプローチ。

    特別何か大きな気づきが得られたというわけではないが、悪意というなにか踏み込みずらい現象について、心理学的アプローチの枠組みを示してくれており、心理学的な考え方を学ぶことができる。

    自分自身、皮肉が効いた言い方は好きで、ついついいつも言いくるめたり、口酸っぱく批判してしまうこともあるが、その自分の言動プロセスを観察してみるのもおもしろそうだ。

  • コミュニケーションて、本当にややこしくて大変だなあと改めて思いました。
    でも避けて通るわけにはいかないので、
    自分は心を綺麗に、そして誠実に、寛大に生きていけたらいいなあと思う。

  • 悪口に区分されるのはどういう言葉か、婉曲的な悪口とはどういうものか、悪口に使われる単語と地域の相関性、といった「語彙論的」なアプローチがメイン。
    自分はタイトルの「悪意の心理学」の表記に惹かれて手に取ったため、やや期待とは異なるテーマであった。

  • 普段我々が何気なくコミュニケーションで使っている言葉を分析して、定義づけして、分類した感じの本。
    個人的にはまあそうだよね、としか思えず、実用的ではなかった。
    普段あんまり考えずに喋ってしまう人や、言葉で失敗しがちな人は読んでみてもいいかも。

  • 「差別」を扱った本。

    ヘイトスピーチ、セクハラ、皮肉などの差別がなぜ起きるのか、またどう対処してくべきなのか説明している。人種や血統に関する社会問題として差別やクレーム、皮肉など日常内のコミュニケーションにおける侮辱や悪口など類型化すると際限がないとことが分かった。クレームの対応や正しい批判は興味深かった。

    以前から差別はなぜなくならないのかが気になっていて購入。人によって言葉の受け取り方は様々ということを改めて認識した。多様な価値観が尊重されるべき現代においては非常に大事なこと。ただそんな時代にもかかわらずなぜ差別がなくならない原因はまだよく分からない。

  • インターネットでのことばのやり取りを見て感じるもやもやの原因がすこしわかり、ほっとした。

  • ネットのコメントと職場のヘイトが気になって読んだ本。デマは重要性と曖昧さを乗じて流布の程度が導かれるなど興味深い。人間のコミュニケーションとは本当に複雑であるとこれを読んで思った。この本の内容を知ったからと言って何をどうすることはできにくいとは感じる。ただただ言葉にする前の心を整えることが大事だとであると感じた。

  • ●読んだ理由
    この本の内容とは少しずれるかもしれないが、職場内での人の悪口(面と向かってでない)、会社のコンプラ研修のトピックスとなってた部落、最近の日本・韓国関係のお互いの罵り合いから、コミュニケーションにおける悪意に興味をもったことから。
    ●感想
    8つある章のうち7章は、コミュニケーションの説明でうっかり発言、クレーマーとセクハラ、嘘、ヘイトスピーチなどなど...でかなり細かく丁寧に説明されてる、最終章が対処法。
    この説明部分がとても興味深かった。普段何気なく行っているコミュニケーションについて、話し手の意図と聞き手の受け取り方、ミスを起こしてしまう要因がわかる。記載されている内容を知っておくと、悪意に接してしまったときに、それにもろに反応してしまうのではなくて、相手がどんな心理状態なのかを考慮したり、言葉の裏側を読んだりして、適切に対処できるようになるのでは、自分の発言・対応がどう相手にとらているかを思い図り配慮した行動ができるのではと思った。

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著者プロフィール

愛知学院大学心理学部教授

主な著書
ことばの社会心理学 ナカニシヤ出版 2010年
ミス・コミュニケーション  ナカニシヤ出版 2011年
悪意の心理学 中公新書 2016年
なぜ人は騙されるのか 中公新書 2019年

「2023年 『コミュニケーションの社会心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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