- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121023964
感想・レビュー・書評
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金文を中心とした同時代資料を軸に西周時代の歴史を復元し、その延長線上としての春秋戦国時代を描いた一冊。春秋時代から中国史に触れた身としては、その次代に理想化された時代の実像とその変遷は興味深いものがあった。
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周王朝というと,多くは春秋戦国時代を含む「東周」の解説になるのだが,本書でのメインは「西周」である。「祀と戎」をキーワードとするのだが,これが難しい。
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編集者は人気の高い春秋・戦国時代に焦点を当ててほしいといったが、著者はそれを突っぱねた。学術書はこうじゃないとね。
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本書は、諸子百家、斉の桓公・晋の文公ら春秋の五覇で知られる東周ではなく、宮崎市定によって「西周抹殺論」が唱えられたこともある西周に多くの頁を割き、著されている。
作り話感が多く感じられた殷から時は流れ、裏付けの取れた史料も増え、後代の『史記』などに、どのように解釈が変遷していったのかが論じられていて楽しかった。 -
中国の古代王朝「周」の実態について、西周期を中心に、『史記』等の伝世文献と、金文などの考古学的な最新の研究成果も併せて論じてあります。最新の研究結果を知ることができるのはありがたいですが、やや専門的すぎるというか(苦笑)。
素人向けとしては、もう少し図版が多いと良かったのではないかと思いました。
周は殷の政治制度をわりとそのまま踏襲していたということです。
周公や王もうなどの名前が表紙に書いてありますが、そういう有名人のことはあまり触れられておりませんで、がっかりしました。 -
難しすぎる
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なんか読みにくかった。
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周という国は、建国時期・初期の文王・武王・周公、そして後半の春秋戦国時代はよく知られているが、前半の西周時代はほとんど知らなかったことを改めて感じる。この時代は「史記」が有名だが、それ以外に「春秋」「春秋左伝」「礼記」「竹書紀年」その他多くの文献があり、そして青銅器などに書かれた「金文」の解読など、これからも新発見に期待したい。「共和」という言葉が、この時代の11代宣王が即位するまでの空位記4年に2人の大臣の政務を語源とする言葉だという!「宋」国は殷の紂王の諸兄の子孫の国だった!宮城谷昌光の描いた世界が、いかに豊富な文献の研究に基づくものかを知り、感心した次第。
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中国の古代王朝「周」の実態について、西周期を中心に、『史記』等の伝世文献及び金文等の出土文献を駆使し、また、最新の研究成果も取り込みながら、明らかにしている。
周王朝のキーワードは、「祀」(祭祀)と「戎」(軍事)であるとする。そして、諸公や儒家が再現しようとした周代の「礼制」が、西周期の実際の礼制とは異なる理想化された「創られた伝統」であったことを指摘している。
周王朝の歩みを概観するのに優れた一冊だが、新書として必ずしも読みやすくはなかった。